写真:SHIZUKO
地図を見る六甲山と一口に言っても、ご多聞に漏れず六甲山という山はありません。西は須磨から東は宝塚に繋がるおよそ56キロの山塊をまとめて六甲山と呼んでいます。その西の端にあるのが須磨アルプス。風化した花崗岩陵が連なる馬の背がアルプス登山気分にさせてくれる横尾山。この馬の背がメインのトレッキングルートで、年に2回開かれる、六甲全山縦走大会のスタート地点でもあります。
スタート地点の須磨は、古来より、源氏物語や万葉集などにも取り上げられてきた風光明媚な場所。海からすぐに山が立ち上がっているので、登るにつれて眼下に広がる海沿いの街が目を楽しませてくれます。神戸と淡路島を結ぶ、世界最長の吊り橋・明石海峡大橋の美しさにほれぼれ。各展望所から見る明石海峡の美しいこと。お天気が良ければ、関西空港から和歌山の方まで、ずーっと見渡せます。行く手にはこれから登る山、振り返れば海。海沿いの六甲山ならではのお楽しみです。
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地図を見る須磨浦公園ロープウエイの左側の道からスタートして、ロープウエイ終点の展望台を越え、鉢伏山・260メートル→旗振山・253メートル→鉄拐山・234メートル→おらが山(高倉山)427メートル→栂尾山・274メートルと縦走。ここまでの標準コースタイムは休憩を含めて2時間くらい。
ここまでの山道は、海風に強いウバメガシの林の中がほとんど。そして、いよいよ横尾山312メートルを超えると、岩場が姿を現してきます。さっきまで緑の木々に囲まれていたのに、どうしてここだけこんなに荒々しいのだろうと不思議な気分。
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地図を見るさあ、いよいよ須磨アルプスの難所に取り掛かるのですが、でもその前に、ある意味このコースの最大の難所があるのです。それは、おらが山から下るおよそ400段の急な鉄階段と栂尾山に登るコンクリートの長い階段。こちらもおよそ400段。これがなかなかの曲者です。
なぜこんな階段が登場するのかというと、おらが山(高倉山)を下ったところが高倉台という住宅地。1960年代、海と山に挟まれた神戸にとって土地開発が急務でした。「山、海へ行く」まちづくりと呼ばれた、山を削って海を埋め立てる手法で出来上がったのが高倉台。埋め立てられて出来上がったのがポートアイランド。
山を削ったため、急な斜面が出来上がり、そこを登るために急な階段が作られたのです。さあ、息を整え、ゆっくりと登って行きましょう。
写真:SHIZUKO
地図を見る難所の急階段を登り切り、栂尾山に到着したら、展望台でしばし休憩。お楽しみの馬の背はもうすぐ。お楽しみとはいえ、花崗岩は風化が激しく、丁寧に足を置かないと滑ります。また、強風の日や雨の日は滑って危ないので、行くのはあきらめましょう。滑らない靴を履いて、天候の条件が良ければGO!
危険個所には鎖がありますから、片手は鎖、片手は岩をつかんで慎重に。急な下りを降りて振り返ると、ここがさっきまで歩いていた緑豊かな道と繋がっているのが信じられない風景。かつて神戸槍と呼ばれ、須磨アルプスと命名されたことが納得の風景です。時間があれば、鞍部(一番低い場所)でゆっくりと岩々の風景を楽しんでいきましょう。息が整ったら、高い岩に向かって、また登り、もうしばらく続く須磨アルプスのハイライトをお楽しみください。
写真:SHIZUKO
地図を見る馬の背を過ぎると、あら、不思議。道はまた、樹林帯に入っていきます。登って下って登って東山253メートルに到着。ここからは馬の背全体が見渡せます。
休憩をどれくらいとるかにもよりますが、栂尾山から1時間。合計3時間弱の行程なので、朝出発すれば、ここでお昼ご飯という時間。展望はあまりよくないけど、広い頂上なのでゆっくりできます。東の方を見れば、全山縦走路の向こうに高取山が見えます。高取山には名物の茶店が多く、展望も抜群なので最初からプランに入れておくことも可能です。
そうでないときは、東山の分岐から板宿へ向かって下山開始。板宿には大きな商店街があり、帰りにふらっと知らないお店で休憩するのも楽しいですね。
整備されたハイキングロードを歩くのも楽しいですが、たまには、岩が露出した荒々しい地球を感じる場所もいいものです。日本アルプスの高い山々には、必ず岩稜帯があります。高度感もあり、難易度もかなりのもの。それゆえ、なかなか気軽に行くわけにもいかないもの。でも、須磨アルプスはプチアルプス。恐怖感なくしっかりとし登山気分を満足させてくれます。コースタイムは3時間弱。自分のペースで、余裕を持った計画を立て、楽しんでください。
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(2024/4/27更新)
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