北国街道の宿場町「信州上田 柳町」で楽しむカフェ&ショップ

北国街道の宿場町「信州上田 柳町」で楽しむカフェ&ショップ

更新日:2017/01/13 11:59

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー
信州上田市柳町は、北国街道の宿場町「上田宿」として賑わった町で、今でも長い歴史を感じさせる蔵造りの建物や格子戸の家が多く残り、200mほどの通りには江戸時代に創業された造り酒屋をはじめ味噌蔵や古民家を再生させたパンの人気店、町家のカフェなど、情緒にあふれた魅力的な店が点在しています。映画のロケ地としてもよく使われる石畳敷きの情緒ある「柳町」に馴染んで佇むお気に入りスポットでほっと一息いかがですか。

今は閑静な通りに息づくかつては賑やかだった宿場町「信州上田 柳町」

今は閑静な通りに息づくかつては賑やかだった宿場町「信州上田 柳町」

写真:和山 光一

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真田昌幸による上田築城以来、城下町として栄えてきた信州上田市。その上田市街地に位置する北国街道の宿場のひとつが上田宿「柳町」です。北国街道に沿った町人町として、江戸時代には、上田紬などの商店や旅籠、休み茶屋でにぎわい、呉服家だけでも25軒程あったといいます。明治から大正には養蚕・製糸業で潤いました。蛭沢川が流れ、土蔵や石垣、格子戸のある家が立ち並び、モダンと伝統が織り成す素敵な風情ある街並みです。特徴的なのは卯建が設けられていることで城下の商人町として栄えた頃の面影を残しています。ここで見られる卯建は「袖卯建」といって二階の妻部に瓦を葺いた小壁が付き出しています。

映画「犬神家の一族」等のワンシーンに飛び込んだ気分で散策できるスポットで、町家をリノベーションしたカフェやショップを巡るのがおすすめです。

今は閑静な通りに息づくかつては賑やかだった宿場町「信州上田 柳町」

写真:和山 光一

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柳の木が多いことから名付けられた柳町、その町のシンボルが「保命水」です。北国街道を行き交う人々の喉を潤してきた海禅寺(上田城の鬼門避け寺)境内に湧き出る清水を、明治14年に引いたもので、上田市の上水道ができるまで市民の飲料水としての役割を果たしていました。今でも長寿の水としてお茶などに利用されています。その保命水が店を流れているのが、隣の古民家を再生したそばの名店「手打百藝 おお西」。純白の更科そばをはじめ、主の大西さんが生み出した「発芽そば」が人気のお店です。

古民家にパンの香ばしい匂いが静かに漂う「Levain ルヴァン」

古民家にパンの香ばしい匂いが静かに漂う「Levain ルヴァン」

写真:和山 光一

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毎日食べられるシンプルなパンがおいしいお店「Levain」。ルヴァンとはフランス語で天然酵母の意味。東京・代々木八幡に本店を構える無添加・天然酵母パンの草分け的存在の名店です。古民家を再生させた店内では、深い色をした重厚な梁と柱が静かに存在感を発揮し、ほの暗い空間にパンの香ばしい香りが広がっています。カンパーニュやライ麦パン、バゲットといったハード系パンのほかにも、旬の野菜を使った季節感のあるパンやスコーン、クッキーなども並びます。

古民家にパンの香ばしい匂いが静かに漂う「Levain ルヴァン」

写真:和山 光一

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毎朝、石臼で挽いた国産小麦粉と長野の自家製の天然酵母、そして自然塩を使用して焼き上げるフランスの田舎風パンは、ぜひ何もつけずに奥行きのある美味しさを味わってみてください。ほどよい酸味と甘味があって、口にほうばると幸せな気分になります。食べきれるようにとグラム売りされているのでいろいろな種類のパンを自分に必要な分だけ買うことができますよ。2階は畳敷きの簡易カフェになっていて、ワンドリンクとともに利用でき、ひと休みするのにちょうどいいです。

古き良き柳町を色濃く残す江戸時代から続く酒蔵「岡崎酒造」

古き良き柳町を色濃く残す江戸時代から続く酒蔵「岡崎酒造」

写真:和山 光一

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江戸時代からの創業当時そのままに補修しながら保存してきたという風格ある木造の建物が特徴の酒蔵が「岡崎酒造」。寛文5年(1665)から、菅平水系の水を使い、昔ながらの手法を守り手間暇かけて酒造りをおこなってきた老舗の造り酒屋です。全国で珍しい女性杜氏が醸す蔵で代表銘柄は「亀齢(きれい)」、洗米全量手洗いから槽しぼりまで手造りにこだわり丁寧な酒造りをしています。清酒仕込みの梅酒や梅の甘露煮、地酒ケーキ等のお土産も売っています。

古き良き柳町を色濃く残す江戸時代から続く酒蔵「岡崎酒造」

写真:和山 光一

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通りに面した蔵の一部を改装したアンテナショップでは、無料で5種類ほどのお酒が自由にプラスチックの小さなコップを使って試飲ができます。信州亀齢シリーズは、米の品種や精米歩合による味の違いを楽しめるシリーズです。ひとごこち純米酒は透明度が高く、後味のきれいさが秀逸で、美山錦純米吟醸生は吟醸香と品のあるきれいな旨みがうまく調和しています。是非信州地酒のお土産に一本いかがですか。

「はすみふぁーむ&ワイナリーShop&Cafe 」でマリアージュを楽しむ!

