写真:島塚 渓
地図を見る「石谷家住宅」がある鳥取県智頭町は、もともと宿場として栄えた町。ここは近畿方面と鳥取を結ぶ智頭往来(因幡街道)と、岡山に抜ける備前街道が合流する交通の要所。そのため、多くの旅人が立ち寄る宿場町として発展しました。
今でも、かつての面影を残す建物が残されており、レトロで落ち着いた雰囲気の町となっています。
写真:島塚 渓
地図を見るこの智頭宿にある巨大な木造家屋が「石谷家住宅」。元禄年間(1688〜1704)の初期に鳥取城下から移り住んできた石谷家の邸宅として使用されていた建物です。
この建物を見て、まず驚くのがその大きさ。約3000坪という広大な敷地のなかに、40以上の部屋と7つの土蔵が建てられています。
なかでも目を引くのが、受付のすぐ奥に広がっている土間の巨大さ。天井まで約14mあるという吹き抜けの空間は、抜群の重厚感を醸し出しています。大黒柱には欅(けやき)を使い、梁には赤松の巨木を使用するという贅沢なつくりです。
この土間のある主屋をはじめとして、敷地や8棟の建物が重要文化財に指定されている貴重な施設になっています。
写真:島塚 渓
地図を見る「石谷家住宅」はもともと江戸時代に建造されますが、その後、改装や建て替えを繰り返し現在まで伝わっています。特に大正8年から昭和4年まで続いた工事によって、主屋や多くの付属室が建設されました。
この時に江戸時代の建物が取り壊されたり、大きく手が加わったりしたようですが、庭園を臨む「江戸座敷」は、当時の建物を受け継いでいます。
書院座敷として整備されたこの部屋には、調度品を始めとして注目ポイントが目白押し。なかでも“ハート型”の木枠が施された障子は、入館者の誰もが注目する一品。愛らしいフォルムに思わず目を奪われてしまいます。
一般的にこの形は“ハート型”で通っていますが、厳密に言うと “猪目(いのめ)”というまったく別の文様。日本古来より使われている形で、猪の目をモチーフにしています。
猪の目を使っている由来は、魔除けの意味や招福のご利益があるから。
この框に限らず、「石谷家住宅」にはいたるところに美術工芸品が飾られているので、要注目ですよ。
写真:島塚 渓
地図を見る「石谷家住宅」の見どころの1つが、国の登録記念物にもなっている庭園。邸宅と同じく大規模なつくりとなっており、池泉庭園・枯山水庭園・芝庭の3つの庭で構成されています。
そのうち「江戸座敷」と一体のものとして作られたのが、豊富な水を湛えた池泉庭園。鮮やかな緑色とカラフルな鯉が美しい、日本庭園を代表するような場所です。
「石谷家住宅」は、邸宅・調度品・庭園が魅力的な観光スポット。前述したように部屋数が40以上あるので、すべてをじっくり見て回ろうと思えば、かなりの時間を必要とします。
また、敷地内にある7つの土蔵も展示室や販売スペースとして活用されています。蔵内のイベントは時期によって異なるので、ホームページをチェックしてから訪れることをおススメしますよ。
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(2024/3/19更新)
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