秋だけじゃない!茨城「常陸秋そば」の絶品「つけけんちんそば」

秋だけじゃない!茨城「常陸秋そば」の絶品「つけけんちんそば」

更新日:2016/12/28 13:50

常陸秋そばは、茨城県産そばのブランド品種です。秋に食べるからそう呼ぶのではありません。特に県北部の常陸太田市などは、そば栽培に適した地域であるためそばどころとして有名です。その茨城県で地元の人々に人気なのが、野菜たっぷりのけんちんそば。他の県で普通あるのは、(かけ)けんちんそばですが、この地域独特の食べ方は、つけけんちんそば。常陸秋そば栽培の本場で、美味しいそばを味わいましょう。

茨城県のそば文化と金砂郷地区のそば街道オブジェ

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常陸秋そばは、常陸太田市(合併前は金砂郷町)赤土町の在来種から選抜育成されたブランド品種です。金砂郷地区をなどの茨城県の北部地域は、昼夜の寒暖差や山間地の斜面の水はけの良い畑、良質な水などそば栽培に適した風土で、実が大きく粒がそろい風味が良く、全国のそば職人から最高峰の評価を得る玄そばが育ちます。

写真のけんちんそばののぼりがあるお店では、多くは冬限定(11〜3月など、店により異なります。)でけんちんそばが提供されます。一部、通年で提供するお店もあります。

茨城県のそば文化と金砂郷地区のそば街道オブジェ
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常陸太田市には、そば街道が3本あります。金砂郷地区の金砂郷そば街道、旧水府村の竜神大吊橋近くの水府そば街道、さらに北部の里美地区の里美そば街道です。

このうち、金砂郷そば街道には、その道しるべとして、表情豊かな石彫刻のオブジェが置かれています。金砂郷支所方面から県道62号線を北上すると、中利員交差点近くに、こちらの写真のオブジェ(かじか)があります。

茨城県のそば文化と金砂郷地区のそば街道オブジェ
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さらに北上すると、そば打つと書かれたこちらの石像が現れます。そばうち職人さんの丁寧な手仕事の様子です。他にも、そばの花や実りの秋、十二支の動物のオブジェなども点在しています。

金砂郷地区には、県道62号線や、北上して突き当たる県道36号線のそば街道沿いに、合計38体の石像オブジェが置かれ、金砂郷の歴史・文化を感じることができます。時間がある方は、見つけ出してはいかがでしょうか?

テレビ番組にも登場した「そば処登喜和家」のつけけんちんそば

テレビ番組にも登場した「そば処登喜和家」のつけけんちんそば
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けんちん汁は、鎌倉の建長寺の修行僧が作って食べたと言われ、特に茨城県限定ではなく、広く知られた食べ物です。茨城県民に愛されているのが、けんちん汁にそばを入れるけんちんそば。野菜たっぷりのかけ汁で食べるのは、普通に見かけるメニューです。温かいけんちん汁をつけダレにして、そばをつけていただく、「つけけんちんそば」は、そばどころ茨城のソウルフードとして、情報番組「秘密のケンミンショー」でも紹介されました。

番組に登場した、金砂郷地区にある人気店「そば処登喜和家」では、通年、写真のつけけんちんそばを食べられます。麺は、太麺・細麺が選べ、運が良ければ、限定十割そばも味わえます。けんちん汁は、根菜類やきのこ、豆腐、芋がらなど具だくさんで、熱々の状態で供されます。

金砂郷そばの名産地「赤土」のそば工房

金砂郷そばの名産地「赤土」のそば工房
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県道36号線の赤土地区から、西金砂神社のある奥へ入っていくと、人気のそば処「西金砂郷そばの郷 そば工房」があります。地元産の常陸秋そばを使った限定の十割そばや、地元の野菜をたっぷり使った味噌味のけんちんそば(11〜3月提供)が味わえます。

金砂郷そばの名産地「赤土」のそば工房
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店内の一角に石臼が設置され、自動運転でそば粉が挽かれて、その様子がのぞけます。店の外には、そば街道のオブジェ「そばと長寿の椅子」が置かれています。こちらでは、そば打ち体験も実施しています。

そば工房から約5キロメートル離れた県道29号線沿いにある、同じくJA常陸が運営している人気店、「湯けむりの郷 金砂庵」は、入浴施設「金砂の湯」に隣接した食事処です。西金砂の天然水を使用し、挽きたて、打ちたて、茹でたての「3たて」にこだわったそばを提供しています。

バンジージャンプもできる竜神大吊橋

バンジージャンプもできる竜神大吊橋
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金砂郷地区より北側にある旧水府村地区にも、北の大子方面へ向かう県道33号線の水府そば街道沿いに常陸秋そばの手打ちそばを食べられる店があります。中でも、竜神大吊橋へ向かう坂の途中にある「慈久庵」の本格そばは大人気です。店主が良質のそばを求めて東京より移転開業した店です。店主自ら、焼畑農法で栽培し、天日干し、石臼で荒挽きにした常陸秋そばを使用します。

この地区の観光スポットが、奥久慈自然公園の竜神峡に架かる竜神大吊橋。歩行者専用で長さ375メートル。有料で渡橋料金は大人310円です。橋の上からは、高さ100メートル 日本最大のバンジージャンプが楽しめます。料金は1回15000円。(2016年12月現在)

周囲の竜神峡には、ハイキングコースが整備されていて、浸食作用でV字型になった渓谷を見て回れます。見どころの亀ヶ淵までは、徒歩で片道約1時間のコースです。

竜神大吊橋脇の水府物産センターでお土産

竜神大吊橋脇の水府物産センターでお土産
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竜神大吊橋のたもとには、地元のお土産が揃っている水府物産センターがあります。
有名店「慈久庵」の乾麺(粗挽そば)やもり汁・万能醤油などを売っています。他にもつけけんちん汁や、茨城特産の干し芋などもお土産にいかがでしょうか?

竜神大吊橋脇の水府物産センターでお土産
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水府物産センターで、珍しいお薦め品は、「凍(しみ)こんにゃく」。全国の他の地域では豆腐を凍らせる、凍み豆腐(高野豆腐)や、お餅を凍らせる、凍み餅などあります。この常陸太田市天下一(けがの)地区限定の特産品が、こんにゃくを凍らせる「凍こんにゃく」です。昔ながらの製法で、田畑の上に藁を敷き、その上に薄く切ったこんにゃくを並べて、冷凍・乾燥させ、厳冬期に作られます。

もどした凍こんにゃくは、煮物や、天ぷら、フライなどの料理でいただきます。独特の食感が楽しめます。物産センターの2階は、レストラン森の風があり、大吊橋などの眺望を楽しみながら、手打ちそばや定食などが味わえます。

おわりに

常陸秋そばの本場、常陸太田市では、毎年秋から冬にかけて、各地でそば祭りのイベントが開催されています。また、期間限定のスタンプラリーなども行われていますので、ぜひ訪れて、地元特産の「常陸秋そば」を、けんちんそばなどで味わってみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/22−2016/12/23 訪問

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