蓼科山や天狗岳などを含む北八ヶ岳のなかで、北横岳や縞枯山への冬山登山は比較的初心者向けのルートです。高低差もあまりなく、歩きやすいため、多くの登山者やハイカーでにぎわいます。それでも、もちろん冬山を侮ってはいけません。ロープウェイに乗って着いた山頂駅は標高2237メートル。雪山シーズンの最低気温は−20度に達する日もあり、完全防備が必要です。
ロープウェイは、正式には「北八ヶ岳ロープウェイ」と称されるもの。夏にはハイキングや夏山登山、冬にはスキー・スノーボードの旅行者が多いです。
ロープウェイ乗り場まで車で行く場合は、中央自動車道「諏訪」インター、もしくは「諏訪南」インターで降り、国道経由で約40分。電車の場合は、JR中央線「茅野(ちの)」駅からアルピコ交通のバス。茅野駅西口の2番乗り場から、北八ヶ岳ロープウェイ行きが出ています。所要時間は約1時間です。
ロープウェイは100人乗れるもの。運行時間は、11月から4月上旬までが朝の9時から夕方4時まで。その他の期間は概ね朝8時から夕方5時までです。20分間隔で動いており、山頂駅までの所要時間は約7分。大人往復で1900円、子どもが950円(2017年1月時点)です。
山頂駅はとにかく霧氷、樹氷の世界。ここから冬山登山のスタートです!
写真:八岳木 流泉
地図を見る写真:八岳木 流泉
地図を見る山頂駅付近には坪庭(つぼにわ)という溶岩台地があり、夏場はスニーカーで一周30分のトレッキングができます。雪の世界とは全く異なり、高山植物が咲く夏場も非常に魅力的ですね。
それでも冬山には冬山の良さが。人も少なく静かな別天地が待っています。坪庭を境に、北へ進めば北横岳。東へ進めば縞枯山です。人気の高い北横岳も良いですが、縞枯山から「五辻」という分岐点を経て、山頂駅に戻る。そんな手軽な散策がおすすめです。
写真:八岳木 流泉
地図を見る雪山は天気が変わりやすく、晴れていても突然吹雪になります。少しでも危険を感じたら、迷わず登山を中止しましょう。途中で引き返す勇気も必要です。
とにかく深い雪の中、はじめの目印は「縞枯山荘」です。地図上では山頂駅から30分ほどで着く計算です。山荘までの道はほぼ平坦です。雪色に染まる針葉樹を眺めながら、楽しく向かいます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る縞枯山荘はそれほど規模が大きくない山荘です。三角屋根がとても愛らしく、八ヶ岳の山荘の中でも評判の高い山荘です。一泊二食で8000円。素泊まりならば5000円(2017年1月時点)です。年中無休ですが、冬期間は不定休なので、必ず事前に予約してください。
夏には周囲の緑が青々しさを際立たせ、実にさわやかです。
写真:八岳木 流泉
地図を見るそれが一転、冬山では外壁の溝が雪で埋まり、まるで水墨画のようになります。この秀麗は冬山に登った人にしか見られない、まさに登山者の特権ですね!
写真:八岳木 流泉
地図を見るロープウェイ側から来て、縞枯山へは右に折れます。ここから山頂までは約40分。雪が深いので余裕をもって50分くらいで登ります。
この地点からは急こう配になります。登山靴やアイゼン(スパイク)を確認し、必要であればスノーシューやカンジキを履きましょう。
写真:八岳木 流泉
地図を見る縞枯山の山頂は標高2403メートル。ロープウェイの山頂駅からは170メートルほど上がります。降雪が増し、視界が悪くなる場合もありますので、注意して無理しないように!
写真:八岳木 流泉
地図を見る到着した縞枯山の山頂です。周りを見ても雪と木ばかり。元来、木々に囲まれた縞枯山の山頂から、あまり眺望の期待はできないのです。
ここで味わいたいのは雪の降る音です。喧騒が全く無い世界なので、雪の音がするのです。シンシンともサンサンとも、これも静かな冬山に行かないとわからない旅の魅力です。
写真:八岳木 流泉
地図を見るここからはロープウェイへ戻るルートへ。まずは最終分岐点「五辻」を目指します。縞枯山山頂から五辻までは、大体1時間です。
写真:八岳木 流泉
地図を見るしかし、新雪の影響で道がわかりません。前の人が通ったであろうトレース(足跡)をたどって降りますが、それが難しければ来た道を戻ってください。
それでも、ときどき野ウサギの足跡があったり、木の上からパウダースノーが落ちてきたりと、ワクワクしながら進めます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る五辻のあたりは風が強いので、視界が一層悪くなります。しかしここまで出てくればあとはロープウェイの駅まで平坦な道。おおよそ40分の最終歩きです。
雪山への別れを惜しみつつ、温かい下の世界へ戻る。3時間ほどの雪山登山で、心を揺さぶる体験を!
ロープウェイで手軽に登山口まで行き、そこから3時間ほどの雪山登山。冬の山小屋や雪の音など、行かねばわからぬ魅力にあふれています。下山をすれば、蓼科温泉など体を温める施設も豊富。決して無理せず楽しく歩いて、充実の日を過ごしてください。
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(2024/4/23更新)
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