写真:島塚 渓
地図を見るくいだおれの町・大阪の必須観光スポット「道頓堀」。付近にはたこ焼き・お好み焼きを始めとする飲食店が軒を連ね、まさに“食のテーマパーク”と呼べるようなエリアです。
「道頓堀」はもともと、江戸時代初期に「安井道頓(やすい・どうとん)」という商人が開削した運河によって、発展の基盤が築かれます。道頓はその後、大坂夏の陣で豊臣方に味方し戦死してしまいますが、彼の行った事業が基になって今の活気ある町がつくられたのです。
写真:島塚 渓
地図を見る「道頓堀」は今でこそグルメスポットとして有名ですが、もともと江戸時代に多くの劇場があったことで発展した町です。これは幕府の都市計画によって「道頓堀」の南側に多くの芝居小屋が集められたから。つまりこのエリアは幕府の力によって、歌舞伎や文楽などの中心地として栄えるようになったのです。
現在では閉館した劇場も多くありますが、かつての雰囲気を感じられる場所としておススメしたいのが「上方浮世絵館」。落ち着いたクリーム色の外観と浮世絵がプリントされたネコの看板が印象的な施設です。2001年にオープンした私設美術館で、日本で唯一“上方浮世絵”を常設展示しているスポットなんです。
写真:島塚 渓
地図を見る“上方浮世絵”とは主に大阪で作られた浮世絵のこと。葛飾北斎や歌川広重といった江戸で活躍していた浮世絵師が、風景画を多く残したのに対し、“上方浮世絵”は役者絵が大半を占めています。
これは大阪の町人に歌舞伎が娯楽として大いに受け入れられていたから。当時、江戸三座・浪花五座(浪花座・中座・角座・朝日座・弁天座)と呼ばれ、「道頓堀」は5つの大きな劇場がひしめく一大演劇スポットでした。
ここはそんな“上方浮世絵”をゆっくり鑑賞できる美術館。主な展示スペースになっている2階と3階では、約3か月おきに企画展が開催されています。館内は作品保護のため光量は少し弱め。落ち着いた雰囲気のなかで、江戸時代の役者たちの姿を想像してみて下さい!
写真:島塚 渓
地図を見る「上方浮世絵館」の目と鼻の先にあるのが「法善寺」。実はお寺そのものよりも、ここに祀られている「水掛不動(みずかけふどう)」という石像で有名なスポットです。
この「水掛地蔵」、“商売繁盛”や“恋愛成就”など様々なご利益があると言われています。そして普通の神社仏閣とちょっと違うのは、その参拝方法。願いごとをしながら不動明王の石像に水を掛けるのが、一般的な参拝の仕方なんです。
願い事のたびに水を掛けられているので、今では全身苔まみれ。自らを犠牲にして参拝者の願いを叶えようとしているようで、なんだか見ていて癒される存在です。
写真:島塚 渓
地図を見る「法善寺」は大通りからはわずかに逸れているので、人通りはそんなに多くありませんが、それでも「水掛不動」の前にはお参りに来た人で行列ができることもあるほど。ぜひ、一風変わった不動明王さまの姿を見て、癒されてくださいね。
写真:島塚 渓
地図を見る先ほど紹介した「法善寺」の北にある通りが「法善寺横丁」。もともとこの通りは「法善寺」の境内にあり、参拝客を相手に商売をしていた露店が発展したもの。現在では割烹店やバーなどが立ち並ぶ、オシャレなエリアとなっています。
長さ約80メートルの通りには石畳が敷きつめられ、東西の両端に“法善寺横丁”と書かれた看板が掲げられています。実はこの字、西側は藤山寛美、東側は3代目桂春団治によって揮毫されたもの。エンターテイメントが発展した大阪らしい粋な計らいとなっています。
そして「法善寺横丁」を歩くのにもっとも良い時間帯は、夕方から夜にかけて。ちょうちんに明かりが灯ると、グッと大人の雰囲気が増してきます。ここの石畳の通りを歩いているだけで、ウキウキした気分になってきますよ!
「道頓堀」周辺の繁華街にある癒しスポットを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。人で溢れ返るこのエリアも「道頓堀筋(商店街)」を一歩抜けると、落ち着いた雰囲気を楽しめるスポットがいくつか残されています。
大阪の活気ある雰囲気と食文化を楽しみたいけど、人混みのなかにすっといると疲れてしまうという人は、ぜひ今回の記事を参考にして、快適な旅のプランを考えてみてくださいね。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/19更新)
- 広告 -