奈良町を歩く時には、商家や民家の軒先をよくみてください。お店に入る時に、赤い布でできたぬいぐるみのようなものが目に入ることはありませんか?このぬいぐるみ、人のようにもみえますが、実は猿なんです!奈良町では、江戸時代頃から、吊るされるようになりました。
奈良町には、江戸時代以降の町家が多く立ち並ぶ地域です。全体的に、落ち着いた色調の町並みの中に、身代わり申の赤い色がアクセントとして、印象に残ります。
写真:花月 文乃
地図を見る奈良町の商家や民家の軒先、出入り口を行き来する際、身代わり申がぶらさがっていないか見てみましょう。身代わり申は、たいていいくつかが1本の紐でひとつに結ばれてつりさがっています。
身代わり申をみていると、素朴な疑問がわいてくるでしょう。
この数にはどんな意味があるのでしょうか?また、どうして身代わり申は奈良町でつりさげられるようになったのでしょうか?そして、どこで誰がつくっているのでしょうか?
写真:花月 文乃
地図を見るその昔、人間のお腹の中には三尸の虫という虫がいて、庚申の日の夜、人が寝静まると体から抜け出し、その人がした悪事を天帝に告げにいくと信じられていました。人々は、話を聞いた天帝が与える罰で、寿命がちぢまるのを恐れ、60日に一度回ってくる庚申の日は、寝ないで青面金剛像を供養しました。
奈良町の伝説では、三尸の虫は猿が毛づくろいする姿をみて、自分たちが食べられる様子にみえたので、恐れをなして逃げだしたといいます。そこで、奈良町の人達は、災難を運んでくる三尸の虫を退散させるため、いつも軒先に猿をつるすおまじないをするようになりました。これが、奈良町で身代わり申がつるされるようになった始まりというわけです。
写真:花月 文乃
地図を見る奈良町資料館には、大中小、さまざまな種類の身代わり猿が売られています。なんと、この身代わり申、この奈良町資料館で手づくりでつくられているというから驚きです。
写真:花月 文乃
地図を見る1本の紐でいくつかつながれている身代わり申の数にもきちんと意味があります。
身代わり申の数は、家族の人数やお願い事の数を表しています。背中に、お願い事をかいて吊るすと願い事が叶うとされ、身につけておけば、災難を代わりに引き受けてくれるといいます。
大きな身代わり申を吊るす場所がない場合は、小さな身代わり申は、お守りにお財布やバッグにつけておくだけでも効果がありそうですね。
写真:花月 文乃
地図を見る庚申信仰で、庚申さんと呼ばれ親しまれる青面金剛像も、資料館の奥で参拝することができます。青面金剛は、庚申信仰では三尸の虫をおさえる神様として信仰されている神様なんですよ。
資料館には、江戸から明治、大正時代の看板や生活用品、骨董品なども展示されています。庚申信仰で、庚申さんと呼ばれ親しまれる青面金剛像も、参拝することができます。
入場は無料なので、奈良町にいらした際には是非足を運んでみてください。お土産として身代わり申を購入されるのもおすすめです。お守り代わりに小さな身代わり申を買ってもいいですね。
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(2024/4/26更新)
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