エチオピア、奇跡の世界遺産 ラリベラ岩窟教会群の魅力

エチオピア、奇跡の世界遺産 ラリベラ岩窟教会群の魅力

更新日:2016/12/28 18:05

ナカヤ アキのプロフィール写真 ナカヤ アキ
1978年に世界文化遺産に登録されたラリベラ岩窟教会群。地中に掘られた十字の形をした教会を誰もが一度は写真で見たことがあるでしょう。巨大な岩を手作業で掘って造られた教会は見る者を圧倒します。そんなエチオピアが誇る世界遺産、ラリベラの岩窟教会群の中でも見どころのスポットをご紹介します。

ラリベラの町

ラリベラの町

写真:ナカヤ アキ

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首都アジスアベバから空路で1時間、エチオピア北部の世界遺産の町ラリベラに到着します。エチオピア正教の聖地でもあり、クリスマスである1月7日をこの地で過ごすために国中の信者がこの街を目指して徒歩やロバに乗って移動する姿を見かけます。

12世紀までロハと呼ばれていたラリベラの町。1162年に後にエチオピアを支配したザグウェ朝の王ゲブレ・マスケルが生まれた際、彼に蜂が群がったといわれ、王族やロハの民はこれを名君誕生の吉兆だと予言し、「蜂に選ばれし者」を意味する「ラリベラ」と名付けられました。また、王の名にちなみ町もラリベラと呼ばれるようになりました。

4世紀にエチオピアにキリスト教が伝道され、その後、エチオピア正教として成長しました。信者たちの多くは、エルサレムへの聖地巡礼を目指すも、イスラム教によりエルサレムが陥落。敬虔な正教徒であったラリベラ王と民は、エルサレム巡礼ができないことを悲しみ、ラリベラに第二のエルサレムを作ろうと24年もの月日をかけて岩窟教会群を建立したと言われています。教会群にイスラエルの聖地にちなんだ名称の建物が多いのはこのためです。

奇跡の世界遺産、ラリベラの岩窟教会群(Rock-Hewn Churches of Lalibela)

奇跡の世界遺産、ラリベラの岩窟教会群(Rock-Hewn Churches of Lalibela)

写真:ナカヤ アキ

ヨルダン川を境に2つの教会群に分かれます。最大の見どころの聖ギオルギス教会は少し離れたところにあります。12の教会からなる岩窟教会群は、現在も人々の信仰の場として使用され、エチオピア正教の祝日には国中から多くの信者が訪れます。

一枚岩を掘り下げて造られた独特な建築方法が所以で世界遺産に登録されました。岩をくり抜いて教会を作り、さらに部屋と窓がくり抜かれたという建築方法は、現代の技術でも再現できないほど高度な技術です。

第一岩窟教会群には6つの教会で構成され、世界最大級の岩窟聖堂として有名な聖救世主教会マドハネ・アレム聖堂、聖処女教会、聖マリア教会、聖ミカエル教会、ラリベラ王の墓が残ると言われる聖ゴルゴタ教会などがあります。

第二岩窟教会群は5つの教会で構成され、王家の礼拝堂だったとされる聖エマニュエル教会、かつて監獄としても使われた聖マルコリオス教会、かつての王宮とされる聖ガブリエル・ラファエル聖堂などが見所です。

聖ギオルギス教会(Bet Giorgis)

聖ギオルギス教会(Bet Giorgis)

写真:ナカヤ アキ

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高さ・幅・奥行き12メートルの立方体を一枚岩に十の字に掘り抜いたラリベラ岩窟教会群で最大の見所でもある聖ギオルギス教会。第1、2岩窟教会群から少し離れたところに位置します。建造物の外観はもちろん、どの国にも見られないような独特な画法のイコンも必見です。

地上に隠れるように掘られた苔の蒸した教会への通路を降りていくと、先ほどまで地上から見ていた地底の教会の入り口へたどり着きます。国内でも有数の聖地でのあるこの教会に入る前に熱心に祈りを捧げる信者の姿が印象的です。

地中に掘り下げられた教会を写真に収めるのは難しい教会群ですが、この聖ギオルギス教会は2方に小高い撮影スポットがあるので俯瞰図の写真を撮ることができます。お見逃しなく!

教会にもなっているギオルギスは竜退治で有名な聖人です。ローマ帝国ディオクレティアヌス帝により殉教死した聖ギオルギスは、エチオピアの守護神でもあります。ラリベラ王が10の教会を建立した時、王の夢枕に立ち「聖ゲオルギウス教会」を建立するように命じた、と伝えられています。

聖救世主教会(Bet Madhame Alem)

聖救世主教会(Bet Madhame Alem)

写真:ナカヤ アキ

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岩窟教会群の中でも最大級の聖堂。エチオピア北部の町、アクスムにある聖マリア教会を模して建立された、高さ12メートル、教会全体で800平方メートルの規模を誇る教会です。教会群のチケットゲートを抜け最初に出現する教会としても有名です。壁を厚くた教会内部には柱がなく、外観よりも内部は意外と狭いのですが、3つの墓があり、聖書に登場するアブラハム・イサグ・ヤコブのものと伝えられています。

ゴルゴタ聖堂(Bet Golgota)

ゴルゴタ聖堂(Bet Golgota)

写真:ナカヤ アキ

ラリベラ王の墓とされるゴルゴタ聖堂。キリストが処刑された地名から命名されたとされています。建物には形の違う3つの窓があり「三位一体」を意味し、十字架はキリストを表しているとされ、内部にはエチオピアらしいイコンが描かれています。

次のバケーションはラリベラで!

エチオピア観光の最大の見所、ラリベラ岩窟教会群のハイライトを紹介しました。まだまだ紹介しきれないほどの魅力が満載の世界でも稀な世界遺産を堪能する旅はいかがでしょうか。岩窟教会群の観光は2日以上じっくり時間をかけて回るのがおすすめです。教会内の見学は土足厳禁ですので、ダニなどの害虫から身を守るためにしっかりと虫除け対策をしてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/12/01−2013/01/31 訪問

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