写真:波奈 美月
地図を見る温泉街の中心に位置し、風情あるたたずまいをみせる「福地山 修禅寺」(ふくちざん しゅぜんじ)。鎌倉時代に北条氏が帰依し、北条氏・源氏の興亡を見守ってきたことで知られます。
周辺には、修善寺温泉の起源である"独鈷(とっこ)の湯"をはじめ、"竹林の小径"や"虹の郷"など見どころがたくさん!人気の観光地となっています。
写真:波奈 美月
地図を見る山門にある「金剛力士像」二体は、全国でもまれな藤原時代の作。像高は183cm、一木彫りで作者は不明ですが、一見の価値があります。
昔の修禅寺の寺領はとても広大!総門は、約2キロ離れた横瀬(修善寺駅近辺)にあり、「金剛力士像」はそこで寺を守護していました。ところが、明治初めごろに総門が無くなり、いつの頃からか、指月殿に安置されることに。
2014年に修禅寺の山門を改修、仁王堂が新設されることで、再び山門で寺を守護することになりました。
山門にはスロープがあり、境内と宝物館もバリアフリー構造です。車椅子のかたも見学ができるのでご安心を!
写真:波奈 美月
地図を見る山門をくぐって右前方に見えるのが「水屋」。鬼瓦や欄間に彫られた龍が見事です。
"桂谷霊泉 大師の湯"と呼ばれ、龍の口から流れ出るのは、なんと温泉!源泉かけ流しで、約60度とちょっと熱めです。手と口を清めるための御手水ですが、修禅寺の場合、その場で飲んでもOKですよ。
「水屋」のうしろには、"温泉分析書"や"温泉利用(飲用)にあたっての注意"が掲示されています。飲用の前に必ず一読しましょう。
写真:波奈 美月
地図を見る意外に気がつかないのが「お百度石」。山門を入ってすぐ左にある屋根付きの石柱です。"お百度参り"による願掛けは、こちらをくぐっては本堂に参拝することを百回繰り返して行います。
その背後にある「鐘楼堂」は、構造・石積が全国有数の美しさで必見!平素は立入禁止ですが、大晦日の夜は一般参拝者も「鐘楼堂」で除夜の鐘をつくことができますよ。(事前に寺務所で整理券をもらいます)
境内には10本ほどモミジがあり、秋になると赤く色づいて境内を美しく彩ります。山門・鐘楼堂・水屋のあたりが特に見事!
写真:波奈 美月
地図を見る本堂へ参拝する時、まず目に入るのが『修禅寺』の寺号額。その見事な筆は、"空海以来の書聖"とたたえられる書家・政治家の副島種臣(そえじま たねおみ)氏によるものです。明治21年(1888年)に寄進されました。
屋根に置かれている"唐獅子"と"龍"の鬼瓦も、一見の価値があります。2006年の大修復の際に新しく作られたものですが、思いきり逆立ちをしているような唐獅子の姿は参拝客に人気!以前の鬼瓦は宝物殿の前に飾られています。
写真:波奈 美月
地図を見るご本尊である「大日如来像」は、鎌倉時代初期(1210年)の大仏師・実慶作。高さ103cm・膝張り73cm、ほぼ等身大でヒノキの寄木造りの座像で、国指定重要文化財になっています。
1984年(昭和59年)、像内から錦の袋に入った髪束が発見され、NHKの『歴史ドキュメント 追跡・謎の黒髪 〜秘められた北条政子の素顔〜』で報道されて話題となりました。ご本尊は、毎年11月1日から10日間のみ宝物殿で一般公開されます。年に一度のチャンス、お見逃しなく!
