写真:阿部 吾郎
地図を見る「後生掛自然研究路」の入口は、後生掛温泉旅館の駐車場のすぐ横にある。路線バス又は自家用車で後生掛温泉まで来れば散策が可能だ。路線バスは基本的に土・日曜日のみの運行で冬季は運休となる。なお、冬季は、後生掛自然研究路も閉鎖となるのでご注意を。
写真:阿部 吾郎
地図を見る遊歩道の入口から、しばらく歩くともうもうと湯気が立ち上る岩山が見えてくる。ここからはみどころの連続である。
まずは、少々急な階段だが、岩山の上まで登って行く。
写真:阿部 吾郎
地図を見る岩山の上から見下ろしたのがこちらの風景だ。小さな温泉の池が2つある。これこそが、「後生掛」の地名の由来となった「オナメ・モトメ」である。オナメとは本妻、モトメとは妾のことである。地元に伝わる伝説をご紹介しよう。
『昔、この地で牛方をしていた若者が重い病に倒れた。この時、巡礼でこの地を訪れた若い娘の看病でこの若者は回復し、2人は結ばれた。しかし、この若者は故郷に妻と子供を残しており、ある日妻がこの地を訪れたことにより悲劇が起こる。巡礼の娘は、妻と子供の幸福を祈りこの熱湯の池に身を投げた。娘の心に打たれた妻も、後生を掛けて身を投じた。』
それ以来、この2つの池は「オナメ・モトメ」と呼ばれ、この地を「後生掛」と称するようになったのである。
写真:阿部 吾郎
地図を見るオナメ・モトメから、さらに少し登ったところに「紺屋地獄」がある。オナメ・モトメよりはずっと大きな池で、お湯の温度は94度だ。成分は、硫黄と硫化鉄・岩石の変質物。時折、沈殿物が蒸気とともに押し上げられてくる。染料で布を染めている状態に似ているところから、この名が付いた。
写真:阿部 吾郎
地図を見る紺屋地獄の先は、しばらく荒涼とした地熱地帯に設置された細い遊歩道が続く。上の写真の奥の方に見える蒸気が紺屋地獄、青い屋根の建物が後程ご紹介する売店だ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る遊歩道の周りには、このような「マッドポット」がたくさんある。絶えず、ボコボコと沈殿物や蒸気などを噴き上げている。岩の割れ目から高温の蒸気が噴き出しているような場所も見られる。マッドポットの温度は90度以上だ。絶対に遊歩道以外の場所を歩いてはいけない。間違って足を入れてしまうと大変なことになる。
写真:阿部 吾郎
地図を見る遊歩道をずっと進んだ先にあるのが、後生掛自然研究路最大の見どころのひとつである「大湯沼」だ。先ほどご紹介した紺屋地獄のような池がいくつも集まったものだ。写真の右手には、中洲のような場所があり、たくさんのマッドポットが見られる。この沼は、奥に向かって今も広がり続けている。
写真:阿部 吾郎
地図を見る大湯沼の中州に見られるマッドポット。たくさんの火山が集まった山脈のようにも見える。
写真:阿部 吾郎
地図を見る大湯沼の一番奥の部分。看板のフレームだけが残ったものが左奥に見えるのがわかるだろうか。実は、以前はこの沼を一周する遊歩道があったのだが、それを超えて沼がどんどん広がってしまい、今は通れなくなっている。蒸気が上がっている部分が現在活動が活発な場所だ。
写真:阿部 吾郎
地図を見る後生掛自然研究路の最後の見どころが、この「泥火山」だ。これは、湯沼式泥火山と言われるもので、大正6年ごろから成長し始めて、今に至っている。沼の底から沈殿物が蒸気と共に吹き上がり堆積した結果できたもので、日本で最大の湯沼式泥火山だ。噴き出す沈殿物の温度は94度。
写真:阿部 吾郎
地図を見るじっと見ていると、時折沈殿物が吹き上がるのが見える。小さな噴水のような、控えめな吹き出し方である。決して迫力がある光景ではないが、これが大正6年からずっと続いて、積もり積もってこの泥火山ができたのである。
写真:阿部 吾郎
地図を見る紺屋地獄のすぐ横に、後生掛自然研究路内で唯一の売店がある。ここで名物の「黒たまご」を購入できる。黒たまご以外にも、野菜やくだものなど、地元の産品も販売している。
写真:阿部 吾郎
地図を見る「黒たまご」と言えば、箱根の大涌谷を思い出す方も多いと思うが、後生掛にも黒たまごがある。ここの黒たまごは、かたゆでと半熟が選べる。この売店の他、後生掛温泉旅館でも販売されている。
後生掛温泉は人気の秘湯で本当にいい温泉だが、ここの魅力がそれだけではない、ということをおわかりいただけただろうか?
後生掛自然研究路は、1周約2キロ、ゆっくり周ると1時間程度のコースである。後生掛温泉旅館に宿泊するなら、ちょっと早めに到着し、お風呂に入る前の散策がおすすめだ。後生掛温泉は日帰り入浴も可能なので、自然研究路を散策し温泉に入る日帰りコースもいいだろう。
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(2024/4/18更新)
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