龍山寺は、中国福建省泉州から来た人々によって、1738年に福建省江安海龍山寺の分霊として建立されたお寺です。台湾市内で最も古いお寺であり、様々な神々が一同に拝めるお寺として、台湾の方々だけでなく、世界各国の観光客で常に賑わっています。
寺院内には7つの香炉があります。入口で購入した特大線香に火をともし、順番に香炉に入れていきつつ、主要な神々に参拝していきます。
また、線香での参拝だけでなく、入口ではお供えも販売していますので、専用のテーブルにお供えして、更なるご利益を祈る姿も多く見られます。日本は５円玉のお賽銭が主ですが、多くのお供えをすればご利益も大きくなると考えるあたり、華僑的ですね。
それでは早速、神々に参拝しお願いをしてみましょう。一番人気はやはり「媽祖（まそ）」！航海の神様ではありますが、どんどん神力がアップし「万能の願いを叶える神」として台湾の人々に信仰されています。媽祖は常に多くの人々に囲まれていますので、すぐ分かります。
もちろんご本尊の「観世音菩薩（日本では観音様として、親しまれていますね）」を忘れてはいけません。観音様は苦しむ人々の救いを求める声を聴くと、すぐに救済の手を差し伸べてくれる、物凄く優しい菩薩様です。
「観世音菩薩往生浄土本縁経」によると、観世音菩薩は元々人間でしたが、悪い人に騙され、無人島に捨てられ餓死したそうです。その餓死する寸前に「生まれ変わったら、今の自分のように苦しんでいる人々を救いたい」と請願し、菩薩になったとか。壮絶なエピソードですね。その他の大人気神様では、良縁の神様「月老神君」が若い女性達に熱心に参拝されています。
神々への参拝がひと段落したら、是非「ポエ」にチャレンジしましょう。ポエとは、台湾の吉凶占いで、手のひらくらいの赤い三日月型の木片１対を使います。
ポエは「凸面」と「平たい面」の２つから出来ており、この１対のポエを両手で眉間の前に持ち、「自分の名前・生年月日・住所」を頭の中で唱えた後、神様に質問してポエを地面に投げます。
ポエがそれぞれ凸面と平たい面が出れば「OK」、ポエが2つとも凸面は「NO」、ポエが2つとも平たい場合は「もう一回」です。但し、「NO」が出たのにもう一度ポエを投げるのは、神様が気を悪くするそうですから止めましょうね。
神々への参拝やポエ占いが終わったら、今度は建築物を見てみましょう。これでもか！というくらい、おめでたい鳳凰や龍、クジャクが舞い踊っている彫り物が目に飛び込みます。しかも細かい細工に脱帽です！龍山寺は国の２級古跡に指定されるほど、芸術的価値も認められています。
出入り口の門でも、龍と鳳凰が踊ります。これらは瑠璃細工という細工が施され、柱に巻き付いたデザインの１対の龍の柱は鋳銅で出来ており、台湾で１つしかありません。また本殿の円形天井は釘が１本も使われておらず、国宝に指定されています。
建築物や神々の像だけでは足りないのか、寺院内には紙で作られた縁起物や千手観音像なども飾られ、祈りの対象となっています。金魚は風水的には財運向上のシンボルで、中でも出目金は、普通の金魚より更に財運UPをしてくれる存在とされています。
こちらはヒョウタンに乗った正装のネズミ。ヒョウタンは中国では種が多く、胴がくびれていることから女体のシンボルとされ、「子孫繁栄」「商売繁盛」「家運上昇」を意味します。また、ネズミは中国では、大黒様の使いとして「未来を知る聖獣」とされています。
いかがでしたでしょうか？ 神々への参拝だけでなく、国宝級の建築も鑑賞でき、更に占いも出来る、まさに神々のレジャーランドと言っても過言ではない龍山寺。最寄りの「龍山寺駅」から、わずか徒歩３分です。
お悩みのある方も無い方も、是非一度、台湾の最強スポット・龍山寺へお参りしてみてはいかがでしょう？
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(2024/4/26更新)
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