本当に見ていいの?「京の冬の旅」で壬生寺の本堂と狂言堂を大公開

本当に見ていいの?「京の冬の旅」で壬生寺の本堂と狂言堂を大公開

更新日:2017/01/17 15:16

旅人間のプロフィール写真 旅人間 はらぺこライター、旅ブロガー
京都では第51回「京の冬の旅」として非公開文化財特別公開されているのをご存知ですか?例えば幕末の顔でもある新選組ゆかりの寺として有名な「壬生寺」では現存する日本最古級の地蔵菩薩像、友禅画家あだち幸さんが描いた本尊を取り囲む障壁画と襖絵、さらに大念佛堂(狂言堂)など。普段では中に入れない場所や、見ることが出来ない文化財が見られます。京都観光に行くなら、2017年3月までが絶対におすすめですよ。

「京の冬の旅」で公開!現存する日本最古級の地蔵菩薩像

「京の冬の旅」で特別公開されている壬生寺の本堂に入ると、そこは静けさと優しさに包まれた不思議な空間。中央には現存する地蔵菩薩像の中では日本最古の部類の像となる「本尊 延命地蔵菩薩(地蔵菩薩立像)が圧倒的な存在感で立っています。
美しい截金(きりかね)文様の袈裟を着け、左手に宝珠を持ち、右手は与願印を結んでいます。すぐ目の前で見られるなんて本当に感動的ですよ。

地蔵菩薩立像の横には、白い体に白い蓮の花を持つ「掌善童子」と赤い体に、杖と法具を持つ「掌悪童子」が立っています。向かって右側の掌善童子は人間が持つ三毒(むさぼり・怒り・無知)を清らかにし、左側の掌悪童子は、人間の煩悩を焼き、迷いの心を照らして悪魔を退けてくれると言われています。

「京の冬の旅」で公開!現存する日本最古級の地蔵菩薩像

写真:旅人間

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本堂に入った際は、ぜひ上も見上げてみて下さい。そこには天井絵があり、その図柄は「向かい鳳凰の丸紋」と言い、1850年に奉納され壬生狂言に使用された衣装の柄から採られたもの。75センチ角の6色を使用した緻密な模様が美しい。

「京の冬の旅」で公開!現存する日本最古級の地蔵菩薩像

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必見!幻想的な本尊を取り囲む障壁画と襖絵

壬生寺の本堂に入り「あっ!」と驚かされるのは、何といっても本尊を取り囲む障壁画と襖絵でしょう。これは友禅染の手法を応用し、現世や極楽浄土を表現されたもの。

障壁画の奥には2016年の夏に安置された「鑑真像」があります。これは唐招提寺の鑑真和上坐像(国宝)をモデルに中国で2体作成されたうちの1体で「京の冬の旅」で初公開です。彩の美しい障壁画と重ねてみると別世界にいるような心地にさせてくれます。

必見!幻想的な本尊を取り囲む障壁画と襖絵

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まるで異空間に誘ってくれるかのような障壁画と襖絵は、友禅画家あだち幸さんが4年がかりで完成させたもの。薬師如来、日光菩薩、月光菩薩や阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩、そして地蔵菩薩の幻想的に描写は、本尊の三方を取り囲むふすま8面と壁面6面(高さ約2.7メートル、全長約30b)の超大作です。

必見!幻想的な本尊を取り囲む障壁画と襖絵

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これらの絵は現世から極楽浄土へと連なる命の永続性、そして平等、平和への願いを描いたものだそうですが、その中の襖絵4枚には「地獄変」として「生まれて生まれて生まれて」と「死に死に死に死んで」と名付けられています。これが現世でしょうか?

全ての人は煩悩で苦しみ続け、有れば有る苦しみ、無ければ無いで苦しんでいると言われる事があります。この「地獄変」の描かれた先には、生あるものすべてを救う阿弥陀如来の姿が見られます。この一連の流れを想像すると、実に奥深いですね。

必見!幻想的な本尊を取り囲む障壁画と襖絵

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壬生寺は新選組ゆかりの寺

壬生寺と言えば、新選組ゆかりの寺として有名で、新選組ファンにとっては聖地のような寺と言っても良いでしょう。かつて境内は新選組の兵法調練場に使われ、ここで武芸や大砲の調練が行われていたと言う記録が残っています。

現在では、境内東方にある池の中の島は「壬生塚」と呼ばれ、近藤勇の胸像と遺髪塔があり、その横の絵馬掛けには新選組の着物の形をした絵馬が沢山あって微笑ましい。

壬生寺は新選組ゆかりの寺

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壬生狂言の舞台裏!「京の冬の旅」で大念佛堂を公開

壬生寺と言えば、700年の伝統を持つ「壬生狂言」を抜きには語れません。これは大念仏狂言の一つで、京都で最初に国の重要無形民俗文化財に指定された民衆の間で伝承されてきた民族芸能。鎌倉時代に円覚上人が身振り手振りで布教したのが始まりとされ、鉦と太鼓の音から「壬生寺のカンデンデン」の愛称で親しまれています。

この壬生狂言は無言劇。狂言面をつけパントマイムで上演するのが特徴で、能楽との狂言とは一味違った魅力があります。節分と春・秋の年3回の公演は是非見ておきたい。「京の冬の旅」では、この狂言を演ずる大念佛堂(狂言堂)が公開となります。

壬生狂言の舞台裏!「京の冬の旅」で大念佛堂を公開

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この狂言を演じる大念佛堂は、能舞台にはない「飛び込み」「獣台(けものだい)」など見どころが沢山あり面白い。この他に類例を見ない特異な建造物は国の重要文化財として指定されています。

大念佛堂の中に入ると、壬生狂言で使用されている能面や着物などは奉納されたものが見られます。これらは本来、亡くなられた方が来ていた着物に戒名を付け、それを着用して舞う事が弔いを意味していました。また壬生狂言は信者が作り上げたものと言われ、建物の柱も寄進されていますので、よく見ると柱に寄進した人の名前が入っています。

壬生狂言の舞台裏!「京の冬の旅」で大念佛堂を公開

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大念佛堂に入り階段を2階に上がると、そこは壬生狂言の舞台の場です。壁を外したら、すぐ向こう側は観客席。そして舞台奥には「地蔵菩薩 半跏思惟像」が見られますので見逃さないように気を付けましょう。そっと覗きこむと、とても穏やかで美しい顔をされていますよ。

壬生狂言の舞台裏!「京の冬の旅」で大念佛堂を公開

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最後に…

第51回「京の冬の旅」のテーマは「大政奉還150年記念」。日本の近代国家への歴史的舞台となった京都で幕末ゆかりの寺院を中心に通常非公開の文化財が期間限定で2017年3月18日まで特別公開されています。特に今回紹介した壬生寺は幕末に活躍した新選組ゆかりの地ですので、ぜひ足を運んでみましょう。
詳しくはMEMOの「京都市観光協会」のHPにてご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/07 訪問

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