タ・プロームは、アンコール・トムを作ったジャヤヴァルマン7世によって12世紀末に創建されました。創建当時は仏教寺院でしたが、途中からヒンドゥー教の寺院にかわったと言われています。最盛期には僧侶や踊り子が多く暮らしていましたが、やがて見捨てられ、密林の奥深く誰も訪れることのないまま、長い間眠っていました。森の中のこの遺跡は、暑い日でも外界から切り離され、静けさ、涼しさを感じさせてくれます。世界遺産登録されているアンコール遺跡群の中でも、雰囲気がまるで違うところです。
かつて多くの僧侶と踊り子が住んでいたタ・プローム。今では多くの観光客が訪れ、アンコール遺跡群の中でも屈指の人気を誇っています。
タ・プロームの中の遺跡は崩壊した場所も多いのですが、安全に支障がない程度に修復はされています。大きく育ってしまった樹木を取り除くということはしておらず、細かいところ、苔むした石が積み重なったところなどは、壊れたままで今現在、治されていません。
きちんと修復された遺跡は、他の場所でいくらでも見ることができますが、タ・プロームは崩壊した遺跡と自然との融合がセールスポイントで、「密林の奥深く眠る遺跡」というイメージがこれほどしっくりくる遺跡はないのではないでしょうか。崩れ苔むした石、壁の上を這う樹魂、建物を押しつぶすかのようなガジュマル。私たちがイメージする密林の中の遺跡そのもので、探検家になった雰囲気を味わえます。
ガジュマル(別名:スポン)に浸食された風景をみるとき、自然の力というものは人の作ったものを簡単に超えてしまうということを再認識させられます。20mくらいにまで成長し、別名「絞め殺しの木」ともいわれるガジュマル。この遺跡のガジュマルは樹齢300年を超えています。巨大な樹木に建物が押しつぶされんばかりになっており、自然の驚異を感じさせてくれます。
映画『トゥームレイダー』でここタ・プロームもロケ地として使われました。アンジェリーナ・ジョリー演じるトレジャーハンターであるララ・クロフトが、密林の中の遺跡に入り込んだ場面で使われたので、ガジュマルの巨木が建物を侵食するかのようなこのシーンを映画で見たことのある方も多いことでしょう。いくつかのシーンはタ・プロームの特徴的なガジュマルがある場所を使って撮影されました。
また、このタ・プロームは『天空の城ラピュタ』の雰囲気も感じさせてくれます。同じアンコール遺跡群で、森の中にある遺跡「ベンメリア」と共に、ジブリファンなら一度は訪れてみたい遺跡ではないでしょうか。
暑い日でもここタ・プロームのある界隈だけは、まるで別世界のように爽やかです。「密林の奥深く、長い間眠っていた遺跡」、ロマンを感じませんか?
映画『トゥームレイダー』ではカンボジアで重要なシーンを撮影しており、ヒロインがタ・プローム内を探検しているシーンだけでなく、双眼鏡で遠くを偵察する場面や、四面像らしきものを引き倒すシーン、アンコールワット前の水上市場のシーンなどもあります。アンコールワットでのロケについては他の記事で触れていますので、関連MEMOよりご覧下さい。
映画を見直してから、ここシェムリアップを訪れたら、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
この記事の関連MEMO
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(2024/4/23更新)
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