本州最南端の街は新発見の連続!和歌山県串本町をぶらり散策

本州最南端の街は新発見の連続!和歌山県串本町をぶらり散策

更新日:2017/01/27 12:51

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
本州最南端の地がいったいどこか、ご存知でしょうか。太平洋に面した和歌山県には、本州最南端に位置する街が存在します。串本町です。太平洋に突き出すように位置しているだけあり、串本町は海にちなんだ知られざる歴史や観光スポットも存在します。今回は串本町を散策しながら、その歴史や魅力をご紹介しましょう。

串本節でも有名!本州最南端の駅・JR串本駅

串本節でも有名!本州最南端の駅・JR串本駅

写真:乾口 達司

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ここは串本
向かいは大島
仲をとりもつ巡航船
アラヨイショ
ヨイショ
ヨイショ
ヨイショ
ヨイショ♪

民謡の『串本節』でも知られる串本町は、和歌山県のみならず本州最南端に位置する街。中世には塩崎荘と呼ばれており、捕鯨をはじめとして、古くより漁業の街として知られていました。そんな串本の玄関口として挙げられるのが、JR串本駅です。串本駅はJR紀勢本線(きのくに線)の駅で、やはり本州最南端に位置しており、ご覧のように、そのことを示す石碑も駅前に建立されています。串本を散策する際はまずは串本駅を目指しましょう。

なぜ国旗が!?駅の構内に掲げられたトルコの国旗

なぜ国旗が!?駅の構内に掲げられたトルコの国旗

写真:乾口 達司

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駅の構内には、ご覧のような国旗が掲げられています。日本の国旗と並んで掲げられている国旗、いったいどこの国のものだと思いますか?答えはトルコ。しかし、なぜ、串本にトルコの国旗がたはめいているのか。そんな疑問を抱く人も多いでしょう。実はその裏には知られざる歴史があるのです。

明治22年、当時のオスマントルコはオスマン・パシャ海軍少将を特使として日本に派遣。少将は巡洋艦艦「エルトゥールル号」に乗って来日したのでした。翌年、特使としての仕事を終えた少将一行は帰国の途につきますが、串本沖で嵐にあい、エルトゥールル号は沈没。それを知った串本の村人たちは総出で乗組員の救助に当たったのでした。これを機にトルコと串本町との交流がはじまり、現在では当時の救助活動を紹介・顕彰したトルコ記念館まで建てられています。トルコには親日家が多いといわれていますが、その背景にこのような歴史があったこと、ご存知でしたか?

なぜ国旗が!?駅の構内に掲げられたトルコの国旗

写真:乾口 達司

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駅前にはエルトゥールル号を模した像も設置されています。こちらもお見逃しなく。

さすがは漁師町!街角で見かけられる海産物

さすがは漁師町!街角で見かけられる海産物

写真:乾口 達司

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串本の街中を散策すると、各所で海産物を干したり、販売したりする光景をご覧になるでしょう。さすがは雄大な太平洋をのぞむ本州最南端の街だけのことがありますね。もちろん、お土産に海産物を買い求めるのも良いでしょう。

応挙や芦雪もやって来た!?串本応挙芦雪館

応挙や芦雪もやって来た!?串本応挙芦雪館

写真:乾口 達司

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串本駅から西方にしばらく歩くと、やがて無量寺(むりょうじ)というお寺にいたります。その境内に建つのが、串本応挙芦雪館(くしもとおうきょろせつかん)。大きく分けて展示館と収蔵庫の2棟からなりますが、無量寺の寺宝や串本町の民俗資料のほかにも、日本絵画の名宝が収蔵されている点に当館ならではの特色があります。

なかでも、江戸時代を代表する絵師として名高い円山応挙(まるやまおうきょ)の「紙本墨画波上群仙図」「紙本墨画山水図」「紙本金地著色群鶴図」、長沢芦雪(ながさわろせつ)の「紙本著色薔薇図」「紙本墨画竜虎図」「紙本墨画群鶴図」「紙本墨画唐子琴棋書画図(寺子屋図・遊図)」は当館を代表する名品であり、これらはもとは本堂の襖絵であったもの。これらを描くため、応挙や芦雪はわざわざ都から串本に足を運んでいるのです。鉄道のような便利な乗り物のなかった江戸時代、高名な絵師たちが幾日もかけて串本にまでやって来て絵を描いたとは驚きませんか?

ちなみに、応挙や芦雪の作品は収蔵庫に保管されており、天候が良ければ、その実物を拝見することが出来ます(湿度の高い雨天時は作品の保存環境に影響が出るため、拝観不可)。串本応挙芦雪館にはお天気の良い日に訪れましょう。

少し足を延ばそう!串本海中公園

少し足を延ばそう!串本海中公園

写真:乾口 達司

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あまり知られていませんが、串本沖の海中には、本州有数のテーブルサンゴも群生しています。串本沖のテーブルサンゴ群生地は世界最北の地に当たっており、現在ではラムサール条約にも登録されています。それだけ串本があたたかいといえるでしょう。さすがは本州最南端の地ですね。

そんな串本の海を紹介する施設が、串本海中公園(くしもとかいちゅうこうえん)です。日本で最初に指定された海中公園で、敷地内に水族館や海中展望塔があり、串本の海の魅力をさまざまな形で堪能することが出来ます。串本海中公園は街中から車で10分程度。串本駅からは直通のバスが頻繁に出ているため、あわせて訪れましょう。

おわりに

串本の街がいかに魅力的か、おわかりいただけたでしょうか。他にも、南紀を代表する奇景として知られる橋杭岩などの名所もあり、見所は満載。串本を散策しながら、その知られざる魅力を発見して下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/28 訪問

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