さて、この「東京舟運社会実験クルーズ2016」では3つのルートを設定し、それぞれテーマをもって社会実験を行っています。
ひとつは水上バスの在来線も多い浅草〜お台場間(両国経由)を延長し、お台場(有明)〜天空橋(羽田空港のすぐそば)まで設定したルート。これは思い切り観光利用をにらみ、空港利用者と観光拠点を結ぶ試みですね。
次に日本橋〜お台場(勝どき経由)のルート。在来線と異なり日本橋から北の浅草や両国といった観光地を省いた設定で、将来は通勤・通学の足を目指す試みです。
そして最後は天王洲〜勝どき〜日の出(外洋航路の玄関口です)を周遊するルート。在来線と異なりお台場ではなく天王洲に向かう設定で、外洋航路で来た観光客に東京湾を手軽に楽しんでもらう試みです。
この3つのコースのうち在来線の航路では遠くから見ることもできないのが、最初のルートの有明〜天空橋間です。実験期間中に優先順位をつけて乗るならココでしょう!なお、写真の天空橋の船着場(2012年に新築!)は京急線入り口の真裏にありアクセス抜群。オリンピック誘致やこのプロジェクトを見越していたんですかね〜。
全てのコースは往復運行(または周遊)していますので、発着点のどちらからも乗ることができます。とはいえ、浅草や両国、日本橋やお台場と違い「天空橋」は、あまり聞かない地名ですよね。空港を利用しない場合はあえて行く価値(またはここから乗る価値あるの?)という疑問の声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。
天空橋から徒歩約10分で御神砂と鳥居で有名な「穴守稲荷神社」があります!飛行機の時間の都合で舟の出発まで時間がある(または飛行機の出発までまだ時間がある)、なんて時もぜひ立ち寄りましょう。ちなみに、この神社はもともと羽田空港建設のために移設されたので近くにあるのは当たり前なんですが、大鳥居だけは神社の中ではなく、天空橋駅のそばにど〜んと立ってたりしますので、そちらも要チェックですね!電車やバスで空港を利用する場合は降りることの少ない場所ですが、こんな素敵なスポットが天空橋にはあるんですね。
またこの他、ヤマト運輸の物流拠点クロノゲートも天空橋にあります。無料で見学コースが設定されてますので、こちらもぜひどうぞ。
さて、このクルーズはあくまで社会実験。専用の舟などはなく、色々な舟会社が協力しあって、曜日やコースごとにそれぞれの舟で運行しています。そのため利用日によって舟や料金が変わってくるのです。
例えば筆者の場合は火曜日に天空橋〜有明〜浅草のコースを利用したのですが、ごらんの通りのおしゃれなスモールボートでした。これにガイドさんがつくので、まるでチャーターしたような気分です。
この他にもコースや曜日によっては外にでることのできるタイプの舟も運行しており、コースではなく乗りたい舟のタイプで選ぶのも良いかもしれませんね。
なお、日英バイリンガルのガイドさんは別途、電通系列の会社からプロが派遣されており、どの舟・コースを利用してもその質は担保されております。
今回紹介する天空橋〜お台場間はかなり独特の航路です。というのも、東京湾にほとんど出ないからです。あえて水運のための「京浜運河」を走るのです。
京浜運河からの風景は東京湾のお台場や天王洲アイルのような華やかな景色とはまるで別物。観光とはほど遠い、整備場や流通センター、卸売市場、巨大な火力発電所(写真)など東京を支えている「働く水辺」の姿を見せてくれます。京浜運河の通る大田区は都内最大の工場集積地を抱える工業のまち。高層ビルやおしゃれなストリートなどの東京のイメージとはまた違ったリアルな東京を舟から眺めましょう。在来線では見ることのできない風景です。
なおこういった工場など産業設備を見るのが好きな方は、天空橋から川崎方面にかけて工場の夜景クルーズなども運航されているので、要チェックです。
このコースはレインボーブリッジをくぐってお台場海浜公園の船着場や有明船着場(写真)を経由しますが、どちらの船着場も電車の駅が近く、ここから乗るのも、あるいはここから別の場所に行くのもとても楽な好立地です。
そしてもちろん、この二つの船着場から他の舟(あるいは船)に乗り換えることも可能です。例えば、社会実験コースのほとんどと重複して運行している在来線(東京水辺ラインやTOKYO CRUSE)に乗り換えても浅草に行けますし、浜離宮や日の出方面にも行けます。
ただし、その逆方面であるお台場と天空橋を結んでいるのは、この実験クルーズしかないので、実験中(2016年は12月中旬までを予定)に是が非でも乗っておきましょう。
「東京舟運社会実験クルーズ2016」はあくまで実験なので、必ず運航されるものではありません。また曜日によりコースが限定される、購入サイト(下部MEMOに公式サイトのリンクを貼っておきます)でのスケジュール確認がしづらい(誤字も多々あり)、予約後も船着場の場所は自分で調べておかねばならない、など正直に言って乗船まで「不便」な障壁が結構あります。
しかし料金は¥1500〜とリーズナブルですので、ぜひこの機会に実験に参加して、どんどんフィードバックを返し、新たな東京の水運の魅力を伝播していきましょう!
では気を付けていってらっしゃいませ〜
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