山形県・大沼の浮島〜国指定名勝の小島が浮遊する神秘の沼

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山形県・大沼の浮島〜国指定名勝の小島が浮遊する神秘の沼

山形県・大沼の浮島〜国指定名勝の小島が浮遊する神秘の沼

更新日:2016/11/10 11:10

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

大沼の浮島は山形県にある国指定の名勝地。最上川と東北のアルプスこと朝日岳に囲まれた、朝日町の観光スポットです。大沼は、浮島稲荷神社の神池で、1300余年もの間、守り伝えられてきた秘境。豊かな森林に囲まれた美しい沼には、祭壇が設けられた本島をはじめ、浮島が遊泳する、神秘の景観が広がっています。東北地方の名勝地から、美しい神秘の沼をご紹介します。

山形県の名勝地・大沼の浮島

写真:大木 幹郎

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大沼の浮島は、山形県の国指定の名勝地(大正14年に指定)で、朝日町を代表する観光スポット。豊かな植生の森林に囲まれ、湖面には複数の浮島が遊泳する、美しく神秘的な沼は、まさに秘境の名勝地です。湖畔にある周遊道は、南に位置する浮島稲荷神社を起点に続いており、一周約30分。四方から美しい沼を鑑賞できます。

大沼はその神秘的な景観から、古くから信仰されてきた神池で、1300余年もの昔に、修験者によって開かれたとされます。歴代の領主や徳川幕府から祈願所とされ、湖畔には浮島稲荷神社が建立。湖面に静かに遊泳する浮島は、その動静から吉凶が占われたといわれます。

写真は大沼の西側に位置する出島。浮島ではありませんが、神様が降臨しそうな雰囲気の、大沼を代表するフォトジェニックな景観です。この島は雨請壇とも呼ばれ、その昔、日照りが続くと雨乞いの祭壇が設けられ、祝詞を奉じると雨が降ったといわれます。

■大沼の浮島へのアクセス
路線バスの沿線でないため車が必要です。山形自動車道の寒河江スマートICから約30分。鉄道をご利用の場合は、最寄の左沢駅からタクシー、または周辺の観光も兼ねて、山形駅の駅前からレンタカーのご利用がお勧めです。

大沼と浮島稲荷神社の由緒

写真:大木 幹郎

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大沼は白鳳9年(680)、修験道の開祖と云われる役小角が発見し、同行していた弟子の覚道に、神池の守護を託したとされます。覚道は、湖畔に浮島稲荷神社の前身となる祠を建立し、大沼と神社の別当である大行院の開祖となったと伝えられます。

浮島の数は、奈良時代に僧の行基が訪れた頃には、60以上もあったと伝えられ、行基は、大小様々な浮島に、日本各地の国名を名付けたといいます。後に大沼の地は、歴代の領主や政権の祈願所となります。鎌倉時代には源頼朝、戦国時代には山形の武将である大江氏や最上氏、江戸時代には徳川家の祈願所となりました。古来より人々は、大沼に遊泳する浮島に、自身や国の将来を重ね、幸福を祈願してきたのです。

浮島稲荷神社の社殿脇には、最上氏から奉納された石灯籠や、修験道の祈祷所であった護摩壇が残され、往時の繁栄や信仰を窺い知ることができます。浮島稲荷神社の別当である大行院は、西の集落の中心にある社務所も兼ねた建物。立派な門構えの建物なので、見学をお勧めします。

大沼を一周する遊歩道の見所

写真:大木 幹郎

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大沼は、大きさが東西約200m、南北240mで、狐のような形をしています。見所の多い一周約30分の遊歩道から、お勧めの4地点をご紹介。遊歩道を一周して、大沼の何処かで遊ぶ浮島を探される際にご注目ください。

■鳥居杉と鳥鵲橋
ここは、浮島稲荷神社から下った先、大沼の南湖畔にある遊歩道の起点です。鳥居杉は、伴侶のように並び立つ2本の大杉で、大沼への門のような存在。その先の鳥鵲橋(かささぎばし)は、伝承では相愛の男女が共に渡れば、縁が結ばれると云われます。

■桟橋
東岸の中間地点にある広場には、湖面に伸びた桟橋があります。ここは、大沼を最も広く見渡せる場所。なお、桟橋より南の南西岸は、出島の見栄えが良い場所です。

■石灯籠の岬
西岸の岬の先まで遊歩道が続き、先端には石灯籠のある風雅な景観で、対岸は桟橋のある東岸です。なお、西岸一帯に茂る葦原は、浮島の元となっています。

■出島
大沼を代表する景観である神秘的な出島。出島のある南西岸は、特に原生林の雰囲気が濃い場所。遊歩道は出島の背後に接近することができます(上陸不可)。

浮島の仕組みと不思議な動き

写真:大木 幹郎

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写真は中央にある島は、大沼の北岸から見た葦原島。浮島のように見えますが、湖底に根付いた動かない島です。一方、葦原島の右に見える小さな島は、正真正銘の浮島。

大沼の浮島は、西岸一帯にあるヨシの群落が元となり、岸からヨシの地下茎や根が、固まりとなって分離して生まれるそうです。昔は、浮島の数は多いときで60余りもあったと伝えられますが、戦後の環境の変化によって、十数個に減少したといいます。

地元の方々の目撃情報から、浮島の不思議な動きについてのお話を少し。浮島は無風でも静かに遊泳し、その場でクルクルと回ったり、複数の島が一列に並ぶこともあったそうです。朝夕に活発に動くとされ、湧水の流れる出島の向って右側に集まるともいわれています。また、まったく動かないこともあり、風の強い日は岸辺に移動していることが多いそうです。

神事「島まつり」で生まれる新たな浮島

写真:大木 幹郎

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大沼で年に一度行われる神事に「島まつり」があります。この神事は、7月の第3日曜日に行われ、大沼の湖畔から新たな島を切り出すもの。新たな浮島には、浮島稲荷神社の宮司(大行院の当代)によって、その年の縁起のよい方位にある、旧国名が名付けられます。

写真は2014年に生まれた浮島の陸前之島。訪問時にはこの浮島の他に、2015年の越後之島、2016年の磐城之島の2島を確認。3つの浮島ともに、それぞれ異なる場所に遊泳していました。浮島は大沼の中央で遊泳したり、岸辺の何処かに寄っていることがあります。湖畔の遊歩道を一周して、複数の浮島を探してみてください。

山形県の秘境の名勝地へ出かけましょう

以上、大沼の浮島のご紹介でした。大沼は修験者に開山されて以来、1300余年もの間、守り伝えられてきた神域。豊かな森林に覆われた美しい大沼には、その動静で吉凶が占われたという浮島と、祭壇が設けられた本島が浮かぶ、神々しい景色が秘められています。

大沼の湖畔には遊歩道が整備されており、一周約30分で、四方から美しい大沼を鑑賞できます。遊歩道沿いの自然も、多くの大木やヨシの群落、豊かな植生の草木たちに囲まれ、見事なもの。湖畔の眺めと遊歩道沿いの自然を楽しみながら、大沼を一周し、何処かで遊ぶ浮島を探してみましょう。

美しい自然に囲まれた秘境の名勝地、大沼の浮島。最寄の高速道路の出口(※)から約30分、車から降りて徒歩約10分で出合える絶景。名勝地をお探しの方、山形県で観光される方、大沼の浮島へ出かけてみませんか(※山形自動車道・寒河江スマートIC)。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/21 訪問

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