山形県で最大級の杉の巨木・松保の大杉〜一樹で森を成す里山の御神木

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山形県で最大級の杉の巨木・松保の大杉〜一樹で森を成す里山の御神木

山形県で最大級の杉の巨木・松保の大杉〜一樹で森を成す里山の御神木

更新日:2016/12/07 13:19

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

全国的に見ても巨木が多い自然豊かな山形県から、県内最大級の杉の巨木・松保の大杉をご紹介。松保の大杉は、県内の中央部に位置する大江町の山中に立っています。その姿は、一樹で森を成すように雄大であり、幹は個性的な姿をした大迫力の巨木。そして、水田と広葉樹の山林に囲まれた、心癒される里山の風景がより一層、大杉の立姿を惹き立てます。大江町へ里山の御神木に会いに行きましょう。

松保の大杉は山形県内で最大級の杉の巨木

写真:大木 幹郎

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松保の大杉は、山形県の中央部に位置する、大江町の山中に立つ巨木。県内で最大級の貴重な杉の巨木で、県の天然記念物に指定されています。全体的な樹形は整った円錐形で、一樹で森を成すような雄大な樹冠。健全で大きな損傷もなく、無数の太い枝を根元から先端の梢まで繁らせた、気持ちの良い立姿です。

最上川の河岸段丘に開けた大江町の中心部から、西へ離れた標高約300mから500m台の山間部。その谷間に開かれた小さな集落に、大杉は1本で立っています。清閑な里山の集落で、水田と広葉樹の尾根に囲まれた大杉。そこには、日本人にとって普遍的な郷愁を誘うような景観が残されています。また、広く明るい場所で、建物や電線が映らない、とてもフォトジェニックな環境です。

写真は水田を前に大杉を撮影したもの(10月下旬)。6月には、田植え直後の水田に映る青空と大杉、7月から9月には、緑の絨毯となった水田と大杉の姿を楽しめることでしょう。

里山の集落を見守ってきた御神木

写真:大木 幹郎

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根元から見上げた大杉の威容。森のような樹冠の正体は、太い幹から爆発的に広がった、荒ぶる大枝の集合体です。その巨体は、幹周・約11m、樹高・約26mもの大きさ。1本の直幹とならず、地上3m付近で大きく分散。地上10m付近では4本の大きな幹に分かれて立ち昇り、離れて見れば、其々が1本の巨木のように見えるほど。

松保の大杉の隣にある建物は、山の神を祀った社。平地や耕作地の乏しい山里の集落で、大杉は伐採されず、人々に守り伝えられてきました。大杉の神秘的な威容に、人々は山の神様を重ねていたことでしょう。

松保の大杉には、杉には珍しいとされる気根が複数付いています。気根とは、イチョウ(公孫樹)の巨木によく見られる、鍾乳石や氷柱の形に垂れた枝のこと。根元にある木道を一周して見学する際に、大枝の付根をよく観察して見て下さい。

松保の大杉の個性的な樹形の秘密

写真:大木 幹郎

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松保の大杉の個性的な樹形。これは日本海側に多く分布している、ウラスギの特徴を示しています。ウラスギは太平洋側に分布するオモテスギより、積雪に適応した種類。葉の広がりを狭くし、梢の先端を円錐形とすることで雪を落とし易く、下枝がよく曲がります。地面に垂れた下枝は、根付いて独立した幹となることもあり、これは伏条更新と呼ばれます。

写真の左側、大杉から少し離れた位置に、まだ細い若杉が生えています。この若杉は、大杉の地面に垂れた大枝が、伏条更新して育った大杉の子とされています。大杉の東側に生えていますので、注目して見てください。

なお、山形県内の最上地方にある戸沢村には、ウラスギの巨木の群生地「幻想の森」があります。幹や枝が湾曲した不思議なウラスギの森は、その名の通り幻想の世界。詳細は、関連MEMOのリンクをご参照ください。

松保の大杉へのアクセス〜林道を経由する2つのルート

写真:大木 幹郎

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松保の大杉へ通じているのは、蛇行しながら山中を南北に貫く未舗装の林道。普通車で何とか進めるルートと、最短距離を徒歩で進むルートの2つをご紹介します。

■貫見地区から南下

大杉の北側、貫見地区から南下します。県道27号線の七軒東小学校(休校中)に面した交差点から大杉まで約8km。道はすぐに未舗装の林道となり、田代山の麓にある分岐から先、林道は更に狭くなり荒れてきます。このルートの詳細は、文末の関連MEMOのリンク、大江町観光物産協会のサイトでも紹介されています。

■大暮山地区から北上

大杉の南側、大江町と接する朝日町の大暮山地区から北上します。林道の入口(廃校跡の横・地図の位置)から大杉まで約2kmと最短ですが、道が狭く荒れているため、普通車は通行できません。写真はその林道の途中の様子。徒歩で約30分、大杉がゴールのハイキングと思えば、長い道ではありません。

少々苦労しても辿り着きたい魅力の巨木

写真:大木 幹郎

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松保の大杉へのアクセスは、林道の入口までは、最寄の高速道路のICから車で約30分と、大した距離はありません(山形自動車道・寒河江スマートIC)。そこから先、未舗装の林道を、車や徒歩で進むのは少々面倒かもしれません。しかし、大杉と対面することで得られる大きな感動は、道中の苦労が十分に報われるものがあります。林道の先では、大杉の個性的で大迫力の巨体、大杉を囲む里山の水田と広葉樹林、とてもフォトジェニックな景観を独り占め。帰路の足取りは、感動の余韻が軽くしてくれることでしょう。

松保の大杉は立姿と景観の両方に優れた山形の名木

以上、山形県で最大級の杉の巨木、松保の大杉のご紹介でした。離れて見る姿は、一樹で森を成すように雄大で、根元から梢まで円錐形の整った樹冠。近付いて根元から見上げる姿は、荒ぶる曲がった大枝が集合した神秘の威容。その他、杉に珍しい気根や、伏条更新で分かれた杉など、注目すべき見所があります。

大杉の魅力は、素晴らしい周囲の景観にもあります。谷間に開かれた清閑な里山の集落で、水田と広葉樹の尾根に囲まれて立つ大杉。昔の山村に訪れたような、郷愁を誘うたまらない景観が残されています。そして、広く明るい場所で、建物や電線が映らない、とてもフォトジェニックな環境です。立姿・景観ともに優れた山形県の名木に会いに行きましょう。

最後に、周辺でお勧めの観光スポットを2つご紹介。
1つ目は松保の大杉と並んで大江町を代表する巨木「神代カヤ」。幹周は約9mもの太さで、カヤ(榧)の巨木としては国内最大級。2つ目は、お隣の朝日町にある国指定の名勝地「大沼の浮島」。古くに修験者に開かれた神池には、複数の小島が浮遊する神秘の景観が広がっています。詳細は文末の関連MEMOのリンクをご参照ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/21 訪問

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