京都洛中に残る「キンシ正宗堀野記念館」で名水&お酒の試飲を楽しもう!

京都洛中に残る「キンシ正宗堀野記念館」で名水&お酒の試飲を楽しもう!

更新日:2017/01/26 11:31

古都の U助のプロフィール写真 古都の U助 ブロガー
かつて京都の中心部、御所の周辺には200軒ほどの酒蔵がひしめいていたといいます。現在はそのほとんどが伏見に移転しているのですが、「キンシ正宗堀野記念館」では貴重な遺構が今も創業の地である京都市中京区に現存。敷地内に湧く名水「桃の井」は今も豊かな水量を誇り地ビール造りに利用されています。見学の際には風情ある町家建築や中庭の他、地ビールや日本酒の試飲に加え、「桃の井」の水も試飲することが可能です!

「キンシ正宗堀野記念館」の外観

「キンシ正宗堀野記念館」の外観

写真:古都の U助

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京都市中京区、京都御所の南側に位置するキンシ正宗は天明元年(1781年)この地に創業された造り酒屋。かつて京都中心部である御所周辺にはおよそ200もの酒蔵があったといいますが、現在ではそのほとんどは姿を消し、あるいは伏見に移転しています。キンシ正宗も明治13年、日本酒の製造拠点を伏見に移転しましたが、現在も京都市内中心地に日本酒作りの貴重な遺構を留め、旧堀野家本宅と日本酒作りに使用した天明蔵は国の登録有形文化財の指定を受けています。

また、創業時から酒造りに使用していた名水「桃の井」からは今もこんこんと良質な水が湧き出ており、現在では「桃の井」の水を使用し地ビール製造をこの地で行っています。

町家好き必見の建築

町家好き必見の建築

写真:古都の U助

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見学は本宅の1階だけでなく2階、中庭の見学もでき、さらに名水「桃の井」の他この地で製造される地ビール、今は伏見に製造拠点を移していますが自慢の日本酒の試飲も可能。これで大人1人300円はかなりお得です。

貴重な町家建築である本宅一階には、通りに面した帳場や鶴亀の中庭の眺めも風情のある数寄屋風座敷などがあり、室内ではビデオ上映によるお酒に関する案内が見学できたり、いたるところに貴重なポスターや酒瓶、古道具等が展示されたりしています。

町家好き必見の建築

写真:古都の U助

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こちらは展示品の中で特に目を引かれる一階に展示されている一斗瓶。容量にしておよそ18リットルにもなる一斗瓶は、なかなかお目にかかる機会も少ないものですが、こちらの瓶には美しい切子模様が施されており、近づくとより一層目を見張るものとなっています。日本酒を買う際には美しいガラスの瓶のデザインを重要視される方も多いと思いますが、キンシ正宗には手ごろな180mリットルサイズから美しい切子デザインの商品もあるのでお土産にもピッタリです。

町家好き必見の建築

写真:古都の U助

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こちらは客人などを通した二階の奥座敷で、ときには舞妓や芸妓が呼ばれ宴会が開かれることもあったといいます。彼女らの華やかさを引き立てるため、室内の装飾は最小限に押さえてあるのが特徴で、京都ならではの美意識が感じられる粋な部屋となっています。

名水「桃の井」

名水「桃の井」

写真:古都の U助

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風情ある中庭の一角には名水「桃の井」があり、見学者は自由にその水を試飲することが出来ます。かつてはそばに大きな桃の木があったことからその名が付けられたという「桃の井」は、年間通して水温が16度に保たれ、日本酒作りに適した軟水で口に含むとまろやかで甘く感じられます。どんなに美味しいお酒も料理も、使う水が良くなければ根本から味が崩れてしまうといいます。大部分が水であるお酒ならばなおさら、というところでしょう。

日本酒&地ビール試飲

日本酒&地ビール試飲

写真:古都の U助

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見学のあとはお楽しみの試飲が待っています。試飲は社名ともなっていて、日本酒数種と地ビール数種がいただけ、日本酒は通常は看板商品でもある金鵄(キンシ)正宗をセレクトしてもらえます。金鵄正宗にも色々と種類があり、純米酒の他、特別純米酒、より酒米のよい部分だけを使う大吟醸などがあります。特に大吟醸は口当たりが良く癖が無いので、普段日本酒を飲まない方にも向いているとされ、女性にもオススメ。

金鵄正宗の「キンシ」というのは日本書紀に登場する霊鳥で、初代天皇となる神武天皇が大和の長髄彦(ながすねびこ)を征伐する際あらわれた鵄(トビ)だそう。あるいは八咫烏(ヤタガラス)と同一だとする説もあります。

日本酒&地ビール試飲

写真:古都の U助

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ここキンシ正宗堀野記念館では現在日本酒作りは行ってないものの、敷地に残る蔵と桃の井の水を使用した地ビールが作られています。

ケルシュタイプ特有の綺麗な黄金色で、飲み口もスッキリとして飲みやすい「京都町家麦酒かるおす」、琥珀色でまろやかなコクが感じられるアルトタイプの「京都花街麦酒まったり」、ロースト麦芽の深いコクとキレが特徴の「京都平安麦酒くろおす」の3種類。どれも本当に美味しくてこちらもオススメ!

お土産には京の味を

お土産には京の味を

写真:古都の U助

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玄関から入ってすぐ続く土間には貴重な展示や各種商品が並んでいます。お酒以外にも酒糟豆乳鍋の素や酒粕カレー、京のまろやか塩ぽんずやごまぽんずなどもあるので、ぜひ京の味をご家庭でも試していただけたらと思います。

最後に

こちらの日本酒が美味しすぎて、もしすぐにでもガッツリ飲みたくなってしまった場合、敷地北側にある天明蔵を利用したお食事処奥満笑屋でも提供されています(お得なランチメニューあり)。

近年では展示施設やカフェ、店舗として改装されている町家もありますが、キンシ正宗堀野記念館は、先人たちが過ごした古い時代の雰囲気や空気といったものがより「濃く」残っている場所の1つです。そういった目に見えないものは、普段あまり多くの観光客が押し寄せるような場所やあまりに人の気配の無い場合は、薄れていくものなのかもしれません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/22 訪問

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