初華のある野町は、小さいながらも落ち着いて観光を楽しめる西茶屋街や忍者寺がある町。金沢の繁華街・片町からは徒歩10分〜15分の徒歩圏にあり、旅人には嬉しいアクセスの良い場所にあります。
便利なところにもかかわらず、一歩小道に入ると、昔ながらの静かな住宅街に由緒正しいお寺が共存する、独特の空気感があるエリアです。
その町にある、加賀藩時代に火除けのために造られた“六斗の広見”を抜け、織田信長の娘が加賀藩へ嫁入りする時通ったとされる旧鶴来街道に入って、2〜3分ほど歩いたところに初華があります。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る和紙を縒って仕立てられた真っ白な暖簾をくぐって初華の中に入ると、昔ながらの土間に古家具が並ぶサロンスペースが広がっています。初華は宿だけでなく、地元のアーティストや起業家、農家さんに開放して、様々なイベントを開催するコミュニティサロンとしても機能している、北陸で今話題の場所なんです。
「地元人、旅行者などという壁は取っ払って、いろんな人がここで繋がって欲しい。そしてまた新しい縁が生まれ育ち、花開く場所にしたい」という女主人・町家由美子さんの想いが詰まっています。宿名の初華も、花開くという所以から名付けられています。
築120年以上の町家「初華 uica」は、元紙屋跡ということから、毎月23日を“ふみの日”として、紙にまつわるイベントを開催。その他にも、こだわりの製法で丁寧に作られた地産のお米や野菜・加工品を集めた土間マルシェ、箏の演奏会、西洋磁器絵付けの体験レッスン、ヨガと花の瞑想など、楽しいイベントが行われています。
もちろん、宿泊者も参加できるので、宿の予約時にイベントが行われているか問い合わせてみてくださいね。初華でしか体験できない、レアな旅プランが組めると思いますよ。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る初華の2階は、宿泊者オンリーの完全プライベートな宿。3部屋ありますが、一日一組限定なので、もちろん3部屋全て貸し切りです。(宿一泊税抜¥25,000・繁忙期¥30,000/定員5名・6名以上応相談・追加料金制/2016年11月現在)
3部屋はそれぞれ名前がついています。
ベンガラ色の土壁が艶やかな“ふみの間”は、大きな窓から通り向かいの月照寺と美しい月が望める畳の和室。和紙照明の柔らかな灯りに包まれる“鶯の間”は、ベッドで眠れる板張りのお部屋。一番奥の“群青の間”は、高貴な部屋の象徴である碧の土壁と畳の和室。3部屋3様の個性を味わえます。
どの部屋を、どんな風に使うかは旅人次第ですから、もし連泊するなら、その日によって寝る部屋を変えてみるのも楽しいですよ!
この3部屋はいずれも前室によって、奥に長くつながる空間になっていて、いかにも町家らしいのです。さらに、このつながり部分には、もしかして忍者屋敷?と思う様な仕掛けがあって(泊まってからのお楽しみ!)、ちょっとワクワクします。この感じは、決してホテルでは味わえない、町家アミューズメントだと思います。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る1階はサニタリースペースで、ミニキッチン、シャワールームと洗面室、トイレがあります。
シャワールームと洗面室にも個性が光っています。特に女性がキュンとなるのは、タイル貼りのキッチュな色合い。きれいにリノベーションされて清潔そのものですが、宿泊者が町家の風情を堪能できるように昔の職人さんのレトロデザインをのこしているのも心憎いですね。
さらに、タイルと鉄釜で出来たネオ五右衛門風呂も面白い! 鑑賞用で使えないのですが、リノベーションの時に、お客様が見るだけでも、きっと楽しいだろうということで、その姿を残したそうです。
町家好きな人にとって、このサニタリースペースは、たまらない空間。時代をタイムスリップするような感覚を味わいながら、ゆっくり旅の疲れをとってくださいね。
初華の女主人・町家由美子さんは、とっても素敵な女性です。一組限定貸し切りスタイルという、かなりプライベートな宿でありながらも、どこか人の温もりを感じるのは、女主人の奥ゆかしく洗練されたもてなしがあるから。
部屋のあちらこちらに、楚々とした季節の花が生けられ、金澤由来の本や小物が目を楽しませてくれます。出される美味しいお茶やお菓子も、すべて金澤のお店で女主人のこだわりから選び抜かれたものです。
さらに、女主人はかなりの情報通。美味しいお店、新しいお店、地元人でしか知りえないレアな場所やイベントなど、聞けば親切に教えてくれます。ノープランで行って、初華で情報を仕入れてから観光に出掛けてもOK!
風情ある地に建ち、紙屋・文房具店・宿と看板を変えながら、120年以上も愛され続けてきた町家。
「いつの時代も暮らす人々と町を見守り共に開花し続けて来た、そんな場所だからこそ、訪れた方の次のステージを新しく華開かせてくれると信じて、初華を始めました。」とは、女主人の想いです。
静けさに身を沈め、自分の中のノスタルジアを見つめる大人の旅時間を過ごしたいなら、今すぐこの宿に行くべし。大切な人と泊まったら、いつもは言えない心の声をサラリと言えるような、かなりセンシティブな旅情に浸れるとおもいます。
この宿に泊まったなら、金沢の冬旅は、きっと特別なものになるでしょう。ぜひ一度、「初華uica」郷愁トリップの魔法にかかってみてくださいね!
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/27更新)
- 広告 -