写真:大宮 つる
地図を見るJR伊東線「来宮駅」から徒歩7分、「熱海駅」から徒歩12分の距離にある、熱海「湯前(ゆぜん)神社」。
湯前神社と名がついているとおり、湯、つまり“熱海温泉”と深い関係のある神社となります。創建時期は749年とされていますが、熱海の地に温泉が湧出したとき(約1500年前)には、すでにお祀りされていたものと考えられている歴史のある古社です。
湯前神社は一見すると、地域を守護する神社といった印象で、知らないとスルーしてしまいがち。ですが、実は、平安時代より一般庶民・入浴者のみならず、公家、将軍家、大名などにも“湯治の神”と篤く崇敬されてきた存在。足を運んでみる価値大の神社ですよ!
写真:大宮 つる
地図を見る日本三大温泉の一つとされる「熱海温泉」。かの徳川家康公が熱海温泉の効能をとても気に入っており、4代将軍・家綱公以降、熱海の温泉を15時間ほどかけて江戸城に運ばせるということもしていました。
その風習が現在も、“湯汲み道中”、“献湯祭(けんとうさい)”というお祭りとして残っています。献湯祭とは、毎年春と秋の例祭に熱海温泉を神前に献湯するというご神事ですが、お祭りを執り行っているのが、湯前神社となります。
なお、熱海温泉の泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物温泉となり、体を温める効果が高く、血流を良くし、筋肉も和らげてくれる効果などがあります。神経痛・筋肉痛・五十肩・うちみ・くじき・冷え性・慢性消化器病・アトピー性皮膚炎などに適応しています。
写真:大宮 つる
地図を見る湯前神社にお祀りされているご祭神は、少彦名神(すくなひこなのかみ)。大国主神(おおくにぬしのかみ)とともに全国を回って国土を開拓した神さまと知られています。
“医薬の神”として馴染みが深いですが、穀物の神、酒造の神、温泉の神などの顔ももっています。いずれにしても、人間の体・健康について霊力を発揮する神さまとなります。そのご利益は、国土の平和、産業の開発、漁業・航海の守護といった全体に関わるものから、個人レベルでは、病気平癒、縁結び、安産・育児の守護などです。
写真:大宮 つる
地図を見るでは以下より、湯前神社の見どころをご紹介します。
石鳥居をくぐって右側に、水が流れ落ちてくる岩の塊があります。流れる水を触れてみると、ほんのり温かい……こちらは、熱海温泉本来の源泉とされる大湯(おおゆ)。関八州総鎮護「伊豆山神社」の神湯“走り湯”と並ぶ存在の温泉です。
写真:大宮 つる
地図を見る家康公から始まり徳川将軍家御用達だった、この源泉にぜひ触れてみてくださいね。岩の上のほうには杖をもった(おそらく)男性と、子どもを抱いているように見える女性の2人がいます。
写真:大宮 つる
地図を見る次の見どころは、「石鳥居」と階段中ほどにある「石灯籠」。いずれも熱海市の文化財に指定されています。
石鳥居・石灯籠ともに、久留米藩主第7代 有馬頼徸(よりゆき)公が熱海温泉で湯治をした際に、寄進されたものです。久留米藩というと福岡県。福岡から熱海の湯をもとめ、来訪され、石鳥居・石灯籠を寄進された……というのが、まず驚きですよね。湯前神社が全国に名をとどろかせ、諸大名などからも篤く崇敬されてきた一つの証と言えるでしょう。
写真:大宮 つる
地図を見る石段を上がりきり、社殿の向かって右側にあるのが、「源実朝(※鎌倉幕府第3代征夷大将軍)の歌碑」です。
「都より 巽にあたり 出湯あり 名はあづま路の 熱海といふ」と詠んでいますが、源実朝公が箱根権現から三島社を経て伊豆山権現に向かう途中に、熱海の大湯を見て、崇めたたえて詠んだものと言われています。
写真:大宮 つる
地図を見る「源実朝の歌碑」をふまえ、次に足を運んでいただきたいのが、湯前神社から徒歩1分の場所にある「大湯間歇泉(おおゆかんけつせん)」です。
大湯間歇泉とは、かつて1日6回熱湯・水蒸気を交互に噴き出す自噴泉。昔の人はこの様子を見て畏敬の念を抱いたり、神が宿っていると思ったりしたはずで、おそらく源実朝公もそうだったのではないかと思われます。
現在は残念ながら、噴き出す湯の量は完全に止まってしまい、4分ごとに3分間噴出する人工的な温泉となっていますが、熱湯が噴き出し、蒸気がモワっと立ち込めるその雰囲気は味わえます。ぜひともあわせてご覧くださいね。
写真:大宮 つる
地図を見る湯前神社のすぐ近くには、「日航亭大湯」があります。大湯の源泉を堪能できる入浴施設です。日帰り入浴もできますので、大湯のいい湯を味わってみては?
以上、熱海に鎮座する「湯前神社」について紹介しましたが、いかがでしたか?
家康公もお気に入りだった「熱海温泉」の効能を享受し、「湯前神社」に訪れて運気もアップできるのが嬉しいですね。熱海温泉に訪れたら、ぜひともあわせて参拝したい神社といえるでしょう。
なお、以下の関連MEMOに、熱海を満喫できるスポット「小沢の湯」、「家康の湯」に関する記事もありますので、ご参考にしてみてください。
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(2024/3/28更新)
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