秋田県男鹿半島の思わず撮りたくなるフォトジェニックな見どころ5選

秋田県男鹿半島の思わず撮りたくなるフォトジェニックな見どころ5選

更新日:2017/06/16 16:33

阿部 吾郎のプロフィール写真 阿部 吾郎 フリーカメラマン、ライター、日本旅のペンクラブ会員、日本旅行写真家協会会員
ナマハゲ伝説で有名な秋田県の男鹿半島。温泉や海産物を中心としたグルメも魅力的だが、思わず写真に撮りたくなる風景が多い地域でもある。そこで、男鹿半島にあるフォトジェニックなビューポイントを5つ厳選して紹介しよう。

大潟村干拓地を一望できる寒風山

大潟村干拓地を一望できる寒風山

写真:阿部 吾郎

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寒風山は太古の火山活動によってできた標高355mの山で、男鹿半島の付け根の部分に位置する。それほど高い山ではないが、周囲が平地であるため眺めがよく、山頂には昭和39年にオープンした回転展望台がある。

大潟村干拓地を一望できる寒風山

写真:阿部 吾郎

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展望台からは大潟村干拓地が一望できる。八郎潟は、日本第2位の湖だったが、昭和32年から国の直轄事業として干拓工事が行われた。上の写真の右の方にあるのは日本海(男鹿半島の付け根のくびれている部分)、左の奥の方にかすかに見えているのが八郎潟残存湖である。干拓工事は852億円という巨額な費用と20年もの歳月をかけて完成した。干拓によってできた大潟村は、海抜0メートル地帯で総延長52kmの堤防で囲われている。

風になびくススキ、広大な平野と海、そして残存湖、単純に見て美しい風景だが、大潟村の成り立ちを知るとまた違ったものも見えてくる――いろいろな意味でフォトジェニックな風景だ。

大潟村干拓地を一望できる寒風山

写真:阿部 吾郎

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回転展望台から東側を見た風景が、先ほどの大潟村の写真なのだが、西側を見たのが上の写真だ。一見、何の変哲もない広場のようにも見えるが、周囲を丘に囲まれているのがわかるだろう。寒風山は小さな火山であり、これはその火口跡だ。

男鹿半島は、もともと火山地帯で、一ノ目潟、二ノ目潟といった爆裂火口にできた淡水湖や、爆裂火口に海水が浸入してできた戸賀湾などがある。

男鹿半島の最北端、観光の起点「入道崎」

男鹿半島の最北端、観光の起点「入道崎」

写真:阿部 吾郎

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男鹿半島の最北端に位置する「入道崎」、灯台の向こうには断崖、その先に水平線が広がる。一方、ここはお土産店や食堂が並び、男鹿半島を1周するドライブの起点ともなっている。なお、この入道崎灯台は「日本の灯台50選」に選ばれている。

男鹿半島の最北端、観光の起点「入道崎」

写真:阿部 吾郎

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入道崎は、北緯40度のライン上に位置しており、それを表すモニュメントが設置されている。なお、北緯40度は、ローマ、マドリード、北京、サンフランシスコ、ニューヨークなど、世界的に有名な都市があるラインとして知られている。

男鹿半島の最北端、観光の起点「入道崎」

写真:阿部 吾郎

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崖の向こうには、荒々しい日本海の海が広がっている。男鹿半島の最北端だけあって、海の向こうに陸地は全く見えない。この海のはるか先にはロシアのウラジオストクがある。

長い石段の先にある神秘的な5つの社「赤神神社五社堂」

長い石段の先にある神秘的な5つの社「赤神神社五社堂」

写真:阿部 吾郎

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入道崎から海沿いの道を車で30分ほど走った、男鹿半島の南西部にある「赤神神社五社堂」。鬼が築いたという伝説のある999段の石段を登りきらないと、五社堂を見ることはできない。自然の石を並べただけの石段で、石の形もバラバラ、段差も不揃いで非常に登りにくく、かなりの体力が必要だ。しかし、景観としては非常に趣があるので、風景を楽しみながらゆっくり登るのがお勧めだ。

