写真:八岳木 流泉
地図を見る金山町の温泉は、只見川沿いにポツポツと散在している点が特徴的です。大塩温泉や湯倉温泉など、共同浴場のみのところもあれば、複数の宿から成る温泉地もあります。それらを総じて、「会津金山温泉郷」と呼ぶ場合もあるのです。
そのなかで、只見川に面さない玉梨八町温泉は、独自の道を歩んでいます。非常に小さく静かな町ですが、湯客の出入りも盛んとなって活気を失っていないのです。
玉梨温泉には共同浴場と旅館がありますが、ここは「恵比須屋旅館」がおススメ。決して規模は大きくないですが、宿泊はもちろん、外来入浴も受け付けています。
写真:八岳木 流泉
地図を見る浴室は男女別の内湯と露天、さらに貸切風呂があります。石のタイルで造られていますが、タイルはすっかり変色してしまっています。これは温泉成分が濃く、流れ出る際に沈着してしまうためですね。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉。温度は少し高めで、茶色く濁る点が特徴です。掛け流しでの利用なので、お湯の感触は抜群。大きな窓からは外光が射し込み、実にイイ雰囲気です。
写真:八岳木 流泉
地図を見る露天風呂に出てみれば、その開放感にホッとため息。石造りでゴツゴツとしていますが、その野趣が魅力です。もちろんこちらも掛け流し!新鮮な温泉にゆっくり浸かりたいですね。
露天から眺めるのは、野尻川という小さな川面。小さいですが流れは意外と強く、流音が大きく響いています。
写真:八岳木 流泉
地図を見る玉梨温泉は、古くから「河童の湯」と呼ばれてきました。野尻川がたびたび洪水を起こしていたことから、河童のいたずらだと信じられたためと言われています。
恵比須屋旅館の館内には、そのいわれを説明する案内板も。いわれや伝承を後世へつなぐ。そんな宿の姿勢もうれしいですね。
写真:八岳木 流泉
地図を見る湯に浸かり、間近の川を眺めてみます。アユも豊富に住んでいるといわれる野尻川。しばらく見ていると、河童も出てきそう。そんな幻想すら覚えてしまいます。
写真:八岳木 流泉
地図を見る玉梨八町温泉を形成するもう一方のお湯「八町温泉」では、共同浴場「亀の湯」に入りましょう。玉梨温泉から実に近く、恵比須屋旅館の隣にあります。
湯小屋は昔ながらの小さな木造。湯船は混浴の内湯のみで、コンクリート造りです。八町温泉の泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素・硫酸塩泉ですが、近年、湯量が減少してきたため、現在では玉梨温泉の源泉も同時に注がれています。もちろん掛け流し利用で、お湯は新鮮そのものです。
写真:八岳木 流泉
地図を見る共同浴場亀の湯は、地域や後援者の寄付によって成り立っています。寄付をした人の名前は、壁の上部に掲げられており、この光景は亀の湯の名物のひとつです。
入浴料は寸志(気持ち)ですが、100円以上は入れるようにしましょう。
写真:八岳木 流泉
地図を見る玉梨、八町の濃厚源泉をはしご湯したあとは、同じ湯町にある「玉梨とうふ茶屋」に立ち寄りましょう。ここには、幻の「青ばと豆腐」があるのです。
青ばと豆腐の「青ばと」とは、枝豆のこと。玉梨地区では青ばとと呼ぶのです。豆腐を作るうえで重要なのが水。同茶屋では、山の積雪が融け、100年かけて流れてきた湧水を使用しています。その水と青ばとが合わさることで、絶妙な歯触りと味わいが生じるのだとか。
宅配販売も行っていますが、ここではやはり食べていきたいところです。豆腐一丁でも食べられますので、気兼ねなく訪ねてください。
大きな豆腐は青みを帯びて、一般的な豆腐の姿とは異なります。そこにたくさんの鰹節を乗せ、しょうゆを垂らしていただきます。しっかりとした食感と青ばとの香り。一丁食べれば満腹になるほど、実においしい一品です。
玉梨八町温泉の温泉は、どちらも掛け流しで入りごたえのある浴感です。それらを両方入り、おなかが空いたら豆腐を一丁!体内外から健康になること間違いなしです。静かな温泉町ですが、活気は充分、アツさを感じます!湯疲れをしそうであれば、どちらか一方の温泉で留める。自分の体と相談し、楽しい旅にしてください。
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(2024/3/29更新)
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