写真:吉田 彩緒莉
地図を見るホアヒンはプーケットやサムイなど、世界中に知られるリゾートを持つタイの中でも別格のリゾート。それはプミポン前国王や歴代国王の別荘があり、国王を敬愛するタイ人にとっては、他と比較にならない格式の高いリゾートとされているからです。更にタイで最も古いリゾート地でもあります。
鉄道を利用して移動することも多かった王族やその賓客のために、ラマ5世がタイ国鉄に命じて造らせたレイルウェイホテルこそ、ホアヒンが王族のリゾート地として発達するきっかけとなりました。今もそのホテルは「センタラグランドビーチリゾートホアヒン」として営業を続けています。
王族も利用した駅?と聞くと、荘厳で大きな建物を想像しがちですが、それはそれはかわいらしい、赤と白のおとぎ話に出てきそうな小さな駅。木造建築で駅と言うよりはお屋敷のような雰囲気です
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るホアヒン駅からはバンコク・ホアランポーン駅まで特急で3時間半。各駅停車だと4時間半。タイの国鉄は時間が正確ではなく、現在ホアヒンからバンコクに行く旅行者のほとんどが、空港への直通バスや、南バスターミナル行きのバス、そしてビクトリーモニュメント着のロットゥという乗り合いのミニバンを使っています。
でも時間に余裕のある旅行者は、「世界の車窓から」の世界に浸りたいという日本人旅行者も含め、鉄道の旅を選びます。
券売機なんて、日本では当たり前の物はありません。チケットは、昔懐かしい対人式です。
ホアヒン駅は観光スポットなので、鉄道を利用しなくても誰でも入場できます。鉄道ファンでなくとも、ホアヒンの歴史を感じることができ、更に電車を待つローカルタイ人の様子も見られるので、ホアヒンに行ったら、訪ねて頂きたい場所のひとつ。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る「切符を拝見」とは言われません。ここは臆することなく駅のホームへ入ってください。例え時刻表通りに電車が来なくても、のんびりと電車を待つローカルタイ人の姿に癒されます。
スマホをいじりながら待つ若いタイ人、バンコクや、更にマレー鉄道を使って南国へ下っていこうとする欧米人、子供をあやしながら時折電車の来る方角に目を走らせるお母さん、暇つぶしに来ているおばあちゃんなど、人間模様も様々。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る便は頻繁ではありませんが、少し待っていると大体電車がやってきます。せっかくなので電車が来るまで、待っていてください。
右側に見えるのは国王専用の待合室。まるで寺院のような屋根が小さいながらも迫力あり。残念ながら中には入れませんが、外から覗くことはできます。
その待合室の向こうから電車がホームに入って来る姿は、王室ゆかりのホアヒンでしか撮れない絶好の光景。シャッターチャンスです!
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る南国からの旅を終えホアヒン駅に下りたつ人の後、さっそくホームで待っていた人たちが乗り込みます。面白いのはみんな決して急がず、のんびりと乗り込む事。「急いでください」「発車します」という放送がないのも驚きですが、観光客が乗り込んで撮影していると時折注意放送が…!そっちだけ放送するのね?という不思議な感想を持つはずです(笑)。
僅かな停車時間に焼きトウモロコシや、ちょっとしたランチになる干した豚肉ともち米のセットなど、旅人の食欲を刺激する食べ物を抱えた行商のおねえさん・おばちゃんがわんさと乗り込みます。もちろんこちらの人々にも注意は一切なし。食べ物を売っている売店がないホアヒン駅…ギブアンドテイクということころでしょうか?それにしても南国の女性は働き者です。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るいよいよ出発です。電車到着から10分もありませんでしたが、行商の人たちが素早く飛び降りると、駅長が赤い旗をかかげ出発の合図を出します。はためくタイの国旗と相まって、まるで何かの儀式を見ているような、厳かな瞬間です。
タイ国鉄の同じローカル線ではこんなに雰囲気のある出発の光景は見ることができません。やはり「国王ゆかりの駅」という誇りがあるのでしょう。この時だけピリッとした緊張感が漂います。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るこの電車はバンコク・ホアランポーン駅行き。電車を見送ると「次は自分が乗ってみたいなあ」と思ってしまうはずです。
ホアヒン駅から南へ下っていけば、サムイ島への玄関口・スラタニ駅。更に国境を超えてマレーシアまで行くことができます。そして北へ上ればバンコク・ホアランポーン駅。
タイ国鉄は時間に決して正確ではありませんし、スピードを保証できる旅でもありません。でもいつもより日数の多い旅や、特に急ぐ旅ではない時は、ホアヒン駅から電車の旅に出てみるのも、素晴らしい思い出になります。
もちろん、電車に乗らない人も、ホアヒン駅の小さなホームから鉄道の旅に思いを馳せてみるのも、また一興です。
ホアヒンの魅力は、このタイで最も美しい駅だけではありません。プミポン前国王をはじめタイ王室ゆかりの観光スポットなど、訪ねる価値大のリゾート地・ホアヒンについて他の記事にも書かせていただいたので、関連MEMOから読んでみてくださいね!
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(2024/5/8更新)
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