ラピュタと呼ばれる廃墟群の島・和歌山県友ヶ島

ラピュタと呼ばれる廃墟群の島・和歌山県友ヶ島

更新日:2016/12/28 16:03

Mija Atsushiのプロフィール写真 Mija Atsushi
和歌山市と淡路島のほぼ中間に浮かぶ島、友ヶ島。キャンプや釣りなどでも人気の島ですが、よく「ラピュタのよう」と例えられる廃墟が点在する事でも知られています。廃墟の多くが非常に良好な状態で残されており、自然に溶け込むように佇む廃墟群はまさに冒険活劇の世界に入り込んだかのような気分に陥ります。そんな友ヶ島の魅力について迫っていこうと思います。

友ヶ島ってどんな所?

友ヶ島ってどんな所?

写真:Mija Atsushi

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友ヶ島は和歌山県和歌山市沖の紀淡海峡(友ヶ島水道)に位置する島で、地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の無人島群を「友ヶ島」と総称します。現在、廃墟が点在する島は沖ノ島であり、主に船が発着する島でもある事から、一般的にはこの沖ノ島の事を「友ヶ島」と呼称しています。

紀淡海峡を塞ぐような位置にある事から、大阪湾への敵艦隊侵入を防ぐ為、明治時代に旧日本軍が沖ノ島島内と、隣接する虎島の5箇所に砲台や防備衛所を建造。第二次世界大戦後は友ヶ島全体が瀬戸内海国立公園に指定され、多くの軍事施設が残される形となって現在に至ります。

ラピュタと呼ばれる所以 廃墟マニア垂涎の島

ラピュタと呼ばれる所以 廃墟マニア垂涎の島

写真:Mija Atsushi

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終戦直後に爆破処理された第2砲台跡と、撤去された各大砲以外の多くの施設がかなり良好な状態で現在も残っており、70年を超える年月をかけて徐々に風化していき、この友ヶ島独特の廃墟群を形成しています。

特に第3砲台跡や弾薬支庫跡では、この島が「ラピュタの島」と呼ばれる所以となった廃墟群が並んでいます。木々のトンネルに埋もれるように建ち並ぶれんが造りの廃墟は、まさしく映画やアニメ等に出てきそうな絵になる光景となっています。

ラピュタと呼ばれる所以 廃墟マニア垂涎の島

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弾薬支庫跡は内部に入る事も可能。ただし、照明等は一切ないので、懐中電灯があると良いでしょう。

さらに、潜水艦等の侵入を察知する為に造られた旧海軍聴音所跡と呼ばれる場所では、廃墟の建屋の内部もゆっくりと観察する事ができ、まさに廃墟マニア垂涎の地となっています。

ラピュタと呼ばれる所以 廃墟マニア垂涎の島

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廃墟群以外にも魅力的な大自然が広がる

廃墟群以外にも魅力的な大自然が広がる

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島内は山が大半を占めており、天気が良い日にはたっぷりと森林浴を楽しみながら散策する事もできます。道中、運が良ければリスや鹿、孔雀などの動物たちを見ることも可能。しかし、みんな基本的に臆病でこちらの姿を見たとたんに逃げ出しますので刺激を与えないように注意しましょう。ただし、マムシもいるので、むやみに茂み内には立ち入らないように。

廃墟群以外にも魅力的な大自然が広がる

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また、第3砲台跡付近のタカノス山展望台からは四国や六甲、淡路島を見渡す事ができるスポットであり、島の西部には日本の標準時子午線が走る最南端のスポットがある等、廃墟群以外にも注目すべき点が盛り沢山の島となっています。

廃墟群以外にも魅力的な大自然が広がる

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やや危険な魅力の虎島

やや危険な魅力の虎島

写真:Mija Atsushi

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島の北東部には虎島が隣接しています。ここにはかつて通路が敷かれていましたが、現在は崩落しておりますが、引き潮時には瓦礫の上を進んで虎島に渡る事が可能となります。この虎島にも観念窟、序品窟、堡塁跡、石切り場跡、そしてコダイアマモの化石など、しっかりと見所が存在します。

ただし、ほとんど人が通らない為に山道は非常に荒れ果てており、さらに満潮になると虎島から戻れなくなるという危険性があります。干潮時であっても瓦礫から足を踏み外して海に転落する危険性も十分にありますので、虎島に行く際には自身の体力や体調、そして潮の状況などに細心の注意を払うようにしましょう。

友ヶ島へのアクセスと島内を楽しむにあたっての注意点

友ヶ島へのアクセスと島内を楽しむにあたっての注意点

写真:Mija Atsushi

友ヶ島へは和歌山市の加太港より、友ヶ島汽船株式会社が運航する船にてアクセスします。運賃は往復で2,000円。加太港から友ヶ島までの移動時間は約25分程度です。加太港へは電車でアクセスする事も可能であり、和歌山市駅から南海電鉄加太線に乗り、終着の加太駅で下車します。加太駅からは徒歩およそ15分程度で到着します。船の発着場、チケット売り場は橋の下側に位置しており、やや分かり難い場所となっておりますので、注意が必要です。

友ヶ島からの船便は、3/1〜11月末までの期間ですと、基本的に1日往復4便が運航されています。ゴールデンウィークや夏休み期間中の繁忙期は臨時便が2つ運航されます。ただし、火曜日と水曜日は運休となりますので、訪問時期には注意しましょう(祝日と4/28〜5/6 、7/20〜8/31の期間を除く)。さらに、船の定員は100名となっており、2便目以降は整理券が配布されます。繁忙期はすぐに定員に達する可能性も出てきますので、予定の時間には十分余裕をもって行きましょう。

そして、12/1〜2月末までの期間は、10:00発と15:00発の往復2便しか運航されません。友ヶ島からの帰りの最終は15:30となっており、キャンプをしないのであれば実質10:00の便のみでしか友ヶ島に行けなくなってしまいます。さらに、12/29〜1/3までの年末年始を除く土日祝日のみの運航となっていますので、冬季に訪れる場合は日にちと時間に十分注意しましょう。

友ヶ島は小さな島ではありますが、小高い山が思ったより多く、道も舗装されていなかったり、荒れ果てていたりする箇所が非常に多くあります。少なくとも簡単な運動ができる程度の動きやすい格好で訪れるのが望ましいです。ハイヒールやサンダル等では危険です。また、島内には売店や自動販売機が一切ありません。島に渡る前に水分補給の準備は最低限しておきましょう。チケット売り場の隣に売店がありますので、準備し忘れた場合は必ずそこで購入しましょう。

京阪神からの日帰りも可能な絶好の観光地

ここまで友ヶ島の魅力と概要について説明してきましたが、ここで挙げた内容以外にも釣りが目的で訪問する方も大勢いらっしゃり、そしてキャンプも楽しめる場所でもありますので、まだまだ語りつくすには程遠い状況です。また、最近ではポケモンGOのスポットが数多くある事でも知られるようになっており、まますます注目を浴びる島となってきました。

こうして廃墟、自然、釣り、キャンプ、ハイキング、エンターテイメントと実に多くの角度から魅了する友ヶ島。廃墟マニア以外にも十分楽しめる場所でもあります。京阪神エリアからの日帰りも可能な絶好の島。是非とも足を運んでみて、その魅力に惹かれてみてほしい場所です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/18 訪問

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