写真:八岳木 流泉
地図を見る長湯温泉は大分県の竹田(たけた)市にあります。熊本市にもほど近い県南西部で、くじゅう連山などの山峰に囲まれた穏やかな場所です。同市には多くの温泉が湧いていますが、規模も歴史も突出しているのが長湯です。
長湯へのアクセスとして、車の場合、福岡県側からであれば大分自動車道「湯布院」インターを利用し、国道・県道で南下するルートがあります。その他、熊本県側からの場合は国道等の一般道で。
公共交通機関の場合は、JR豊肥本線の「豊後竹田」駅下車。竹田交通のバスで約40分です。JR日豊本線の「大分」駅からのコミュニティバスもあります。
長湯の町を歩いていると、さっそくユニークな場所に出くわします。温泉街の中心を流れる芹川に湧いた「カニ湯」です。
写真:八岳木 流泉
地図を見るこの地域にすんでいたガニ(カニ)の悲恋伝説に基づくカニ湯は、芹川の川中にポツリと存在しています。増水時にはほぼ水没するため入れませんが、それ以外であれば誰でも無料で入ることができます。出典によっては「ガニ湯」とも表されていますが、広く「カニ湯」として通っています。
お湯はもちろんかけ流し。日によって変わりますが、お湯の色はおおむね緑灰色です。カニ伝説のカニ湯。ネーミングがユニークですね。
写真:八岳木 流泉
地図を見るただし、川向こうに温泉宿が建っているため、いわゆる衆人環視の中での入浴となります。それでも入ってみる価値は充分ありますが、少しでも気乗りしなければ無理せず見学にとどめましょう。
写真:八岳木 流泉
地図を見る長湯温泉では、奈良県の十津川温泉や岡山の湯原温泉などとともに、「源泉かけ流し宣言」を出しています。この宣言は"湧き出したままの成分を損なわない源泉が、新鮮な状態で浴槽に入っていること"などを誓うもので、温泉郷全体で守っていく宣言です。長湯温泉には大小あわせて15軒ほどの宿が建ち並び、湯量豊富な源泉を供給しています。
各宿での外来入浴やカニ湯での湯あみも良いですが、町の自慢の日帰り施設「御前湯」は魅力的です。御前湯の外観はどこか西欧風。それは竹田市がドイツ・バードクロツィンゲンと姉妹都市であることに由来しています。市内にはドイツ村などもあり、盛んに交流を続けています。
御前湯には、1階と3階に浴室があり、日ごとに男女が入れ替えられます。その他、喫茶室やマッサージルームもあり、町の憩い場としても賑わいます。泉質はマグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉。カニ湯と同様、濁りを呈しています。
営業は午前6時から午後9時まで。第三水曜日が定休で、市外大人500円、市内大人300円です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る長湯温泉のユニークさは、温泉施設にも見られます。炭酸成分を含み、ラムネのようだから「ラムネ温泉」。このラムネ温泉は日帰り施設です。午前10時から午後10時まで大人500円、子ども200円で利用できます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る長湯温泉には、多くの文人も訪れています。野口雨情や与謝野晶子、椋鳩十など多彩な顔ぶれです。町では、彼らが詠んだ歌を、歌碑にして顕彰しており、旅行者への文学歌碑巡りも提唱しています。
中でも面白いのは俳人、種田山頭火の歌碑です。"剃りたての頭にぞんぶん日の光"などとユニークな歌碑がありますが、とりわけ、"宿までかまきりついてきたか"は秀逸です。そんな各人の歌碑をめぐるのも楽しいですね。
写真:八岳木 流泉
地図を見る長湯のユニークさに関して、極めつけは「ジャンボパン」です。道の駅「ながゆ温泉」などで売られるパンで、小麦粉、酒、シソを練りこんで作られます。
驚くのはそのサイズ。縦20センチ、横40センチ、厚さ7センチとまさしくジャンボ!まるで枕のようなスケール感です。食味は軽い蒸しパンのよう。一度食べたら忘れられないサイズと味、ここにユニークさも極まります!
長湯温泉のユニークさには、決して悪意を感じません。一生懸命に考えて作られたようで、その優しさにホッコリと。じっくり見れば、もっと出てきそうなユニーク感。ゆっくり歩いて新たな面白さを発見しましょう!
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(2024/4/18更新)
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