アントワネットが愛した田園風景!フランス・ヴェルサイユ宮殿

アントワネットが愛した田園風景!フランス・ヴェルサイユ宮殿

更新日:2018/07/27 09:25

1979年に世界遺産登録されたフランス・ヴェルサイユ宮殿。1700年代のヨーロッパの中心ともいうべき華やかな宮殿です。フランス王妃としてどんな贅沢をも許された、歴史上最も有名な王妃であるマリー・アントワネット。この豪華な宮殿で、彼女が愛した素朴な田園風景が見られるのをご存知でしたか?ヴェルサイユ宮殿の敷地内にあるこののどかな農村風の一画が遠因となって、後のフランス革命につながっていくのです。

ヨーロッパの中心、ヴェルサイユ宮殿

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ヴェルサイユ宮殿は世界に名だたる豪華な宮殿です。もともと狩猟用の館だったものをルイ14世が増築して、世界に類を見ないほどの豪華絢爛な宮殿が造られました。ヨーロッパ各地にはヴェルサイユ宮殿をお手本にした宮殿も造られたほどです。

この「戦争の間」のレリーフは、馬に乗って敵を蹴散らす英雄の格好をしたルイ14世が彫られています。「ベルサイユのばら」を読んだことのある人は見覚えがあるかもしれません。オスカルの肖像画のポーズによく似たレリーフです。

このルイ14世から時代が下った1770年、フランスとオーストリアの和平の証として、オーストリア皇女、マリー・アントワネットが、後のルイ16世の妃になるべく、フランスに嫁いできました。フランス王妃になることは栄光を約束されたことでしたが、それから20年後、彼女の運命は革命によって暗転します。

贅を尽くし栄華を極めた宮殿&広大な敷地!

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ヴェルサイユ宮殿は、東京ドーム220個以上、1,070haの敷地を持つ広大な宮殿です。敷地内にはプチ・トリアノンという離宮や立派な噴水、よく手入れされた庭園などがあり、贅を尽くしたものでした。

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宮殿本体には700以上の部屋があり、鏡の間に代表される豪華な部屋がたくさんあります。素晴らしい宮殿は昔も今も、多くの観光客が訪れるフランス屈指の観光名所です。この華やかで誰もが憧れる宮殿で、王妃マリー・アントワネットは女主人として暮らしていました。

王妃の生活は朝起きたときから、着替えや食事など、常に誰かがそばについていて、一挙手一投足が見られています。出産までもが貴族の立会いのもとで行われます。オーストリアの格式張らない王室から嫁いできた若い王妃には息が詰まったことでしょう。想像を超えたプレッシャー。そこから逃避する手段がヴェルサイユ内にある農村だったのです。

マリー・アントワネットが愛した田園風景!

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まるで田舎にある農場のような風景を見ると、なぜ宮殿内に農家や水車が?と思うかもしれません。この素朴な一画は、アントワネットが田舎遊びを楽しむためにわざわざ作らせたものです。

ル・アモー・ドゥ・ラ・レーヌ、「王妃の村里」というこの農村は息の詰まる宮殿を抜け出す手段、いわば王妃の息抜きの場所でした。建物をわざと古びた風に作らせるなど、凝った造りになっています。アントワネットも村娘のような格好で庭いじりをしたり、バターを作ったり、しぼりたての牛乳を飲んだりしたようです。

マリー・アントワネットが愛した田園風景!
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農場では人が雇われ、牛や鶏を飼ったりもしていましたが、王妃自らが世話をしたりするわけではなく、あくまでそれらしい雰囲気を楽しむ、いわば、ごっこ遊びを楽しむ場でした。現在では、王妃の村里は散策することはできますが、内部の見学はできません。

「赤字夫人」の汚名

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ヴェルサイユ宮殿はこの写真のように豪華な建物と広大な敷地を持つヨーロッパ随一の宮殿です。アントワネットはそのヴェルサイユ宮殿の女主人として栄華を極めることのできた身でした。にもかかわらず、素朴な農村風の生活を望んだ為、牧歌的な田園風景を整備するのに、莫大な税金がつぎこまれました。もともとルイ14世時代からの対外的な戦争などのせいで赤字が慢性化していたのですが、さらに多額の税金が投入されたことで、わかりやすい悪役として、マリー・アントワネットは「赤字夫人」という不名誉なあだ名をつけられました。

その目に見えるわかりやすい浪費が大きく宣伝された結果、これらの贅沢が、貧しい民衆の怒りに火をつけ、結果としてフランス革命につながっていくのです。

おわりに

広大なヴェルサイユ宮殿にはプチ・トリアノンなどの離宮が点在します。庭園もかなり広いため、王妃の村里まで30分ほど歩くことになります。庭園の散策がてら歩いてもいいですが、「プチトラン」で移動するのが便利です。

ヴェルサイユ宮殿の一部が2018年にホテルとして開業予定とのこと。部屋数が20室ほどの豪華なホテルになるようです。予算が許せば宿泊して、悲劇の王妃マリー・アントワネットの生涯に思いをはせてみるのもいいかもしれません。

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