たらい舟を使った漁を磯ねぎ漁と言います。狭い入り組んだ海底をたらいの舟から身を乗り出して、箱メガネで覗きながらアワビやサザエそして海藻などの磯物を挟んだり引っ掛けたりして捕獲するには、たらいが一番効率が良かったのでしょう。
その後だんだんと洗濯用のたらいも進化を遂げ、現在の大きさになりました。
このたらい舟は一人からでも乗せてくれます。また雨の日でも雪の日でも、傘をさして乗れるから大丈夫です。そして乗船券?売り場には簡易レインコートも売っていますから、そちらを利用するのもよいかもしれません。
湾内の浅い海で漁をするのに適した小回りの利くたらい舟は、真冬の日本海の荒波の中でも安定しており、ひっくり返ることはありません。でも立ち上がって重心が高くなると、稀にひっくり返る以前に海中に落ちてしまうことがあります。しかしそんなことはごく稀で、通常はおんな船頭さんが乗っており指示に従えば問題はありません。
最大乗船人員?も3名までOK、スレンダーな人や子供なら4人乗っても大丈夫なようになっています。何しろ最大積載量?は500Kg、実験では11人が乗って沈まなかったといいますからぜひ安心して乗船ください。
ただし中の椅子は3名分しかありませんので、やはり定員は大人3名というところでしょうか。
あなたが船長の場合は、航海士であるおんな船頭さんに舟を漕がせ、悠々と周りを眺めていてください。普通の船と違い海面のすぐ近くに陣取ったあなたは、その迫力に感嘆するでしょう。
またおんな船頭さんを船長にして、あなたが櫓を持ち航海士になるのも楽しいものです。乗船したら漕ぎたい旨をおんな船頭さんに伝えてみて下さい。最初はうまく漕げないかもしれませんがコツを掴めばスイスイとみずすましの様に自由に動き回れます。
そして船長が認めてくれると、『たらい舟操縦士免許』(手数料200円)を発行してくれます。家に持ち帰って飾ってください。楽しい思い出になります。
昭和の30年代にはどこの家庭でも洗濯にはたらいを使っていました。そしてこのたらいが、夏になると、風呂になり子供たちのプールになったのです。その時は中に湯なり水なりを入れて人が中に入り、湯浴みをしたり涼をとったりして使っていましたが、たらい舟は観光用の大きなたらいを海に浮かべ、静かな小木湾で笑いながら楽しんでもらうのです。
実際に漁の時に使うたらい舟は、もっと小さく一人が乗れる大きさしかありません。入り組んだ海底の岩場に隠れているサザエやアワビは余程慣れないと岩と区別がつかず、採ることは難しいのです。海底を箱メガネで覗き、ヤスと呼ばれる道具でサザエを突き、ケイカギと呼ばれる漁具でアワビをひっかけて浮かし、タモ(網)で掬い取るのです。
そんなことを思いながら海中を覗いてみると、また一味違った楽しさになります。
ここでたらい舟を漕ぐコツをお教えしましょう。
たらい舟を漕ぐには、まず櫓をうまく操ることです。たらい舟の櫓が当たる部分にはゴムの櫓当たりが付いていますが、これは櫓を当てる部分ではなく、櫓が当たってもたらいが傷つかないように付いているものです。漕ぐときは櫓を押さえているロープを張った状態で左右に動かして下さい。そうするとたらい舟は前へ進みます。左へ曲がるときは櫓を左側に強めに押すのです。また右に曲がるときはその反対です。
どうぞ皆さんも佐渡のたらい舟を大いに楽しんでみて下さい。
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