写真:藤井 麻未
地図を見るシャウエンへは迷宮都市として有名なフェズの旧市街からバスで向かうのが最もポピュラーだ。フェズからは約4時間ほど。山道は時おり開け、遠くからでもうっすら青く色付いた不思議な街の全景を眺めることができる。
バス停からは住宅街の間をぬって急な坂道を登ってゆく。登り切ると新市街が広がり、この辺りは青一色ということはなく普通の街並である。新市街から旧市街へと続く門を潜ると、そこから先はいよいよ青だらけの世界が待っている。
まずは、シャウエンの代名詞ともいうべき青い風景をご覧頂こう。門を潜ると両側に土産物屋などが並ぶメインストリートが伸びているが道幅はそれほど広くない。しばらくすると更に細い路地が張り巡らされ行き止まりや袋小路、抜け道などが入り組んで、気の赴くままに彷徨ってみたい衝動に駆られる。
シャウエンの家々の壁は青く塗られているが、実は行き止まりとメインストリートでは塗られ方に違いがある。路地の先が行き止まりになっている場所は壁だけでなく地面も青く塗られていることが多い。したがって行き止まりやT字路を探せば、まさに上下左右青一色に囲まれた幻想的な世界に身を置くことができる。
写真:藤井 麻未
地図を見る青い路地が張り巡らされた坂道を登り切ると、カフェやレストランが並ぶ広場に辿りつく。ここに軒を連ねる店はどれも個性的で、周囲の青に見事に映えるカラフルな小物やアラビックなインテリアが非常に効果的に散りばめられている。
是非この辺りに並ぶカフェやレストランに入ってランチや休憩をとると良い。青一色の世界から一転して、ポップな色彩に溢れたシャウエンの新たな世界を味わうことができる。
写真:藤井 麻未
地図を見る広場に並ぶ店の中でもとりわけカラフルなのは、スパイスやキャンディー、石鹸や雑貨などを取りそろえた土産物屋だ。店の外観はもちろん内装のベースにも青を使っているのだが、店内の商品は見るも鮮やかな色彩に溢れ、一瞬にして視界が色でいっぱいになる。ベースの青が余計にこれらを引き立たせ、なんだか楽しい気分にさえさせてくれる。
写真:藤井 麻未
地図を見る広場から更に高台に向かって、また無数の路地が伸びている。ここでは行き止まりの路地裏に店を広げる土産屋の色彩が面白い。上述のように、行き止まりの場所は地面も壁も青く塗られているため余計に青色が強く感じられる。
シャウエンの青はどれも群青に近い目の覚めるような鮮やかな色をしている。そこに、この近辺が特産である革製品やカーペット、ストローハットなどの鮮やかなオレンジが非常に映えるのだ。
シャウエンの街を歩いていると、ただ単純に青いだけの街ではないということが分かる。家々のディテールに目を向けてみて欲しい。例えば窓。ちょっとした小窓の枠にも月と星のデザインがあしらわれていたり、鮮やかな青に木枠のオレンジ、そしてちらりと見えるカーテンのパープルは絶妙な色使いの組み合わせで、窓の桟のアラビックなデザインも素敵だ。
シャウエンの家々を丹念に観察してみると、こういった窓や玄関先の色使いを含めたデザインセンスが抜群だということに気付くだろう。
「青の街」として知られるモロッコ・シャウエンの街。もちろん、青一色に囲まれた世界に浸るということが一番の目的ではあるのだが、シャウエンの魅力はそれだけではい。鮮やかな青に囲まれた世界の中に、実は驚くほどカラフルな色彩が宿る。それは青を邪魔するのではなく、むしろその鮮やかさを一層引き立てているのだ。細かな家々のディテール、店のインテリアや小物遣いにも注目すれば街は更に素敵に映る。青の世界に隠されたもう一つの絶景を探しに、ぜひシャウエンを訪れてみてはいかがだろうか。
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(2024/4/27更新)
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