丹那断層公園だけじゃない!静岡「火雷神社」は断層のズレを体感できるレアなスポット

丹那断層公園だけじゃない!静岡「火雷神社」は断層のズレを体感できるレアなスポット

更新日:2016/12/16 15:17

大宮 つるのプロフィール写真 大宮 つる 開運ライター、台湾愛好ライター
“断層のズレ”を見学できるスポットとして広く知られる、静岡県函南(かんなみ)町にある「丹那(たんな)断層公園」。丹那断層は国指定天然記念物の大変貴重なものとなり、この公園で鮮明に断層のズレが見られます。
ところで、丹那断層公園のほかに同町でもう一つ、断層のズレを如実に体感できるスポットがあるのはご存じですか? その名は「火雷(からい)神社」。今回は、函南町に鎮座する「火雷神社」について紹介します。

丹那断層と同じ断層上のズレの跡にある神社! 函南町「火雷神社」

丹那断層と同じ断層上のズレの跡にある神社! 函南町「火雷神社」

写真:大宮 つる

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静岡県田方郡函南町は田代という地に鎮座する「火雷(からい)神社」。「酪農王国オラッチェ」から車で9分、「丹那断層公園」から車で12分ほど、北に走った山の中にある神社です。

火雷神社の創建やご祭神などの縁起ははっきりしていませんが、こちらの神社のなにが有名かつ貴重かといいますと、丹那断層(※)と同じ断層上のズレの跡にあること! 1930(昭和5)年に起きた北伊豆地震(マグニチュード7.3)による“丹那断層のズレ”の痕跡を保存している神社なのです。

※丹那断層……箱根山南麓から函南町の丹那盆地をとおり、南の伊豆市へ約30キロ伸びる。断層を挟んだ反対側が左方向にズレる“左横ずれ”というタイプの断層。

もともとの鳥居は、こちらだった!

もともとの鳥居は、こちらだった!

写真:大宮 つる

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写真1枚目の鳥居は、実は、北伊豆地震のあとに建立されたもの。写真2枚目が、北伊豆地震前にあった、かつての鳥居となります。新鳥居をくぐらず、道路を少し歩き、引いて全体を見てみましょう。

もともとの鳥居は、こちらだった!

写真:大宮 つる

むかって左側に、神社名が刻まれた石碑、左側の鳥居の柱、1/4ほどの右側の鳥居の柱などが残されている状況ですが、「鳥居があった」と脳内で想像した上で、石段・社殿を眺めてみてください。壊れた鳥居と石段の中心が、大きくズレていることに気づくことでしょう……!

石段を上ったら、上から眺めてみよう!

石段を上ったら、上から眺めてみよう!

写真:大宮 つる

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社殿の真向いからズレを確認できたら、次は石段を上り、上から眺めてみることにしましょう。石段の下あたりにT字の木札が地面に刺さっていますが、この下が“断層線”となります。上から見ても、大きくズレていることが分かります。

石段を上ったら、上から眺めてみよう!

写真:大宮 つる

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下にも降りられますので、断層線があると思われる場所に立ってみることもできます。石段が急なため、気をつけて降りてくださいね。

先人が残してくれた「火雷神社」に祈りを捧げる

先人が残してくれた「火雷神社」に祈りを捧げる

写真:大宮 つる

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私たちが火雷神社をこのように見学できるのは、先人たちが北伊豆地震の被害の現況を後世に残し、天災の怖さを伝えるため保存し続けてくれたから。そんなことに想いを馳せながら、火雷神社に参拝してみてはいかがでしょうか。なお、社務所はなく、御朱印対応していません。

「丹那断層公園」で、断層のズレも見てみよう

「丹那断層公園」で、断層のズレも見てみよう

写真:大宮 つる

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火雷神社を訪れたら、ぜひとも国の天然記念物に指定されている「丹那断層公園」にも足を運ばれてみては? 火雷神社から車で12分ほどの距離にあります。

「丹那断層公園」で、断層のズレも見てみよう

写真:大宮 つる

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丹那断層公園も火雷神社と同様、1930年に起きた北伊豆地震で生じた丹那断層のズレの痕跡が保存されている場所となります。公園として整備されており、“断層地下観察室”があったり、説明板が点在していたりします。

「丹那断層公園」で、断層のズレも見てみよう

写真:大宮 つる

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写真は、断層地下観察室で見られる丹那断層の様子ですが、パッと見て、土の色・質が異なっているのが分かりますよね? これは、北伊豆地震によって入った断層線。視覚から、丹那断層の理解をより深めることができますよ。

「火雷神社」と「丹那断層公園」で、丹那断層のズレを体感!

以上、丹那断層のズレの痕跡が保存されている「火雷神社」を中心に、「丹那断層公園」についても紹介しました。

一般的に、“断層”といってもイメージが湧きにくいかと思いますが、これらの2つのスポットの良い所は、パッと見で、断層のズレを体感できるという点です。いずれも無料で見学できるスポットですので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/12/02 訪問

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