富山・越中五箇山『合掌の宿庄七』で囲炉裏の温もりに癒される!

富山・越中五箇山『合掌の宿庄七』で囲炉裏の温もりに癒される!

更新日:2016/12/13 12:24

皆さん、合掌造りの家に泊まった経験はあるでしょうか?

ここ富山県南砺市の五箇山相倉では、今ではなかなか見る事が出来なくなった日本の原風景の中、里山の暮らしを体験できます。その五箇山相倉集落の中でも、特にお勧めの民宿が"合掌の宿庄七”。自分の田舎に帰って来たような安らぎを覚え、何とも言えない安心感に包まれて囲炉裏の縁で寛ぐ。素朴で優しいこの宿に是非訪れてみてはいかがでしょう。

五箇山相倉集落の全要

五箇山相倉集落の全要
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飛越地方(ひえつちほう:白川郷・五箇山)は、合掌造り住居が全国で最も多く残る地域で、大小合わせて現在100棟余り保存されています。世界遺産に指定されたことで一気に注目を浴び、海外からの旅行者も年々増加の一途。1年を通して非常な賑わいをみせる白川郷荻町、そして静かでゆったりとした時が流れる五箇山菅沼・相倉の集落は、何れもそれぞれ特徴があって素晴らしいエリアです。

今回特にご紹介したいのは、あのミシュラン・グリーンガイド・ジャポンから高い評価を得た五箇山の中で、最も北に位置し、現在20棟の合掌造りが残る美しい里山、相倉集落にある『合掌の宿庄七』。 

その前に、一度展望エリアに登ってみましょう。そこには素晴らしい風景が広がっていますから、心に強く残るはずです!

秘境と呼ばれる場所でも最近は、派手なライトアップで過剰な演出を行い観光化されている処もあります。しかしここ相倉集落は自然そのもので、夕刻になると優しく家々の明かりが灯り、コンパクトながら何処か懐かしい、そして落ち着ける日本の原風景が広がります。

合掌造り住居の誕生と生活!

合掌造り住居の誕生と生活!
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「合掌造り」とは、急傾斜の切妻造り・茅葺き民家のことです。1階は大工の手により造られ、屋根を構成する合掌部分は村人が自分達で造ったもの。合掌造りのほとんどの家屋は、江戸時代末期から明治時代に建てられ、木造でありながら非常に強靭な建築物になっています。中でも古いものは17世紀に遡るものも現存しているらしく、相当な強度を誇っていると言えるでしょう。

合掌造りは、この地の厳しい気候風土と生活様式に適しています。冬季は豪雪のため、屋外での作業はほとんど不可能。屋内で作業をするにはそれなりの作業スペースと居住スペースが必要になり、必然的にこの形になったとのことです。

優しくて懐かしい日本の原風景

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五箇山の先人たちは、昔ながらの自給自足の農耕と家内手工業を生活の糧として力を合わせ、助けあいながら生き続けて来ました。それは一たびこの集落に足を踏み入れ、集落の風景を眼にすると一目瞭然に伝わって来ます。

とても水田には向かない狭くて細長い地形。古くには流刑地にもなっていた陸の孤島五箇山。農耕と言えば、自給分のひえやあわの収穫が精一杯。そんな苦労に耐え続けながら、日々大きな囲炉裏を囲み、暖を取り疲れた身体を癒しながらの生活が今の世界文化遺産五箇山を作り、美しい日本の原風景が残った要因です。

五箇山合掌の宿 民宿庄七を勧めたい理由!

五箇山合掌の宿 民宿庄七を勧めたい理由!
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プライベートの空間を確保しながら、寛ぐ事が出来るのは一日二組と言うのが『庄七』店主の持論。築200年を経た合掌造りの民宿は高さ約11mの2階建て。1階の天井はとても高く、20畳ほどの囲炉裏がある部屋で食事が楽しめます。このスペースを占有出来る安心感が、ゆったりと寛げる要因なんですね。

囲炉裏で燻す岩魚は、芳ばしい香り。女将手製の漬物と山菜の優しい味覚を楽しみながらの、静かに時を過ごすのも至福のひと時でしょう。物が溢れた場所ではないため、自然の恵みを生かし知恵と工夫により営まれて来た文化。その話を肴に普段よりもお酒の進むのが早くなるかもしれませんよ!

翌朝は銀世界の散策!

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たいてい2月に泊まるとかなりの積雪です。雪のある集落を楽しみに行くので当然と言えば当然ですが。早朝にかけて集落内は一般の観光客は入って来れませんが、宿泊者はある程度(最低限の規制はあります)許されています。朝食までの時間、真っ白の世界をゆっくりと散策してみては、いかがでしょうか。

むすび

種田山頭火の故郷(扉の言葉)に近代人は故郷を失いつつあると書いています。でも、ここに来れば心の故郷はきっと取り戻すことが出来ます。自分には故郷がないと思われている方も是非、一度訪れてみて下さい。 

五箇山を訪れる観光客や居住者方々が心地よい時間を共有し、文化財を後世までずっと残すため、以下の事に協力を求めておられます。
1.田畑・軒下や私有地 プライベートスペースにむやみ立ち入らない。
2.草木を持ち去らない。
3.日没後から早朝にかけて立ち寄り、散策は遠慮する。
4.写真撮影などで他の方の通行を妨げない。
5.集落撮影などで他の方の迷惑になる行為は慎む。
6.集落内のマイカーの通行は禁止。

五箇山合掌造り集落は昭和45年に国の指定を受け、平成7年に世界文化遺産に登録されています。その間、先人たちの残した文化遺産を地元の方や関係者の方がしっかり維持管理され、今日憧れの遺産として私たち観光客が訪れることが出来るのだと思います。今一度注意しながら訪れたいですね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/08−2015/02/09 訪問

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