まるで日本三大庭園!山口・大正ロマン薫る毛利氏庭園で歴史散歩

まるで日本三大庭園!山口・大正ロマン薫る毛利氏庭園で歴史散歩

更新日:2017/02/16 13:31

山口県防府市の防府天満宮の東に位置する毛利邸は、大正時代の武家勢力を現代に伝える重要文化財です。邸内の庭園にはひょうたん池が大きく広がり、人工の島々に太鼓橋が架かります。四季折々の景色を見せる毛利氏庭園は、日本三大庭園にも負けず劣らずの風格を漂わせます。日本庭園の風情と大正時代の屋敷を歩いて楽しみましょう♪

もみじの道を抜けた先にある庭園カフェで一服♪

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なだらかな坂道になった松並木の路を抜けて、総ケヤキ造りの表門をくぐると、左手にサツキ並木、右手に川のせせらぎが聞こえてくるもみじ並木が、観光客を出迎えます。右手に見えてくる大きな石橋を渡ると、野趣に富んだもみじの道があり、秋にはこの一帯は毛利氏邸の中で一番広い紅葉の撮影ポイントになります。(紅葉のシーズン:11月中旬〜12月初旬)

もみじの道を進んでいくと、本館、庭園、博物館、ミュージアムショップがある広場が見えてきます。ミュージアムショップに併設された「茶防舞衣」は落ち着いたの雰囲気の甘味所で、よもぎ餅やケーキ、トーストなどの軽食メニューが楽しめます。予約で一品ずつの詰め合わせが可愛い「殿重」「姫重」のお重弁当が注文できます。毛利家の家紋が入ったお重箱は記念にお持ち帰りOKです。

毛利家屈指のお宝! 国宝4展、重要文化財9点、有形文化財10点、他

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本館の一部を利用した毛利氏博物館では、毛利家に伝来する約2万点の収蔵品が保管され、秋の特別展では毛利家選りすぐりの収蔵品が展示されます。見所は国宝に指定された4点と、「三本の矢」の伝説のもととなった毛利元就直筆の「三子教訓状」で、それぞれの歴史を現代に伝えています。

●雪舟が四季のうつろいを描いた全長15.92mの画巻「絵本墨画淡彩四季山水図」
●鎌倉時代の菊の意匠がある腰刀「菊造腰刀 刀身無銘 伝当麻」
●紀貫之 筆とされる古今和歌集の写本「絵本墨書 古今和歌集巻第八」
●中国の初代皇帝の死後から次の皇帝が立つまでを記述した歴史写本「史記呂后本紀第九」

約2400坪のひょうたん池で色とりどりの錦鯉が遊泳!

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毛利氏庭園は、三大庭園が作られた江戸時代から時代は下り、大正5年に完成した明治・大正期の日本庭園です。広さ約2541坪の庭園を大きく占めるのが、約2400坪のひょうたん池で、紅白や大正三色などの色鮮やかな錦鯉が遊泳しています。石橋で渡してある築山に設けられた東屋で、ゆったりと日本庭園の趣を楽しんでみてはいかがでしょうか。

部屋数60!! 明治・大正の雰囲気漂う毛利氏邸本館を歩く

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毛利氏邸本館は、明治から大正にかけて建築された二階建て御殿造です。近代和風建築の粋がつくされた本館の用材には、当時最良とされた台湾のケヤキ、神代スギ、黒部スギが、それぞれ床板、仕切り戸、天井に使われています。広さ約1210坪の館内の畳の数は780枚、館内外には各部屋に調和した3つの平庭があり、見る人を楽しませる造りになっています。本館は写真撮影可能です。

自家発電で生活していた?! 大正時代の省エネ住宅とは?

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文明開化から約40年、毛利氏邸が建設された時代は西洋のものが流行していました。毛利氏邸本館でも随所に西洋建築の影響が見られ、各部屋にインターフォン、二階に続く階段にシャンデリア、浴室にシャワー設備があり、これらに使われる電力はすべて自家発電でまかなわれました。

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四季で楽しむ毛利氏庭園

標高225メートル、九州の国東半島まで展望する毛利氏庭園は、春は桜、夏はサツキとハナショウブ、秋はもみじ、冬は梅が開花します。毛利氏博物館に収蔵される2万点の美術工芸品や古文書類は定期的に入れ替わり、毛利家の歴史のみならず、武家権力の動きを伝えています。防府天満宮を訪れた際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/11/12−2016/12/10 訪問

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