イランに残るバベルの塔!?世界遺産「チョガ・ザンビール」

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イランに残るバベルの塔!?世界遺産「チョガ・ザンビール」

イランに残るバベルの塔!?世界遺産「チョガ・ザンビール」

更新日:2016/11/28 09:35

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師

イランの観光地と言うと、世界の半分と謳われたイスファハン、アケメネス朝ペルシアの都ペルセポリス、首都テヘランなどが先ず挙げられますが、5千年以上の長い歴史を持つイランには、それ以外にも多くの見所があります。

今回は古代エラム王国の時代に建設され、最も良い状態で残っている階段状ピラミッドであるジッグラト、世界遺産チョガ・ザンビールについてご紹介します。

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チョガ・ザンビール全景

チョガ・ザンビール全景

写真:大竹 進

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高原の多いイランにあって、チョガ・ザンビールはイラン南西部フーゼスターン州の低地にあり、イラク国境から100km足らずの場所に位置しています。

ジッグラトは古代メソポタミアで日干しレンガを用いて建てられた巨大な階段状のピラミッドで、「高い所」を意味する言葉ですが、旧約聖書の「創世記」に記されているバベルの塔は、バビロンにあったジッグラトが伝説化されたものと考えられています。

エラム王国は現在のイラン南西部を中心として、紀元前2700年頃には成立したと言われ、メソポタミアのバビロニアやアッシリアなどと長年争いながらも2000年以上も存続した王国です。

チョガ・ザンビールは紀元前1250年頃、エラム王国の宗教的中心地として建造された最大規模の遺跡で、ペルセポリスやイスファハンのイマーム広場と共に、1979年、イランで最初に世界遺産に登録されました。

チョガ・ザンビール 南東面

チョガ・ザンビール 南東面

写真:大竹 進

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現在のチョガ・ザンビールのジッグラトは一辺105m、高さ24.75mですが、建設当初は今の2倍を超える高さ約53mもあったと推定され、5層のジッグラトの最上部には神殿があったことが発掘調査の結果判明しています。
エジプトのピラミッドは各面が東西南北に向かっているのに対し、このジッグラトは面ではなく4隅が東西南北を指しています。

ジッグラトに近づくと、日干しレンガが整然と積み重ねられ、基壇の上の2段目、3段目の角もぴったり一致し、3000年以上前の建築技術の高さに驚かされます。
高層ビルなどが無かった古代、完成当時の威容はそれを目にした人々にどれほど強烈な衝撃を与えたことでしょうか!

チョガ・ザンビール 南西面

チョガ・ザンビール 南西面

写真:大竹 進

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ジッグラトの南西側は壁や階段がよく残っていて、その壮大さが実感できます。
前にある丸い台状のものは日時計と言われていますが、正確にはまだこれが何であったのか判明していないようです。

チョガ・ザンビールはジッグラトを中心に、寺院や貯蔵庫、住居、王家の墓、葬祭を行うための場所、貯水池など多くの施設を含む古代の宗教都市で、周囲を二重の城壁が取り囲んでいます。

1935年、油田調査の際偶然発見され、現在は遺跡保存のため内部には入れませんが、ジッグラトを一回りすると、建設当時の労働者のものと思われる粘土に残った足跡なども見られます。
こんな足跡を見ると、3000年の時を超えて遺跡がとても身近なもにに思えて来ます。

遺跡付近のモスク

遺跡付近のモスク

写真:大竹 進

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現在のイランはイスラム教徒の国ですが、チョガ・ザンビールが建設された頃、イスラム教はまだこの世に存在していませんでした。
チョガ・ザンビール遺跡の入口近くにあるこのモスクは、モスクと説明されないと、倉庫か何かと勘違いしてしまいそうな建物です。

モスクと聞くと、華麗なタイルに覆われたドームや、ミナレットが聳え、そこから礼拝への呼びかけを行うアザーンが聞こえて来るイメージがありますが、このモスクにミナレットは無く、タイル張りのドームもありません。

イランでも普通は何処でも一般的にイメージするモスクがありますが、チョガ・ザンビール遺跡の横にあるモスクは、葦や竹のようなものを使ったとても簡素な作りのモスクです。
しかし、外見は見慣れないものですが、内部は礼拝が行えるようにカーペットが敷かれ、通常のモスク内部と変わらない、静かな祈りの場です。

遺跡付近を移動するラクダ

遺跡付近を移動するラクダ

写真:大竹 進

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現在のチョガ・ザンビール周辺は半砂漠の乾燥したエリアで、遥か昔この地にこのように壮大なジッグラトが建設されたとは思えない、荒涼とした風景が広がっています。

かつてシルクロードを辿って東西交易が盛んに行われていた頃、多くの商品を携えて移動する隊商の重要な役割を果たし、砂漠の舟と言われたラクダは、イランでは現在でも羊や牛に次いで良く見かける動物です。

チョガ・ザンビール遺跡付近を移動するラクダは野生ではなく、近くに羊飼いならぬラクダ飼い?がいて、ラクダの群れが間違った所へ行ってしまわないように見守っています。

ラクダにはヒトコブラクダとフタコブラクダがいますが、約9割がヒトコブラクダで、中東地域に生息するヒトコブラクダで野生はおらず、全て家畜として生息しています。
子供のラクダを囲むように移動するラクダの親子には、ほのぼのとしたラクダの家族の優しさを感じます。

終わりに

チョガ・ザンビールという遺跡の名前を初めて聞かれた方が多いかと思いますが、チョガ・ザンビールのジッグラトは、現存するジッグラトでは最も保存状態の良いものであり、また観光的に訪れることが可能な数少ないジッグラトでもあります。

ピーテル・ブリューゲルを始め、多くの画家が「バベルの塔」を描いていますが、このバベルの塔は前述した通りかつてメソポタミアに存在した古代都市バビロンにあったジッグラトが伝説化されたものと考えられています。
バベルの塔は現存しませんが、それを彷彿とさせるチョガ・ザンビールのジッグラトの前に立って、あなたも古代のロマンに浸ってみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/23 訪問

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