写真:乾口 達司
地図を見る伊勢神社は岡山県岡山市北区の旭川西岸沿いに建つ神社。「伊勢」の名を冠しているだけあり、主祭神として、伊勢神宮と同様、天照皇大神と豊受大神がまつられています。
伊勢神宮の歴史に詳しい人なら、「元伊勢」という言葉を耳にした人もいらっしゃるでしょう。第十代・崇神天皇の時代、伊勢神宮の祭神である天照大神は宮中にまつられていました。しかし、神威があまりに強く、宮中にまつることに支障が生じたため、豊鋤入姫命によって大和国笠縫の地に遷されたのを皮切りに、天照大神は各地を転々とします。そして、最終的に鎮座したのが現在の伊勢の地でした。
「元伊勢」とは、天照大神が伊勢の地に鎮座するまでのあいだに滞在した各地の神地を指し示していますが、実は天照大神は現在の岡山県に当たる吉備国にも4年鎮座しており、伊勢神社はその鎮座したところであると伝えられているのです。岡山に「伊勢」の名を持つ神社があるのは、こういった理由からなのですね。
写真:乾口 達司
地図を見るしたがって、本殿は伊勢神宮と共通する構造や意匠が認められます。たとえば、本殿は古代の高床式倉庫をイメージさせる神明造(しんめいづくり)と呼ばれる構造となっていますが、この神明造は伊勢神宮の本殿と同じ。
さらに注目していただきたいのは、屋根の部分。屋根の両端にとりつけられた建築部材の「千木(ちぎ)」は左側が内宮、右側が外宮とそれぞれ同じ構造をしており、伊勢神社の本殿が伊勢神宮と深いつながりを持っていることが、その建築様式からもうかがえます。参拝の折はそのあたりもしっかりご覧下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る伊勢神宮とのつながりは、本殿の裏手にある摂社の「十五末社」からもうかがえます。その名のとおり、十五末社には15の神さまが合祀されていますが、その内訳は次のとおり。「御門神」「風神」「多賀宮」「荒祭宮」「熱田神社」「春日神社」「五元神社」「斎宮」「興玉神社」「鈿女神社」「伊雑宮」「荒宮神社」「戸隠神社」「今村神社」「会魂神社」。「多賀宮」「熱田神社」「春日神社」など、各地に鎮座する特定の神社の名前に混じって「斎宮」や「伊雑宮」など、伊勢神宮と関わりを持つ神さまもまつられていることに注目してください。さすがは「元伊勢」ですよね。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、初詣の参拝者の数は伊勢神宮とは比べものになりません。参拝者の大半が地元の人たちですが、混雑するほどではないので、ゆったりした気持ちで参拝することが出来ますよ。
普段は無人の社務所も正月は開けられており、当社特製の御札も授与していただけます。ここでしかいただけない貴重なものゆえ、旅の思い出として、ぜひ御札を求めましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る境内には、新春ならではの華やいだ雰囲気も満ちています。拝殿前では甘酒の授与もおこなわれており、日中でも寒さの厳しいこの時期には嬉しい限り。有り難くいただきましょう。体も心もあたたまりますよ。
伊勢神社の魅力、おわかりいただけたでしょうか。普段は無人の境内も正月だけは初詣客で賑わうため、参拝は初詣の時期をお勧めします。伊勢神宮ならぬ伊勢神社で新春を寿いで下さい。
住所:岡山県岡山市北区番町2丁目11−20
電話番号:086-222-5018
参拝料:なし
アクセス:JR岡山駅より徒歩約30分
正月期間の行事:1月1日は歳旦祭/1月2日は獅子舞奉納
2021年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/24更新)
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