長い石段の先にある神秘的な5つの社「赤神神社五社堂」

写真:阿部 吾郎

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石段を登りきると、この光景が目に入ってくる。向かって右側から、三の宮堂、客人権現堂、赤神権現堂、八王子堂、十禅師堂で、中央の赤神権現堂だけがやや大きく、これを中心に左右対称に並んでいる。山中に、同形式の社がこのように5棟並んでいるのは極めて珍しい。

上の写真でも、左右の端が少し欠けてしまっている。これ以上後ろにはさがれないので、完全に5つの社を写真に収めるには広角レンズが必要だ。

長い石段の先にある神秘的な5つの社「赤神神社五社堂」

写真:阿部 吾郎

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赤神とは、漢の武帝が神となって飛来したもので、赤神神社の起源は、平安時代の西暦860年にまで遡る。今の社殿は、秋田藩主の佐竹氏によって、江戸時代中期に建て替えられたものだ。赤神神社は男鹿半島の歴史の古さを物語っている。

テレビコマーシャルで話題になった「ゴジラ岩」

テレビコマーシャルで話題になった「ゴジラ岩」

写真:阿部 吾郎

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赤神神社五社堂から車ですぐの場所にある「塩瀬崎」。ゴツゴツとした岩場の一角に「ゴジラ岩」がある。

テレビコマーシャルで話題になった「ゴジラ岩」

写真:阿部 吾郎

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夕暮れ時、ゴジラの口の部分に夕日が来ると、ゴジラが火を噴いているように見えることで知られている。テレビコマーシャルに使われて一時話題になり、男鹿半島の新たな名所となっている。

テレビコマーシャルで話題になった「ゴジラ岩」

写真:阿部 吾郎

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塩瀬崎は、もともとこの「帆掛島」で有名である。帆掛け船の形に似ている事からその名が付いた、巨大な一枚岩である。秋田市内の海辺からもその姿が見える。

完成度が高い!男鹿半島の巨大なまはげ像

完成度が高い!男鹿半島の巨大なまはげ像

写真:阿部 吾郎

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最後は、男鹿半島内の3か所にある、完成度の高い巨大なまはげ像をご紹介しよう。どれも本当によく出来ているので、記念撮影スポットとして持って来いだ。

まず最初は、男鹿温泉郷の入口に立っているなまはげ像だ。「泣く子はいねーかー」という声が今にも聞こえてきそうなリアルな出来栄えだ。

完成度が高い!男鹿半島の巨大なまはげ像

写真:阿部 吾郎

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続いては、赤神神社やゴジラ岩のある男鹿半島南西部にある門前地区のなまはげ像だ。こちらは、なまはげというか赤鬼といった感じで、今にも襲い掛かって来そうな迫力がある。

完成度が高い!男鹿半島の巨大なまはげ像

写真:阿部 吾郎

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3つ目は、寒風山の南側、JR船越駅近くの男鹿総合観光案内所にある2体のなまはげ像だ。国道7号線を走る車をにらみつけるように立っており、ドライブ中に見てもインパクトが大きい。

地形的にも文化的に魅力的な男鹿半島

男鹿半島のフォトジェニックなスポットをまとめてみたが、いかがだっただろうか?男鹿半島は、かつて火山活動がさかんだったこともあり、地形的にユニークな場所が多く、これがフォトジェニックな景観が多い一つの理由となっている。また、赤神神社に代表されるように歴史が古く、なまはげを生み出した独特の文化があり、とても魅力的な場所となっている。

男鹿半島だけをゆっくり時間をかけて巡る機会は、地元の方でない限り、なかなかないと思う。しかし、ここまで述べてきたように、非常に魅力的な土地であり、食べ物もおいしいので、是非じっくり訪れていただきたいと思う。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/06 訪問

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