「宝物殿」では、修禅寺の貴重な寺宝を拝観することができます(入館料300円)。岡本綺堂氏の『修禅寺物語』が創作されるきっかけとなった古面も収蔵されていますよ。
写真:波奈 美月
地図を見る修禅寺方丈の庭園は、1907年(明治40年)に皇太子時代の大正天皇がご覧になったとき、『東海第一の庭園である』と仰せられたほどの名園です。
1905年(明治38年)、小松宮彰仁親王(こまつのみやあきひとしんのう)の別邸を移築し、修禅寺の方丈・書院とした折りに造営されました。下賜された建物は老朽化のため、昭和の終わりに建て替えられましたが、庭園は当時の姿を残しています。
写真:波奈 美月
地図を見る小さいながら高低の変化に富んだ回遊式庭園で、鯉が泳ぐ池を中心に園内を一周しながら、さまざまな角度から庭園を眺めることができます。
2009年まで非公開でしたが、毎年11月下旬〜12月上旬、境内の紅葉が色づく頃に期間限定で公開されるようになりました。秋のひととき、慌ただしい日常を離れ、名園で癒しの時間を過されてはいかが?
公開時間は9〜16時。拝観には庭園保存協賛金200円(中学生以下無料)が必要になります。
併せて訪れたい修善寺の紅葉スポットについては、別記事で紹介しています。記事下の「この記事の関連MEMO」よりぜひご覧ください。
1200年以上の歴史を持つ修禅寺では、さまざまな年間行事・イベントが行われます。その時に合わせて修善寺を訪れるのも良いですね。一部ですがご紹介します。
● 湯汲み式
「春季弘法忌」(4月20〜21日)の21日に開催。弘法大師と温泉への感謝祭で、湯汲み娘30人ほどが"独鈷の湯"を桶に受け、僧侶や稚児達と共に街中を華やかにパレードして大師霊前に奉納します。
● 大祭・花火大会
「秋季弘法忌」(8月20〜21日)の21日に開催。伊豆で一番伝統ある夏祭です。
写真:波奈 美月
地図を見る● 頼家祭り
修禅寺に幽閉され、暗殺された鎌倉幕府二代将軍源頼家公の慰霊祭。命日である7月17日前後の休日に開催。頼家公主従に仮装する"源頼家公行列"も行われます。
● キャンドルナイトin修善寺温泉
毎年8月中下旬に開催。修禅寺境内がたくさんのキャンドルで照らし出され、幻想的な世界が広がります。ろうそくに願いを書いて灯すことができますよ。
まだまだ修禅寺にかかわる年間行事・イベントがたくさんあります。ご旅行の前に記事下の関連MEMO「福地山 修禅寺」・「伊豆市観光協会 修善寺支部」よりぜひご確認ください。
修禅寺を訪れたなら、ゆかりの場所も併せて巡りたいところ。弘法大師が湧出させたと伝わる「独鈷(とっこ)の湯」・寺の鎮守であった「日枝(ひえ)神社」・頼家公が襲撃された「筥(はこ)湯」は寺から徒歩3分以内。気軽に訪れることができますね。
寺の経堂「指月(しげつ)殿」までは、徒歩10分ほど。「修禅寺奥の院」(正覚院)は、修禅寺から5kmほど西にありますが、訪れる道中、気持ちの良い里山風景を楽しめるので、ハイキングコースとして人気がありますよ。
指月殿・日枝神社等については、別記事で紹介しています。記事下の「関連MEMO」よりぜひご覧ください。
伊豆でもっとも歴史がある修善寺温泉の中心にあり、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星に輝いた「福地山 修禅寺」。
それだけでも心惹かれますが、ちょっとした見どころを知っていればより深く堪能できますね。数多くの文人達を惹きつけ、『修禅寺物語』などの舞台となった名刹、ぜひ一度は訪れてその風情を楽しんでみてください。
<福地山 修禅寺 基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺964
電話番号:0558-72-0053
宝物殿 開館時間:8時30分〜16時(4〜9月は16時30分)
駐車場:最寄りの有料駐車場を利用。
アクセス:東海道線・新幹線で三島駅乗り換え−伊豆箱根鉄道(約32分)で終点修善寺駅下車。 修善寺駅からバス『修善寺温泉行き』で約10分、終点修善寺温泉駅下車。
2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
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(2024/3/28更新)
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