写真:Hiroko Oji
地図を見る世界遺産の見所が満載するハンガリーの首都ブダペストから、郊外電車に乗ること約40分で、センテンドレ(Szentendre)の町へ行くことができます。
HEVと呼ばれる郊外電車は、緑と白の車体。ブダペスト地下鉄2号線のバッチャーニ広場駅 (地下駅) でHEVに乗り換えて北へ向かい、郊外の町センテンドレの駅まで、長閑な風景の中、小旅行が楽しめます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るブダペスト郊外のセンテンドレの町は、起伏の豊かなドナウ川西側一帯に広がります。
中心地は、中央に装飾が施された十字架を乗せた記念碑の建つフェー広場。広場に面して、センテンドレのシンボルともいわれるブラゴヴェシュテンス教会が建っています。この教会は、1754年にバロック様式で創建され、内部には必見のイコンと聖職者用の内陣があります。東側壁面にはセルビア様式のフレスコ画があるのですが、保存状態は極めて悪いです。
また、広場に面して可愛らしい家屋が建ち並び、テラス席を広げるレストランやお土産物屋が入っています。四方に石畳の通りが延び、通りの間から見えるのは丘の上の教会。プレーバーニア教会ともいわれるカトリック教会です(写真中央奥)。一時はオスマン・トルコの支配下にもあった中、唯一カトリック教会としての伝統を守ってきた教会で、現在みられる建物は、1751年にバロック様式に修復されたものです。特に説教壇は1760年から使用されている貴重なもの。丘の上に建っているので、ここからの眺めが素晴らしい!連なる赤い屋根の向こうにはドナウ川も見えています。
冬には、この辺りにクリスマスマーケットも登場し、いっそう賑やかな広場になります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこのセンテンドレには、1920年代になって若い芸術家たちが集まってきて、今では住民の10人に1人がアーティストだという町です。現在、15以上もの美術館や博物館、ギャラリーが建ち並んでいます。
駅から中心地に向かって歩いてくると、先ず目に入るのが、マジパン博物館。マジパンとは、砂糖とアーモンドを練り合わせて作られる食べ物で、粘土細工のような可愛いマジパン菓子の数々を見ることが出来ます。その他、レストランの地下にある、立派なワインセラーを持つワイン博物館や、センテンドレで最も古いフェレンツィ美術館、ハンガリーを代表する陶芸家コヴァーチ・マルギットの美術館、マチスやピカソとも親交のあったチョーベル・ベーラの美術館など、一つひとつ見ていったら時間が足りなくなるほど!たくさんの芸術家の作品を集めた美術館が犇めき合っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る美術館と同様、いくつもの教会が建ち並ぶセンテンドレの町。丘の上の教会そばに建つのは、時計塔のある赤い外観のセルビア正教会です。その隣にある、2階建てで八角形をした建物では、素晴らしい美術コレクションが見られます。
展示品のほとんどが18世紀のもので、極めて保存状態が良好です。キリスト像の絵においては、神を意味する赤い法衣のものと、人を示す青い法衣のものとがあります。オスマン・トルコの支配下にあった影響も心なしか感じられるイコンや聖杯、司教の法衣など、興味深い展示になっています。なお、この美術コレクションのチケットがないと、隣の教会には入れませんのでご注意ください。
写真:Hiroko Oji
地図を見るほんわかとした静かな石畳の路地が町全体に入り組むセンテンドレは、通りの両側に可愛らしいお店が建ち並んでいます。
ブティックや雑貨屋、カフェやレストランが建ち並ぶ町自体は、1時間も歩けば十分なほどこぢんまりした町並みです。お土産を探すにはもってこいのお店が多く、特によく目に入るのがカロチャ刺繍の入った製品。色鮮やかなカロチャ刺繍は、ハンガリーの伝統工芸の一つで、もともと庶民の日々の裁縫が伝統工芸として育っていったもの。民族衣装にも施されている刺繍ですが、テーブルクロスやハンカチ、パンケース、エプロンなどは、軽くてお土産にぴったりです。幾分ブダペストで買うよりお得な価格に、ついついお財布のひもが緩んでしまうのではないでしょうか。
また陶芸家も多い町らしい陶器の製品や、レースなどの手芸品、寄木細工、パプリカなどのお店も軒を並べています。日本語による看板も見つけると、親近感を覚えてしまう町です。
センテンドレは、町並みをぐるりと周るだけなら1時間もあれば十分なほど、可愛らしい町です。旧市街のレストランでゆっくりするのもいいし、お土産探しでウインドーショッピングを楽しむのもいいのですが、ブダペストから日帰りで訪問できる距離にあるので、時間的にも体力的にも余裕があれば、ちょっと足を延ばして野外民家園に行らっしゃるのをお薦めします。
旧市街から北西へ3キロメートルほどの所にある、マジャール人(かつてのハンガリー王国の主要民族だった人たち)の庶民文化を纏めて展示しているスポットです。300以上もの農家や民家、教会を移築して、6つの地方の村落として再現しています。なだらかな丘陵にある広大な敷地で、園内散策だけでもピクニック気分が味わえます。歩き疲れたり、歩くのはちょっと・・・という方は、敷地内を走る移動用のトロッコ列車を利用すると良いでしょう。
また、鉄道駅前にあるバスターミナルから出るバスで、ドナウベント地方にあるヴィシェグラードやエステルゴムなどの町を訪問するのも可能です。お時間があれば是非いらしてくださいね。
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(2024/3/29更新)
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