メトロ永田町駅の富士見坂と赤プリ跡地界隈史跡めぐり

メトロ永田町駅の富士見坂と赤プリ跡地界隈史跡めぐり

更新日:2017/10/06 13:14

雲本 らてのプロフィール写真 雲本 らて 散歩ブロガー、坂道探検家
永田町といえばなんといってもあの国会議事堂の姿を思い浮かべる方も多いとは思います。今回はそんなエリアの中でも、地下鉄東京メトロ永田町駅そばにあり江戸時代から存在していたという富士見坂および諏訪坂を取り上げてみたいと思います。さらに、この界隈の江戸城外堀跡にある赤坂御門などひと味違ったおすすめの新旧スポットもあわせてご紹介します。

富士見坂と首都高

富士見坂と首都高

写真:雲本 らて

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「富士見坂」という名のついた坂道は都内でも数十箇所存在します。その中でも今回の富士見坂は、東京メトロ永田町駅の真上に位置し、駅出口をでるとそこが坂道という立地です。地上部分は首都高速の高架があり、独特の景色が特徴的な場所です。富士見坂という名前からも、かつては坂の途中から富士山が見えたのですが、いまは周りに大きなビルが立ち並び見ることはできません。

坂道の南側には、衆議院および参議院議長公邸が隣接しており、政治とも縁がある坂道とも言えます。またこの地は、東京女学館発祥の地でもあるそうです。なお現在の衆議院議長公邸は内井昭蔵氏、参議院議長公邸は岸田日出刀氏と、両公邸とも日本を代表するような建築家の設計によるもので、建築物としても要注目の施設です。敷地内に入ることはもちろんできませんが、門の外からちらりと見ることくらいはできますので、気になる方はそのような方法でどうぞ。

富士見坂と首都高

写真:雲本 らて

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また富士見坂の坂下である赤坂見附の交差点あたりは、都内でも有数の高架橋が立体的に交差している場所としても有名です。坂の途中にはそれらを見渡せる歩道橋があります。そこからの眺めは絶景とも言えるでしょう。ぜひ体験してほしいスポットです。

江戸城外堀跡と富士見坂

江戸城外堀跡と富士見坂

写真:雲本 らて

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同じく赤坂見附交差点の北側には、江戸城外堀跡であり、現在は弁慶濠とも呼ばれている見た目は池のような場所があります。当時の形のまま現存しており、今回の富士見坂とも隣接していて、坂道の途中からも首都高速新宿線の高架のすきまから濠の景色を眺めることもできます。なお濠の名前については江戸時代からのものではなく明治期に架けられたという弁慶橋(写真に写っている橋です)から命名されたものとのこと。またこの周辺は「江戸城外堀跡」として国の史跡に指定されています。

ちなみに、この弁慶橋のたもとには、弁慶橋ボート場があり、1時間1200円で釣りボートを借りることができ、ボートに乗ってバス釣りが楽しめます。釣りをしないで、ボートを借りるだけなら1時間980円です。

赤坂御門と富士見坂

赤坂御門と富士見坂

写真:雲本 らて

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富士見坂の途中には、江戸城外郭門のひとつである「赤坂御門」の石垣の一部が保存されています。江戸城の門は、敵の侵入を発見する施設であるため”見附”とも呼ばれており、そのためこの地は「赤坂見附跡」とも呼ばれています。江戸時代のこの門は、現在の神奈川県大山に参拝する大山道の重要な地点でもあったそうです。

とにかく、江戸時代の空気が残っている石垣の景色は、近代的な高層ビルがまわりに立ち並ぶ中で異彩をはなっていますので一見の価値はあるでしょう。

諏訪坂と赤プリ跡地

諏訪坂と赤プリ跡地

写真:雲本 らて

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今回の富士見坂の途中から北側に向かって上っている坂道が「諏訪坂」です。かつてのグランドプリンスホテル赤坂(旧・赤坂プリンスホテル)の跡地に2016年7月に開業した東京ガーデンテラス紀尾井町が隣接している坂道でもあります。

諏訪坂という名前の由来については、江戸時代、坂下にある今の都道府県会館の地に諏訪氏の邸宅があったことからそう呼ばれるようになったとのこと。また別名で「達磨(だるま)坂」とも呼ばれています。これは今の東京ガーデンテラス紀尾井町のある場所にかつて紀伊和歌山藩徳川家の屋敷があり、その表門の柱に達磨(だるま)に似た木目があったことからその前を走るこの坂道を達磨坂と呼ぶようになったからだそうです。

諏訪坂と赤プリ跡地

写真:雲本 らて

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諏訪坂は、通称でプリンス通りとも呼ばれています。この坂道はかつてのグランドプリンスホテル赤坂に隣接した道でもあったためそう名付けられたのでしょう。

また諏訪坂の坂上には、東京ガーデンテラス紀尾井町の敷地内に残された赤坂プリンスクラシックハウス(旧・赤坂プリンスポテル旧館)も隣接しています。かつての李王家の東京邸だった建物で、1930年に旧宮内省内匠寮の工務課長だった北村耕造と技師の権藤要吉らの設計により完成したものです。現在は宴会場として使われていますが、2011年に東京都指定有形文化財として指定されたことでも有名な施設です。

坂道とめぐる江戸時代から現代に続く流行スポット

今回紹介した東京メトロ永田町駅界隈は東京ガーデンテラス紀尾井町という近代的な高層ビルや高架橋と富士見坂を含む江戸時代から存在する赤坂御門などの史跡との対比が歩いていてすごくおもしろい場所だと思います。

また諏訪坂と隣接した東京ガーデンテラス紀尾井町の敷地内には、「空の広場」という赤坂御門の古い石垣をうまく再利用した広場も再開発に合わせて新しくつくられています。広場には弁慶濠が見渡せる眺望ポイントもあります。こちらも坂道とあわせてぜひ立ち寄ってみることをおすすめします。

<基本情報>
富士見坂
所在地:東京都千代田区紀尾井町と永田町2丁目の間
アクセス:東京メトロ永田町駅より徒歩0分(駅出口すぐ)

諏訪坂
所在地:東京都千代田区紀尾井町と平河町2丁目の間
アクセス:東京メトロ永田町駅より徒歩0分(駅出口すぐ)

掲載内容は執筆時点のものです。

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