「はすみふぁーむ&ワイナリーShop&Cafe 」でマリアージュを楽しむ!

写真:和山 光一

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上田市のお隣東御市にある日本一小さなワイナリー「はすみふぁーむ」の直営アンテナショップ「はすみふぁーむ&ワイナリーShop&Cafe」があります。一階では、はすみふぁーむのワイン各種、ジュース、ジャムなどを購入できるのはもちろん、ワイン樽を利用した3卓のテイスティングテーブルが設置されていて、スタンディング・スタイルでの有料のテイスティング・カフェとしても利用できます。シードルやナイアガラドライ、メルローなどが一杯300円で味わえます。

「はすみふぁーむ&ワイナリーShop&Cafe 」でマリアージュを楽しむ!

写真:和山 光一

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ここでのおすすめは2階のカフェルームでのイタリアンとフレンチに精通したシェフによるワンプレートランチ1000円です。一皿の中にこの日は、大根とお米のポタージュスープから右回りに地元産の新鮮野菜サラダ、はすみふぁーむがあるお隣東御市にある「アトリエ・ド・フロマージュ」のチーズ、赤ワインの澱に漬けられた信州福味鶏胸肉のハム赤ワイン風味、キャベツとクスクスのマリネ、ピクルス、信州太郎ぽーくスネ肉とりんごのシードル煮、5種のきのこが入ったキッシュ、そして自家製信州ミルクパンです。是非シードルとのマリアージュを楽しんでみてください。ミルクパンは一個だけおかわりができますよ。

「はすみふぁーむ&ワイナリーShop&Cafe 」でマリアージュを楽しむ!

写真:和山 光一

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柳町に丸くて可愛らしい、うさぎの大行進!「餅屋伝助」

柳町に丸くて可愛らしい、うさぎの大行進!「餅屋伝助」

写真:和山 光一

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上田市街の上田原に本店がある「餅屋伝助」の柳町店。蔵造りのお店は昔の休み茶屋のイメージです。ふっくらとした弾力が持ち味の餅の生地には、地元塩田産のコシヒカリが使われています。せいろで炊いたコシヒカリ米をつぶして作る伝助独自製法のお餅です。ご飯を杵でついて作られた餅には自然と甘さと風味が残り、もち米の餅よりあっさり歯切れがよく、時間が経っても固くならないので翌日も柔らかです。クセになる食感ですよ。

柳町に丸くて可愛らしい、うさぎの大行進!「餅屋伝助」

写真:和山 光一

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手でつつけば、ぴょこんと今にも飛び跳ね出しそうな、可愛らしい一番人気の「うさぎ餅」は、まるで赤ちゃんのほっぺたのように柔らかい餅の中には、これまたとろけそうなカスタードクリームが入っています。微笑ましい姿と飽きのこないおいしさは、ひと口で食べてしまうのがもったいないほどです。

カスタード、チョコのほか抹茶うさぎ餅チーズつぶあんの欧風3種のクリームを包んでいて、コシがあるのにやわらかい食感です。その他みたらしやくるみだれといった10種類の団子や季節の和菓子もオススメです。

まだまだ楽しめる「信州上田 柳町」のカフェ&ショップ

ルヴァンの隣にあるのが明治9年に建てられた元呉服屋-後に簡易郵便局の建物を使った喫茶店「森文」です。「卯建」の上がる建物は幕末期の建主の心意気ですね。こじんまりとした店内には、古いオーディオからジャズが流れています。

また保命水のある四辻の角に信州武田味噌のアンテナショップ「菱屋」があります。蔵造りの建物は歴史を感じさせてくれます。武田味噌の一番の人気商品「寒仕込」は一年中で一番寒い大寒に仕込んだ味噌です。限定生産のためこの店だけの限定販売となっています。100gからの量り売りで好きな量だけ買えますよ。

まち散策は思いがけないところでお洒落なカフェやショップに出会える楽しみがあります。信州の北国街道宿場町にはお隣東御市に「海野宿」もあり、ひと足のばしてみてはいかがでしょう。宿場町を歩く旅は、日常の世界を忘れさせてくれる癒しの旅でもあります。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/08 訪問

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