石川県七尾市のはずれ、能登地域にも属する崎山半島の山奥に湯川温泉はあります。平家落人伝説も伝わるこの地域にはかつて共同浴場も存在していましたが、現在は一軒宿の「龍王閣」のみがひっそりと営業しています。そのロケーションから能登一番の秘湯とも呼ばれています。
龍王閣では地下600メートルから湧く温泉を掛け流しで利用しており、能登唯一の「自噴泉掛け流し」を味わえる場所でもあります。また「日本温泉遺産」にも選ばれている温泉です。
遠方からわざわざこの湯を求めてくる宿泊者も多く、特にアットホームな雰囲気が人気となっています。日帰り入浴も受け入れており、朝8時半から21時まで一人500円で利用できます。
「龍王閣」のお風呂は男女別にそれぞれ一カ所ずつあります。そのどちらでも敷地内から毎分71.2リットルの勢いで自噴している源泉を堪能することができます。4.5人でいっぱいになる小さめの浴槽ですが、その分新鮮なお湯に入ることができますよ。
じつはこの温泉、成分が大変濃く、湯の花が大量に発生してパイプなどが詰まるため、泣く泣くろ過装置を使用しているんです。なんとも贅沢な悩み!しかし塩素消毒や加水などはせずに掛け流しで使用しているため、その質の良さはキープされています。
ライオンの湯口から投入され続けている温泉は「ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉」で、舐めるとかなりの塩苦味がします。わずかですがアブラのような香りもしています。ろ過されているとは思えないほど茶色の湯の花も浮かんでおり、改めてその成分の濃さが伝わる温泉です。
また北陸地方ではかなり珍しいラドンを有する温泉にもなっています。基準には満たないため「放射能泉」にはなっていませんが、放射能泉と同じく体内の免疫力を高め、ガン進行の抑制に効果があるとされています。
他にも塩化物泉のため切り傷や擦り傷によく効き、保湿効果にも優れているなどその効能はたいへん豊かです。
さて温泉も個性的ですごいのですが、脱衣場もかなり個性的なものになっているんです。内湯へと続くドアのすぐ隣にガラスケースの中に明らかな異様なものがあります。
これは宿の方が集めた鍾乳石らしく、この展示によってかなり異質な空間が出来上がっています。せっかくなので鑑賞してから帰ってみてください。
宿は山奥にありますが、15分ほど行けば海沿いの集落に出ることができます。飲食店などもない小さな漁村ですが、とても雰囲気がよく、ついぼーっと海を眺めてしまいます。
そしてよく晴れた日には海越しに立山連峰の景色を見ることができるんです!海越しに3000メートル級の山々が見える景色は世界的に見てもかなり珍しく、まさにこの地方にしかない宝となっています。
龍王閣から車で30分の場所には、能登地方最大の温泉地・和倉温泉があります。秘湯情緒が香る龍王閣とは異なり、観光地的な要素が強くあるので、ぜひこちらにも足を運んでみてください!
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