スリランカの聖地!世界遺産キャンディの「仏歯寺」で仏教の歴史絵巻を見よう

スリランカの聖地!世界遺産キャンディの「仏歯寺」で仏教の歴史絵巻を見よう

更新日:2016/11/15 15:16

Kaycom Dのプロフィール写真 Kaycom D 秘境絶景トラベルライター
「仏歯寺」は、スリランカ中部の世界遺産キャンディにある代表的な仏教寺院。キャンディ湖のほとりに建つお寺の敷地は広大で、仏歯が祀られた本堂の他、シンハラ建築が美しい「八角堂」、象の剥製がある展示室など見所満載。象が仏歯を乗せて街を練り歩く「ペラヘラ祭」でも有名で、お祭りの期間中は各地からたくさんの観光客で賑わいます。スリランカの仏教と歴史がギュッと詰まったお寺をぜひ訪れてみてください。

シンハラ建築が美しい八角堂

シンハラ建築が美しい八角堂

写真:Kaycom D

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入り口でセキュリティチェックを受けて敷地内へ入ると、仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)の紹介としてよくガイドブックなどで見かける「八角堂」が現れます。真っ白な八角形をしたシンハラ建築の建物で、もともとは王の休憩所として建てられました。イギリスに支配されていた時期には留置所にされてしまいましたが、今では図書室となっています。

仏歯寺の中で一番古い本堂

仏歯寺の中で一番古い本堂

写真:Kaycom D

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本堂の脇で靴と帽子を脱ぎ、魚が泳ぐ堀を渡って中へ入ると、アーチ型をした天井に壁画が描かれた通路に出ます。「ペラヘラ祭」の様子が描かれているのですが、1998年に爆弾でこのあたりが破壊されたためこの絵は全部新しく描き直したもの。ペラヘラ祭とは、仏舎利を乗せた象が街の中を練り歩く祭事で、よく「象の祭り」と紹介されることがありますが、本来は「行列の祭り」という意味です。

壁画の通路から先へ行くと、象が通り抜けられるだけの高さがある色鮮やかなトンネルがあり、その向こうに、仏歯寺の中で一番古いお堂があります。お堂は二階建てになっていて、一階に象牙が飾られた祭壇があり、二階に仏歯が祀られています。お堂の壁や梁には素晴らしい彫刻や絵があるので、ぐるりと一周してみましょう。

仏歯が祀られた祭壇

仏歯が祀られた祭壇

写真:Kaycom D

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仏歯が祀られている二階への階段を上がっていくと、途中の踊り場に、仏塔や仏舎利を入れる入れ物、インドから仏歯が持ってこられたときの様子を描いた彫刻などが展示されています。

二階へ上がると一際立派な祭壇があり、たくさんの人が参拝をしています。ここに仏歯がおさめられていて、一日3回のプージャ(お祈り)の時に扉が開かれ、仏歯が入った金色の入れ物を見ることができます。プージャのタイミングにあわなくても、祭壇の脇に設置されたモニターでそのときの映像を鑑賞することが可能。

絵でわかる仏歯寺と仏教の歴史

絵でわかる仏歯寺と仏教の歴史

写真:Kaycom D

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二階の祭壇の出口から一階へ下りると、お堂の脇にたくさんの仏像が安置された建物があります。ここには、仏教や仏歯寺の歴史が描かれた絵がずらりと並んでいて、文化の違う外国人や子供たちにもその内容が理解しやすくなっています。

その中の「ペラヘラ祭」に関するいくつかの絵をご紹介しましょう。

10番の絵:仏教が廃れはじめたインドの王が、仏歯を持ってスリランカへ向かいます。スリランカの海岸で船から降り、スリランカの王の宮殿を探そうとしますが、インドから来ることを知ったスリランカの王が、アヌラーダプラ※から海岸まで出向き王を待っていました。仏歯の入れ物も持って行ったので、帰りはそれを象に乗せ、アヌラーダプラまで10日間かけ歩き満月の日に到着。それを記念したのがペラヘラ祭で、今でも満月の日を含む日程で行われています。

19番の絵:イギリスの植民地になった時、宗教的なお祭りが禁止され、ペラヘラ祭も行われなくなりました。しかし、禁止期間中の内2年間雨が降らず、そのせいで何人かのイギリス人が亡くなってしまいました。困ったイギリス人がスリランカ人に相談すると、ペラヘラ祭を開催するよう助言され、その通りにしたところやっと雨が降りみんな助かりました。その後は祭りを続け、自分たちも参加するようになったということです。

21番の絵:イギリス人は仏歯寺の責任をスリランカのお坊さんに戻しました。今では、仏歯を開けて見る鍵はスリランカの3人の責任者に任され、全員揃わないと開けられないようになっています。

※アヌラーダプラについては、関連MEMOに記載の別記事「スリランカ最古の都!世界遺産アヌラーダプラの歴史を辿る」をご覧ください。

ペラヘラ祭で活躍した象の展示室

ペラヘラ祭で活躍した象の展示室

写真:Kaycom D

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本堂から外に出て敷地の奥へ進んでいくと、集会所の先に展示室があります。この建物には、50回ものペラヘラ祭に参加したラージャという象の剥製の他、仏歯寺に関係する象の写真などが展示されています。その中の一枚に日本の恩人とも言うべきジャヤワルダナ氏が写っているものがあるのでぜひ見てみてください。

このジャヤワルダナ氏は、1951年に行われたサンフランシスコ講和会議で、敗戦国の日本に制裁を与えるべきだという議論が起こる中、「憎しみは憎しみで越えられない」という仏陀の言葉を用いて他国の代表を説得し、最終的に参加者たちの心を打ち日本の自由を守ってくれました。もし彼がいなければ、日本はソ連、アメリカ、中国、イギリスに分割され支配されていた可能性があるとされています。

最後に・・・

仏歯寺は、キャンディ※のみならずスリランカ全体の中でもぜひ訪れたい場所のひとつ。敷地はとても広く見所も多いので、時間に余裕をもって見学してください。周辺には、仏教博物館や国立博物館もあるのであわせてどうぞ。

入口のセキュリティチェックでは、あまりに露出の多い服装だと入場を断られる場合があるので、タンクトップや短パンなどで訪れるのは控えましょう。他の寺院でも同じなので、薄着で観光したい人は、ちょっと羽織れる上着や腰に巻ける大き目のストールを持ち歩いていると安心です。また、神聖な仏像に背を向けて写真を撮るのはタブーなので、撮影の際には気をつけましょう。

※キャンディについては、関連MEMOに記載の別記事「スリランカの古都!世界遺産キャンディと紅茶の産地ヌワラエリヤの見所紹介」をご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/01/25 訪問

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