女人禁制の天下の奇祭!岩手・大原「水かけ祭り」は2月11日開催!

女人禁制の天下の奇祭!岩手・大原「水かけ祭り」は2月11日開催!

更新日:2016/12/07 16:07

彰 伴治のプロフィール写真 彰 伴治 温泉ソムリエマスター、平泉世界遺産ネット検定1級、三陸鉄道ネット検定1級、岩手おもてなしネット検定1級
岩手県では毎年1月から3月にかけて各地で裸男が蘇民袋を取りあう蘇民祭が行われますが、一関市大東町の大原地区で行われる裸男の祭りは他の祭りとは全く異なり「天下の奇祭」と呼ばれています。その祭り「水かけ祭り」は裸で走る男達に水をかけまくるというもの。そして走るのも水をかけるのも女性には許されていない男だけの祭りです。毎年2月11日に極寒のみちのくで開催される一関・大東大原「水かけ祭り」をご紹介します。

水かけ祭りの由来

水かけ祭りの由来

写真:彰 伴治

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毎年2月11日の建国記念の日に岩手県一関市大東町の大原地区で行われる「水かけ祭り」は、裸の男達が沿道で待ち構えた人達から容赦なく冷水を浴びせかけられながら「火防祈願」「無病息災」「家内安全」などを願って走る、江戸時代から続く伝統的な祭りです。

この祭りは明暦3年(1657年)旧正月の18日に江戸の町を焼き尽くすほどの大火事「明暦の大火」が起きた際、江戸幕府から全国に発せられた「火防令」を受けて、この地区の人々が大火の翌年から旧正月に町を流れる川で身を清め火防祈願したのが始まりとされています。

やがてその行事が、裸の男達を迫りくる炎に見立て水をかける防火演習と水で清めて厄を落とすという意味で、走り抜ける厄年の男達に水をかける祭りに発展しました。

そして現在では、厄年でない男達も所願成就の願いを込めて走る様になり、毎年全国から300名もの裸の男達が集まり、大原郵便局などがある商店街のさほど広くない通りを3万人以上の観客が埋め尽くすほどの規模となっています。

しかしこの祭りは「女人禁制」、女性は走ることも水をかけることも許されていません。それは、祭りのきっかけとなった明暦の大火が「振袖火事」と言われており、病死した娘の振袖を寺で焼いた火が燃え広がったのが原因とされているからです。

祭りは水かけだけではありません!

祭りは水かけだけではありません!

写真:彰 伴治

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祭りのメインイベントである水かけは午後3時にスタートしますが、当日は裸男が駆け抜ける大原商店街の通りを中心に、午前中から様々な伝統芸能などが披露されます。

午前9時に始まるこの祭りの開幕に花を添えるのは仮装した地元の男衆。襦袢を着て化粧をした男達が商店を回り、手踊りと呼ばれる独特な踊りを披露して商売繁盛を祈願します。

その後も、裸の男達が祈祷を受ける神社に奉納する大しめ縄の行進や、消防団のまとい振りにはしご乗り、地元の高校生による鹿踊りや太鼓などが途切れなく披露され、水かけが始まるまでの時間を持て余すことはありません。

八幡神社で厄払いと安全祈願

八幡神社で厄払いと安全祈願

写真:彰 伴治

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水かけ祭りを走る裸の男達は走る前に、大しめ縄が奉納されたばかりの地元の八幡神社で厄払いと安全祈願の祈祷を受けお札を頂きます。

その男達の背中には願い事や勤務先のPR、感謝の言葉などが書かれています。中には思わず吹き出してしまう様なことが書かれていて、どんなことが書かれているのか見るのも楽しみの一つです。

午後3時、いよいよスタート!

午後3時、いよいよスタート!

写真:彰 伴治

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午後3時、大原商店街に集結した裸の男達は、必死に制止する消防団が離れた瞬間に一斉に走り出します。同時に沿道からは容赦ない冷水が浴びせられ、水をかけられる男達は「痛い痛い」と言いつつ必死の形相で駆け抜ける者、笑顔で歓声を発する者、「もう無理」と言わんばかりに半べその者など、様々な表情で駆け抜けていきます。

また、水をかける方も普段は絶対にありえない"他人に思いっきり水をかける"快感に浸り、自分もずぶ濡れになっていることを忘れて盛り上がります。

走る距離は約500メートル。それを5区間に分けてスタート・ストップを繰り返すので、次の区間のスタート前に移動すれば5回最高の盛り上がりを楽しむことが出来ますよ。

水をかけるのは男性だったらどなたでもOK。手ぶらで行っても会場で桶を販売しているので購入して参加して下さい。桶には水かけ祭りの絵が描かれているのでお土産にもなります。

女性も見物はOK、決定的瞬間を撮影してみては?

女性も見物はOK、決定的瞬間を撮影してみては?

写真:彰 伴治

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女人禁制の水かけ祭りですが女性も見物はOKで、毎年たくさんの女性達が走る男達の応援に訪れます。また写真撮影ももちろんOK。毎年写真コンテストが行われるので決定的瞬間を撮影して応募されてみてはいかがでしょうか?

但し、このお祭りは観客もずぶ濡れ必至なので、防水のカメラか防水ケースでのカメラの水濡れ対策をお忘れなく。

一関・大東大原「水かけ祭り」は天下の奇祭!

いかがでしたか?
全国にはたくさんの裸男の祭りがありますが、極寒の季節に裸で走る男達に水をかけまくる祭りはこの「水かけ祭り」だけです。走るもよし、かけるもよし、観るもよし、参加すれば絶対に最高の盛り上がりが味わえる、一関・大東大原の「水かけ祭り」に是非いらしてみて下さい。

会場へのアクセスはJR一ノ関駅からレンタカー、または会場の最寄駅であるJR大船渡線の「摺沢(すりさわ)駅」からバスでの移動が便利です。バスの時刻については、関連MEMOに記載した「一関市・大東大原水かけ祭り(いちのせき観光NAVI)」に掲載されている水かけ祭りチラシ・リーフレットでご確認して頂くようお願いします。

また、水のかからない場所からも見物することは出来ますが、この祭りを最高に楽しむためには、沿道の水がかかる場所での見物が絶対お勧めです。お出かけの際はカッパやポンチョなどをご持参されることをお勧めします。なお、祭り中は傘は危険なので使用できませんので併せてご注意下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/11 訪問

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