写真:藤 華酉
地図を見るヴュルツブルク(Wuerzburg)という舌を噛みそうな名前のこの町は、マイン川沿いにあります。フランクフルトから1時間程度、ミュンヘンのあるバイエルン州との境目にあり、新幹線が何本も通る交通の要となっています。立地の良さはケルト人の時代から好評であり、中世には司教座が置かれて栄えました。現在、ヴュルツブルクで見られる素晴らしい建築物の数々は、司教領主が建造させたものです。
戦後見事に復興された大聖堂はもちろん、世界遺産に登録されたレジデンツは大司教が暮らすための宮殿。マリエンベルクは大司教の富を守る為の城砦です。ちなみに、歴代の大司教の収入はワインの栽培と輸出で支えられておりました。マイン川の緩い渓谷は、ワインの栽培にピッタリの立地だったのです。
写真:藤 華酉
地図を見る大司教が普段暮らす為、18世紀に建造された宮殿が「レジデンツ」。南ドイツのバロックを代表する建築物として、世界遺産にも登録されています。
宮殿はコの字型をしており、目が眩む程の大きさ。薔薇の美しい庭園も広大です。見所は、入場して間もなくの「階段の間」。天井を含む壁一面に壁画が描かれており、じっと見ていると首を痛めてしまいそうな程です。内部は一部屋一部屋の装飾も見応えがある上、歴代大司教たちの財宝や衣類なども展示されています。「普段使い」にしては贅沢過ぎるレジデンツ、ヴュルツブルクの大司教達の権力が垣間見えるようです。
ユリウスシュピータルは400年以上の歴史を持つワイナリーです。ドイツで二番目に広いワイン畑を所有しており、ヴュルツブルクでは直営のレストランとバーでこの味を確かめる事が出来ます。ヴュルツブルク近郊のフランケン地方のワインは、フラスコのように独特の形をした平坦なワイン瓶を使用しており、お土産にもぴったりです。白ワインが得意ですが、辛口から甘口まで豊富な種類を揃えている為、試飲しての購入がオススメ。
また、レストラン「ユリウスシュピータル」の建物は400年前までは施療院として使われており、歴史の風格が観光客にも愛されています。ちなみに、「ユリウスシュピータル」の施療院としての歴史も終わっておらず、ワイナリーの前にある巨大な最新の病院は「ユリウスシュピータル」が経営しています。ドイツの白ワインは健康に良い…!?
写真:藤 華酉
地図を見るドイツには、「ビールの後にワインを呑むのは良いが、ワインの後にビールを呑むな」という諺があります。それでもドイツに来たならビールも呑みたいですね。美味しいビールには美しい眺めが最高のつまみ。少し足を伸ばして、「マリエンブルク要塞」を訪れるのはいかがでしょう。
「マリエンブルク要塞」は、「レジデンツ」が完成する18世紀まで、戦乱の中世の中で歴代司教達が暮らした城砦でした。城内部の「マインフランケン博物館」や「領主館博物館」はミュージアムの為有料ですが、見晴らしの良い「ベルクフリート塔」は無料。また、城内部のレストランはマイン川や町を見下ろす事の出来る絶景ポイントです。大きなバルコニーもありますので、晴れた日にはこちらでビールを呑みながら大司教気分で町を眺める事が出来ます。
ちなみに、ヴュルツブルクの大司教達の評判は市民の間では芳しくなく、しばしばマリエンブルク要塞を攻め立てるのは市民であったとか。それでも陥落しなかったのですから、大司教の権力は本物ですね。
ドイツ名物の一つである「お城ホテル(Schloss Hotel)」の唯一の欠点は、大体のお城が車が無ければ行けない僻地にある事です。ですが、ヴュルツブルクにある「シュロス シュタインブルク」なら、ヴュルツブルク中央駅からタクシーで15分程度と好立地。マリエンブルク要塞と同じく、町とワイン畑を見下ろす絶景が魅力の4つ星ホテルです。内装も豪華なシュロスシュタインブルクホテルに宿泊したなら、歴代大司教の気分が少し味わえるかも知れません。
ヴュルツブルクはドイツ、ロマンティク街道の起点ですが、ドイツでワインを生産しているのは丁度このヴュルツブルクの辺りまで。バイエルン州に踏み込めばビール一色の世界ですから、ここでワインを呑んで行かない手はありません。その上、歴代大司教の残した建造物は、ロマンティック街道の始まりにぴったりの華やかさ。ヴュルツブルク中央駅を乗換えだけで逃さずに、お楽しみ下さい。
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(2024/4/18更新)
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