「こんぴら」と「ゆが」の両参り!香川と岡山を巡る江戸の旅

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「こんぴら」と「ゆが」の両参り!香川と岡山を巡る江戸の旅

「こんぴら」と「ゆが」の両参り!香川と岡山を巡る江戸の旅

更新日:2017/07/30 14:36

大里 康正のプロフィール写真 大里 康正 写真家、旅ライター

香川県琴平町にある金刀比羅宮は「こんぴらさん」として親しみを込めて呼ばれ、全国的に有名です。そして岡山県倉敷市にあるのが由加山蓮台寺。実は江戸時代、二つの大権現として金毘羅大権現と瑜伽大権現の両方を巡ることこそ、御利益があると考えられていました。

現在、由加神社となっている場所は、由加山蓮台寺の一部が明治の神仏分離で分けられた経緯がありここも興味深い場所。江戸の両参りをご紹介します。

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金刀比羅宮の長い石段

金刀比羅宮の長い石段

写真:大里 康正

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最初に金刀比羅宮のお話です。金刀比羅宮(こんぴらさん)と言えば、何と言っても長い石段が有名です。その段数は実に1368段です。しかしながらその数は、今回ご紹介する奥社と呼ばれる巌魂神社までを含んだ段数。

一般的な参拝は御本宮までの785段。それでもかなりな数と言えます。こんぴら参りでは奥社まで行けなくても、ぜひとも御本宮までは行っておきたいところですが、天候や体調を考慮の上、無理の無い範囲を心掛けましょう。

金刀比羅宮とは

金刀比羅宮とは

写真:大里 康正

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祭神は本殿の無い神社として有名な奈良県桜井市の「大神神社」と同じ大物主大神です。奈良では五穀豊穣、酒作りの神として崇められていますが、金刀比羅宮では海上交通の守り神。瀬戸内に面した香川県ですので、水神でもある大物主大神は、海上交通の神としてとても重要と言えます。

由緒については複数の説がありますが、大物主大神の行宮であった場所がこの象頭山とされます。また、仏教と修験道の影響を受け、神仏習合の寺社となっています。長寛元年(1163年)には第75代崇徳天皇が皇位継承後、象頭山松尾寺金光院にご参籠されたと言われます。

金刀比羅宮とは

写真:大里 康正

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古い時代、神仏は同じ場所であることが多く、ここも宮というよりも金毘羅大権現として祀られていたと考えるべきです。宮として一部が改称されるのは由加神社も同じで、明治期の神仏分離令によるものです。江戸時代までのお参りは大権現ですから、庶民にとっては金刀比羅ではなく金毘羅だったことでしょう。

こんぴら参りは特に江戸時代になると、お伊勢参りと並んで庶民信仰の代表的な形となります。そして「金毘羅大権現」と、岡山県倉敷市の由加山にある「瑜伽大権現」への両参りも本格化することとなったのです。

御本宮では「こんぴら狗」と呼ばれる開運みくじを引くことが出来ます。そもそもなぜ犬なのでしょう。それは「金毘羅狗」から来ています。その昔、こんぴらさんに参拝したくても叶わない人たちが飼犬を自分の代わりに参拝させたという話から来ています。そのような縁起物としてこんぴら狗が開運みくじとなっているのです。金の犬はあなたにどんな運勢を開示してくれるでしょうか。パワースポットで運だめし!

奥社「巌魂神社」

奥社「巌魂神社」

写真:大里 康正

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御本宮から更に583段、こんぴら参りの全ての石段「1368段」を上がると、一番奥に見えるのが奥社「巌魂神社」です。巌魂は「いずたま」と読みます。祭神は巌魂彦命であり、金刀比羅本教の教祖とされています。

ここからは讃岐富士、琴平町、さらには瀬戸内海までが一望でき、石段の疲れを一気に晴らしてくれるでしょう。

そして岡山県倉敷市児島へ

そして岡山県倉敷市児島へ

写真:大里 康正

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古(いにしえ)から江戸の昔。両参りの参拝者が主に使った港が、岡山県倉敷市児島田の口付近となります。ここには讃岐を望むように鳥居があり、備前焼の狛犬が瑜伽大権現へいざなっているのです。

厄除け「瑜伽大権現」

厄除け「瑜伽大権現」

写真:大里 康正

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金刀比羅宮が海上交通を主とした神であるのに対し、由加山蓮台寺は厄除けとして有名。「こんぴらさん」と「ゆがさん」の両参りをせねばお陰が少なくなるとして、蓮台寺の瑜伽大権現にも多くの人が参拝しました。

瑜伽大権現は蓮台寺の本堂二階で秘仏となっています。由来では行基菩薩が阿弥陀如来と薬師如来の二尊を「瑜伽大権現」としたことが始まりとされます。ぜひとも足を運んでみましょう。

厄除け「瑜伽大権現」

写真:大里 康正

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そして、蓮台寺に囲まれるようにある由加神社。もともとは蓮台寺の中だったので、周囲に蓮台寺の宗教施設があっても不思議ではありません。こちらにも岡山県内を中心として詣でる人は数多く、近隣では有名な神社と言えるでしょう。

岡山県の神社では狛犬が備前焼ということが多いのですが、ここ由加神社本宮も見事な備前焼の狛犬が鎮座しています。ところで由加と瑜伽の違い。神社はそのまま「由加神社」ですが、昔からの「瑜伽」は蓮台寺の瑜伽大権現で使っているという違いがあります。それでも蓮台寺で由加山と書くことから、線引きはあいまいなところがあります。

最後に

昔の両参りは、香川県と岡山県を巡る規模の大きなものであったことからも、信仰の深さが感じられます。

香川と岡山を船で移動し後は全て徒歩をするのは現代でも困難。電車やバスが発達していますから、移動が楽とも言えるこの時代ですので、時に昔の人たちの足跡を辿って、壮大な参拝をしてみるのは、いかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/19−2016/11/20 訪問

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