小城羊羹だけではない!九州の小京都「佐賀県小城市」は歴史と文化の風が漂う城下町

小城羊羹だけではない!九州の小京都「佐賀県小城市」は歴史と文化の風が漂う城下町

更新日:2017/02/19 20:06

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門 一人旅ブロガー
佐賀県小城市は「羊羹のふるさと」と呼ばれ小城羊羹が名物ですが、古くから城下町として栄えた歴史と文化に包まれた町です。豊臣秀吉が腰掛けたと伝わる石がある須賀神社、静かな空間に五百羅漢が佇む祥光山星巌寺跡、そして市内から望む秀峰天山から湧き出る美味しい水を利用して辛口の日本酒を造る古い酒蔵が残っています。九州の小京都と呼ばれ歴史と文化に包まれた小城市を紹介します。

存在感のある153段の急な階段が印象的な「須賀神社」

存在感のある153段の急な階段が印象的な「須賀神社」

写真:肥後 球磨門

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佐賀県小城市にある須賀神社はJR九州唐津線の小城駅から北へ2kmほどのところにある祇園川を渡った先にあります。
須賀神社の創建は延歴22年(803年)と伝わり、正和5年(1316年)に当時小城の地頭職にあった千葉氏が城を構えたときに現在の場所に神社を建立しました。それ以来700年、小城の町を見守ってきた歴史ある神社です。

存在感のある153段の急な階段が印象的な「須賀神社」

写真:肥後 球磨門

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この神社の特徴は見上げるほど存在感のある急峻な階段です。本殿にたどり着くには鳥居と神門をくぐった後、急勾配の石段を153段上らないといけません。油断していると転びそうになるほどの石段なので、手摺にしっかりつかまって上りましょう。

存在感のある153段の急な階段が印象的な「須賀神社」

写真:肥後 球磨門

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須賀神社の石碑のそばに秀吉が腰掛けたと伝わる石が残っています。朝鮮出兵のときに小城に立ち寄りここで休憩しそうですが、秀吉も153段の石段を利用して須賀神社にお参りして疲れたので休憩したのでしょうか?
この石にちょっと腰掛けて当時の秀吉の様子を想像してみてみるのも面白いですね。

佐賀平野が一望できる「千葉城跡展望台」

佐賀平野が一望できる「千葉城跡展望台」

写真:肥後 球磨門

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須賀神社の本殿から右側の道を進むと見えてくるのが肥前千葉城の跡地に整備された「千葉公園」にある展望台です。
千葉城は元寇の際に下総国から警護のために九州にやってきた千葉氏によって築城された城です。現在は当時の建物などは何も残っていませんが、公園として東屋や展望台が整備されています。

佐賀平野が一望できる「千葉城跡展望台」

写真:肥後 球磨門

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展望台からは小城の町や広大な佐賀平野を大パノラマで見渡せる上に、晴れた日には遠く有明海も望むことができるおススメの場所です。
桜の名所で、夜間は小城の町の夜景も楽しめるので訪れてみてはいかがでしょうか。

展望台へ須賀神社の153段の階段を利用していく場合は本当に急な石段のため、足腰に自身のない方と高所恐怖症の方にはおススメできません。千葉城公園に駐車場が整備されているので自動車で行くことをおススメします。

歴史ある酒造で辛口の男酒はいかが?天山酒造

歴史ある酒造で辛口の男酒はいかが?天山酒造

写真:肥後 球磨門

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小城市には酒蔵や母屋が国の登録有形文化財に指定された酒造が2軒あり、写真はその一つの「天山酒造(てんざんしゅぞう)」です。天山酒造は須賀神社から祇園川を上流に向かって車で5分ほど進むと天山山脈を背景に見えてきます。 
明治8年(1875年)創業の酒造で、明治蔵・大正蔵・昭和蔵と3つの蔵を持っています。それぞれが国の有形登録文化財に指定されていて、今も現役で仕込みや貯蔵に使われています。

歴史ある酒造で辛口の男酒はいかが?天山酒造

写真:肥後 球磨門

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玄関やロビーは、酒樽のフタや底板がテーブルに、側面の板が腰壁に使用されるなど、昔の酒造りに使われた木材を再利用して新しく生まれ変わっています。特に腰壁には樽を金具で縛った痕がそのまま残っていてとても印象的で訪れる人の目を楽しませてくれます。

歴史ある酒造で辛口の男酒はいかが?天山酒造

写真:肥後 球磨門

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予約をすれば蔵見学ができ、見学の後は試飲もできます。天山中腹から湧き出す名水にこだわって造られる辛口の酒を味わってみてはいかがでしょうか。
ドライバーの方やお酒が苦手な方は酒造りに使用される名水を試飲できます。鉄分を含まない美味しい水で、水の味から美味しいお酒の味を想像しましょう。

仏様の話し声が聞こえてきそうな空間「五百羅漢」星巌寺跡

仏様の話し声が聞こえてきそうな空間「五百羅漢」星巌寺跡

写真:肥後 球磨門

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JR小城駅から車でおよそ10分、小城藩主鍋島家の菩提寺「祥光山星巌寺(じょうこうざんせいがんじ)跡」に到着します。貞享元年(1684年)に建立された寺で歴代藩主の位牌が報恩堂に安置され、寺跡の裏手にある霊所に墓石があります。
星巌寺跡の入り口にある楼門は嘉永5年(1852年)の建立で、佐賀県指定の重要文化財に指定されています。中国風になっているのは当時佐賀藩が長崎警固を勤めていたことで、中国文化の影響を受けたと考えられています。

仏様の話し声が聞こえてきそうな空間「五百羅漢」星巌寺跡

写真:肥後 球磨門

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楼門の奥に進むと江戸時代中期に作られたと推定される五百羅漢が並んでいます。楽しそうに笑っている顔や何か思い悩んでいるような顔、怒っている顔などいろいろな表情があり、誰かに似ている羅漢を見つけることが出来るかも。

仏様の話し声が聞こえてきそうな空間「五百羅漢」星巌寺跡

写真:肥後 球磨門

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豊かな表情の五百羅漢と対話をしてみませんか?
静寂の空間が広がる五百羅漢の前に佇んでみてください。仏さまの話し声が聞こえてきそうな不思議な場所です。

九州の小京都「小城市」で歴史と文化に触れ、美味しいお酒をいただきませんか?

佐賀県は九州の中でも銘酒が数多く造られている場所です。小城市も秀峰天山からの伏流水を利用し、佐賀平野で収穫された美味しい米を使った辛口の銘酒が造られています。伝統ある酒造を見学し美味しいお酒に舌を湿らせて見てはいかがでしょうか。
歴史ある神社に参拝し、静寂の中に佇む五百羅漢と対話できる歴史と文化の町、九州の小京都「小城市」を訪れてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/16 訪問

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