空中散歩気分で地図を学ぼう!つくば市「地図と測量の科学館」

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空中散歩気分で地図を学ぼう!つくば市「地図と測量の科学館」

空中散歩気分で地図を学ぼう!つくば市「地図と測量の科学館」

更新日:2017/03/22 15:02

やまと ふみよしのプロフィール写真 やまと ふみよし アクティブシニアの旅行ガイド

道路地図や、タウンマップ、観光ガイド地図など、日常の生活や旅行に欠かせないのが地図。日本国内の“全ての測量の基礎となる測量”を行っている国土地理院の本院が茨城県つくば市にあります。

敷地内に地図や測量に関する歴史や仕組みを展示する「地図と測量の科学館」があり、日本で初めて正確な日本地図を完成させた伊能忠敬の伊能図や、測量用航空機の測量データーを地図化する方法など本格的な展示内容を楽しく学べます。

開放感あふれる吹き抜けのエントランスホール!縮尺10万分1の日本列島を空中散歩

写真:やまと ふみよし

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エントランスホールの床には、縮尺10万分1の日本地図が貼られています。「日本列島空中散歩マップ」と名付けられたこの地図は、赤・青メガネをかけると立体的に見えます。

物を立体的に見ることが出来るのは、左右の目の距離の違いによります。空中散歩マップは、赤に映る画像と青に映る画像を合成して作られているため立体的に見えます。この原理は、航空写真から等高線を描くところでも使われています。

メガネで見える山の高さは、約10倍に強調されるので地形がはっきりと見え、航空機から日本を見ているようです。また吹き抜けのホールは解放感があり、大きな窓の向こうには、庭園のような野外展示場「地球広場」があります。

測量用航空機「くにかぜII」と写真を立体化する技術がわかる「暮らしに向かう」展示コーナー

写真:やまと ふみよし

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常設展示室は2階、入り口から“ワープトンネル”を抜けると大型スクリーンがある「映像ホール」があります。『地図と測量の科学館の紹介』『生きている地球』「アース・ア・ライブ』などのプログラムを選んでみることが出来ます。円形のホールには「暮らしに向かう」「情報に向かう」「地球に向かう」の3つの展示ホールへの入り口があります。

展示コーナー「暮らしに向かう」では、現役を退いた測量用航空機から切取ったコックピットと、航空写真を図化する図化機が展示されています。航空写真は60%程度重なるように撮影することで、地上が立体的に見え等高線を描くことが出来ます。展示されている「くにかぜII」は、昭和58年〜平成21年まで運行され、その航続距離は地球8周半に及びました。

現存する最古の地球儀「マルテイン・べハイムの地球儀」に「伊能図」と貴重な古地図が展示

写真:やまと ふみよし

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展示コーナー「情報に向かう」では、現存する最古の地球儀「マルテイン・べハイムの地球儀」が展示されています。地図には、ユーラシア、アフリカ大陸が大きく描かれ、1つの島国に書かれた日本はありますが、南北アメリカ大陸はありません。コロンブスが西回り航路により、“黄金の国ジパング”を目指したのは、この地球儀に従ったのではないでしょうか。

この他、元禄4年に作られた、「日本沿海山潮陸図」や、文政4年に作られた「大日本沿海興地全図<関東>(伊能図中図)」、伊能忠敬の測量機材や測量方法など、貴重な地図が展示されています。

展示コーナー「地球に向かう」では、“エジプトのパピルス地図”や“バビロニアの粘土版の地図”、“ヘレニズムの地球地図”から始まる「地図の通史」や、最新の測量機「GPS測量機」や経度、緯度、標高を測量する「トータルステーション」が展示されています。

宇宙船から地球を見る!つくば市を中心とした地球模型と、初代「くにかぜ」の「地球広場」

写真:やまと ふみよし

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1階には、空中散歩マップのほか、休息室と地図ショップがあります。ショップには、通常の地形図、地勢図の他に、高尾山や、大雪山、軽井沢などの立体地図や、展示室で展示されていた伊能中図(複製)や各地の復刻古地図などマニアックな地図も販売されているので、見ているだけでも楽しめます。

野外広場に出ると、つくば市を中心に半径2200キロメートルの範囲を切取った地球模型と、初代「くにかぜ」が展示されています。「くにかぜ」は、昭和35年から約22年間、主に2万5千分1地図整備のため、空中写真撮影と航空磁気観測を行い、昭和58年に現役を退きました。

地球の球体模型は、直径22メートル、高さ2メートルで模型から1.5メートルの位置で、地上高度300キロメートル上空から地球を見ていることになります。エントランスホールでは、航空機に乗っての空中散歩でしたが、こちらは、宇宙船に乗って地球を見ている感覚です。

「うるう秒」の観測もした「つくばVLBIアンテナ」その姿が見られるのもわずか!

写真:やまと ふみよし

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つくば市にある、直径32メートル、高さ27.5メートルもの巨大なパラボラアンテナの正体は、遠くの天体から届く電波で、地球の自転や、プレート運動などを観測する「VLBIアンテナ」です。VLBIとは、数十億光年離れた天体(クエーサー)から地球に降り注ぐ電波を観測し、数ミリメートルの誤差でアンテナの位置を測る技術です。

地球の自転を基に時間が決められていましたが、現在では科学技術の進歩により、「原子時計」を元に時刻が決められています。しかし、地球の自転は不規則なため原子時計と誤差が発生します。「つくばVLBIアンテナ」は、ドイツ、ハワイのVLBIアンテナと協力し、地球の自転を観測し、誤差調整の「うるう秒」決定に関与しました。

世界的にも重要な役割を果たしてきた「つくばVLBIアンテナ」ですが、平成26年、茨城県石岡市に次世代観測システム対応のVLBIアンテナの完成により、平成28年12月に運用を終了します。終了後は解体の予定なので、その姿がみられるのもわずかです。

入園料は無料!地図の歴史や空中散歩が楽しめる「地図と測量の科学館」

何気なく使っている「地図」の大切さが再確認できる貴重な施設、しかも、地図と測量の科学館の入館料は無料です。科学館に展示されている「地図の通史」によると、世界四大文明のメソポタミア文明や、エジプト文明、インダス文明に地図が存在していました。文明は、文字よりも先に地図を必要としていたのです。

茨城県つくば市には、数多くの科学館があります。様々な科学館を楽しく見学するために、土日祝日に「つくばサイエンスツアーバス」が運航されています。定額の乗車券で1日何度でも乗車ができます。

バスに乗って「地図と測量の科学館」を始め「つくばエキスポセンター」や「筑波宇宙センター」、「つくば実験植物園」と見学すれば楽しい1日になりますね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/03 訪問

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