樹齢800年大杉パワースポット!千葉・匝瑳市「松山神社」

樹齢800年大杉パワースポット!千葉・匝瑳市「松山神社」

更新日:2016/11/22 12:34

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
千葉県匝瑳市(そうさし)に鎮座する「松山神社」は、創建以来1200年余りに及ぶ歴史を刻む神社だ。当地方きっての名社であり、病気平癒や学業成就・合格祈願、交通安全など、様々な御神徳がある。大杉の御神木が、当社のパワースポットとして人気で、その漲る生命力に肖ろうと多くの人が訪れてくる。県内でも有数のパワースポットだ。御祭神は、イザナミノミコト、ホンダワケノミコトと、アメノコヤネノミコトの三柱である。

創建以来1200年余りの歴史ある神域へ

創建以来1200年余りの歴史ある神域へ

写真:井伊 たびを

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「松山神社」は、千葉県匝瑳市(そうさし)にある。創建以来1200年余り、悠久の歴史の流れの中に鎮座し、崇める人々の信仰心に呼応して、病気平癒や学業成就・合格祈願、交通安全など、さまざまな御神徳を授けている。

そもそもこの神社の起こりは、第51代平城天皇の御代、大同元年(806年)に、伊邪那美命(イザナミノミコト)を祀ったのが始まりとされている。伊邪那美命は国と神を生んだことから、延命長寿、病気平癒など身体面全般に御神徳がある。

また建久5年(1194年)には、誉田別命(ホンダワケノミコト)と、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)が合祀された。誉田別命は、「八幡様」でお馴染みの第15代応神天皇で、数多の軍事的な業績により開運武勇の神と崇められている。一方、天児屋根命は、祝詞、言霊、学問の神として信仰されている。

よく清掃された境内には、贅沢な静寂がある

よく清掃された境内には、贅沢な静寂がある

写真:井伊 たびを

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当社はかつて「松山大明神」とか「松山大権現」と崇め奉られていたが、明治に至り「松山神社」と改称された。旧社格は「指定村社」である。そもそも、「明神様」とは創建も古く由緒正しい神社に対し、中世以降授けられた称号であり、「権現号」も同じように神号のひとつである。

また当社は古くから武家の信仰も篤く、源頼朝は「御神領永楽30貫」を寄進し社殿改築を行い、徳川代々より「御朱印地10石」が寄進されている。当地方きっての名社である。

かつて、物部(もののべ)氏がこの地に進出し、坂上田村麻呂が蝦夷地を平定し、関東地方も平和な時代になった。その当時、この地は米が実り麻の茂る肥沃な所という意味で「さふさ」と呼ばれていた。現在の地名「匝瑳(そうさ)」は、その中心地だった。この地に鎮座する当社が、由緒正しいことの証でもある。

拝殿の素晴らしき彫り物にクギ付け!

拝殿の素晴らしき彫り物にクギ付け!

写真:井伊 たびを

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拝殿は石の間造(いしのまづくり)とも呼ばれる、権現造(ごんげんづくり)で、屋根は中央部が弓形で、左右両端が反りかえった曲線状の唐破風(からはふ)である。その軒下の彫刻は、神社のもつ荘厳さをより醸し出し、訪れる人々の称賛の的になっている。

神明造の本殿は、質素ながら荘厳だ

神明造の本殿は、質素ながら荘厳だ

写真:井伊 たびを

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本殿は、伊勢神宮で見る「神明造(しんめいづくり)」で、天に向かって伸びる「千木(ちぎ)と、「鰹木(かつおぎ)」が特長的である。また、拝殿と本殿の間の建物を「幣殿(へいでん)」と呼び、祝詞の奏上などが行われる。

つまり当社は、日本最古の神社建築の一つである「神明造」と、江戸時代初期に出現した比較的新しい神社建築である「権現造」が混在する社殿なのである。

樹齢800年の御神木はパワースポットとして人気

樹齢800年の御神木はパワースポットとして人気

写真:井伊 たびを

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社殿向かって右側に県内最大級の御神木がある。高さ約35m、根回り17m、目通り8.5m、推定樹齢800年の大杉。匝瑳市の有形文化財となっている。その根は10m離れたところからも確認でき、その漲る生命力に肖りたく、この御神木目当てに訪れる人も多い、県内でも有数のパワースポットである。

春季にも秋季にも大祭が行われる

毎年4月13日に行われる「春季大祭」は、稲穂の実りを祈るお祭りで、午後から「奉納神楽」が催される。それは、「下総十二神楽」と呼ばれ、優雅で荘厳、かつ地域色に富みユーモア溢れた演目で全12座。約3時間に亘って披露される。匝瑳市の「無形民俗文化財」に指定されている。

また、毎年10月13日に行われる「秋季大祭」は、その年の初穂が採れたことを神様に感謝する神事が行われる。その後、「神輿渡御」が行われる。その際、鳥居の近くで神輿の下をくぐると「無病息災が叶う!」といわれ、かがんだ人の列が続くとか。その後、神輿は「あんりゃあどした」というこの地域独特の掛け声で、街を勇壮に練り歩く。

やはり、年二回催されるこの「大祭」に訪れるのがベターだろうが、この静寂に抱かれる普段の日に訪れて願い事を深く祈念するのも、お勧めできる時の過ごし方だろう。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/06 訪問

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