写真:宮坂 大智
地図を見る柱状玄武岩とは、溶岩が固まるときに海水に冷やされて誕生する美しい六角形の柱状の玄武岩のことです。澎湖は花嶼という離島をのぞき、すべての島が溶岩から生まれたため、いたるところで柱状玄武岩を見られます。これほど多く、かつキレイな形の柱状玄武岩を見ることができるのは、とても珍しいことなんです。台湾は国連に加盟していないため、澎湖の柱状玄武岩は世界遺産に認定されていませんが、世界遺産に匹敵する価値があると科学者に認められています。
そんな澎湖の柱状玄武岩、ぜひ見たいと思いませんか? ですが、残念ながらほとんどの柱状玄武岩は船に乗らないと見ることができない場所にあります。陸から見ることができる柱状玄武岩もありますが、いまいち迫力にかけるものばかりです。そこで今回は、澎湖の数ある柱状玄武岩のなかでも気軽に見に行くことができ、かつ迫力のある「大果葉玄武岩」をご紹介します。この果葉玄武岩はそのほかの柱状玄武岩とちがい、陸地にあるので誰でも簡単に行くことができてオススメです。
写真:宮坂 大智
地図を見る澎湖の中心地である馬公本島から車でおよそ45分。当時はアジアで1番の長さを誇った「跨海大橋」を超えた先にある島「西嶼」に、今回ご紹介する大果葉玄武岩がそびえています。大果葉玄武岩の高さは8メートルで、長さは100メートルと十分なスケールがあります。じっくりと観察していると、上に向かって岩が細かくなっていき、最後は土になり木が生えているのを見ることができます。これを見ると玄武岩がどのように風化して行くのかがよく分かります。
向かって左側は窪地になっているため雨が降ると池になり、大果葉玄武岩を反射する美しい光景を生み出します。澎湖に住む人はかつて、玄武岩のことを「黒岩」と呼んでいましたが、大果葉玄武岩は黒というよりはベージュ色をしています。このため、その他の柱状玄武岩より明るく輝いているように感じ、より一層美しく映ります。周りには人工物はほとんどなく、視界の先には青い海。ここの風景は実に風光明媚で澎湖の自然を身体中で感じることができます。
写真:宮坂 大智
地図を見るところで、ほとんどの柱状玄武岩は海岸にあるのですが、なぜ大果葉玄武岩だけは陸地にあるのでしょうか。その秘密は、この柱状玄武岩がもともと露出した状態のものではなく、地面に埋まっていたものだという点にあります。
今でこそ、橋がかかりいつでも誰でも来られるようになった西嶼ですが、かつては船がなければ馬公本島と行き来することができませんでした。そこで、日本統治時代に西嶼に港を作るために土を掘ったところ、1,000年以上の間、土に埋もれていた大果葉玄武岩が発見されたのです。限られた条件でしか生まれない柱状玄武岩はまさに火山が作り出した芸術。そして、土に隠された後に、再び人々の目に留まるようになったとは運命の不思議さを感じずにはいられません。
写真:宮坂 大智
地図を見るさて、玄武岩は見るだけではなく身につけて楽しむこともできます。黒々とした玄武岩を磨くとピカピカになるので、澎湖のお土産屋さんでは玄武岩でできたアクセサリーをたくさん見ることができます。何も知らずに見ていると、ただの黒い石にしか見えませんが、こうやって実物の巨大な玄武岩を見るとロマンにあふれていて、なんだか欲しくなってきませんか? ただし、自然にある玄武岩を持ち帰ることは禁じられていますので、決して拾わないでくださいね。
今回は大果葉玄武岩をご紹介しましたが、柱状玄武岩は澎湖の様々な場所で見ることができます。船から見る柱状玄武岩に、まるで滝のような形をした玄武岩などなど。それぞれに特徴があるので、地質に興味のない方でも十分に楽しむことができますよ。もっと詳しく知りたい方は、小門嶼にある「小門地質博物館」も訪れてください。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/26更新)
- 広告 -