お地蔵様のご鎮座は南品川の品川寺(ほんせんじ)。地蔵像建立は最も古く1708年。ちょうど5代将軍綱吉の最末期に当ります。
アクセスは京浜急行線青物横丁から徒歩5分と交通の便の良い場所にあります。京浜急行の起点、品川は新幹線も停車し、空港からのアクセスの良く、最初に立ち寄るお地蔵様としては、わかりやすくお勧めです。
また品川寺は東海七福神や江戸33観音の霊場にも名を連ねており、地蔵以外にも多くのご利益がありそうですよ(笑)
そして建立当時は品川宿として賑わい、現在は周辺に旧東海道の商店街が立ち並び、江戸情緒あふれる雑貨屋さんや少しレトロな駄菓子屋さん、そして現代風のお洒落なカフェなど、周辺散策も時間を忘れて楽しめます。旧東海道の散歩の中で立ち寄られるのが一番のお勧めです。
次は甲州街道の起点、新宿の太宗寺(たいそうじ)。アクセスは地下鉄新宿三丁目より徒歩5分です。
このお寺も新宿山の手七福神の一つ、布袋様が祀られています。江戸三大閻魔の一角を為し、地蔵像の向かいにある閻魔堂を覗いてみませんか? 地蔵像建立は1712年 7代将軍家継の頃です。
余談ですが、江戸時代中期は、5代綱吉の長期政権後、8代吉宗が就任するまで、3年余りで6代目、7代目と将軍が交代しています。こうした、短期政権が続き、民衆がやや不安を感じてる時代に、安全、安定を祈願し建立された6地蔵は、時代の申し子と言えでしょう。
さて、話をもとに戻して、この太宗寺は新宿2丁目にあり、昼間は閑静な住宅地の中にありますが、日が暮れると近隣のゴールデン街や2丁目の歓楽街が賑やかになります。夕方お参りされる方、帰りに寄り道するところには事欠きませんよ(笑)。
周り順3番目は、中山道の起点、巣鴨にある真性寺(しんしょうじ)です。地蔵像建立は1714年、7代将軍家継の時代です。
アクセスはJR巣鴨駅から徒歩5分。「おばあちゃんの原宿」で有名な巣鴨とげぬき地蔵商店街の入り口にあり、寺院自体も御府内八十八か所霊場の一つで、訪れる人も多く、地蔵像には常に花が供えられ、線香の火も絶えません。
また、お寺の参道が商店街に抜けている関係で、お参りの前後は、商店街散策もたっぷり楽しめます。とげぬき地蔵商店街にはカレーうどんの「古奈屋」、大福の「岡埜栄泉」、赤パンツの「まるじ」をはじめ、地元の食品店も多く立ち並んでいます。
食べ歩きには最高の場所ですよ。満腹の後、お地蔵さんを参拝し、お腹と心の安全を祈願しては如何でしょうか(笑)
さて、次なる六地蔵は建立2番目の東禅寺(とうぜんじ)。ここは奥州街道の起点に位置しており、江戸時代は国境であった隅田川の近くにあります。
六地蔵の中では一番東に位置しており、建立は1710年。短命政権だった6代将軍家宣の在位中に建立されました。ただ、アクセスは一番悪く、浅草駅から徒歩15-20分程あります。またお寺自体は前述3寺院に比べ小さく、地蔵像以外にも特筆すべきものはありません。
一方周辺は昭和風情が残る住宅地で、あまり目立ったお店はありません。六地蔵巡りの中では一番地味な場所です。その分念入りのお参りができますよ(笑)
最後の地蔵巡りは建立5番目の霊厳寺(れいがんじ)。ここは水戸街道の起点で、アクセスは地下鉄清澄白河駅から徒歩5分。建立は1717年 名君と謳われた8代将軍徳川吉宗の初期にあたります。
地蔵像は他の4件と少し異なり、山門からは奥の方に鎮座しています。境内を少し歩きましょう。
霊厳寺の裏手には江戸深川資料館もあり、下町の文化や風俗の展示が興味を引くところです。ただ、この辺りも住宅地域で、商店街の様に食品店などが並んでいる状況にはありません。
だから食べ歩きは難しいですが、規模の小さい喫茶関連のお店はあるので、お参りの前後に一息入れることが出来ますよ。
江戸六地蔵はその名の通り、江戸中期に六体作られました。しかし、明治になって廃仏毀釈運動が起こり、当時六体目があった深川の永代寺は廃寺となり、地蔵は取り壊されてしまいました。
そのため現在はこの5体が、第二次世界大戦の戦火も潜り抜け現在まで残っています。日ごろの運動不足解消のためにも、ご利益祈願の地蔵巡りされては如何でしょうか?
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