スオメリンナ島は、フィンランドの首都ヘルシンキにある6つの小さな島に築かれた海防要塞です。冒頭でも述べたようにユネスコ世界文化遺産に指定されており、観光客はもちろんのこと、地元のヘルシンキっ子たちの間でも、美しい自然を堪能できる憩いのスポットとしてとても人気があります。
要塞が出来た当初はスヴェアボリ(スウェーデンの要塞)という名称でしたが、1918年に自国愛を示すためにスオメンリンナ(スオミ *フィンランドの城塞)と改称されました。スウェーデンとフィンランドの複雑な因縁関係は後ほど説明するとしましょう。
フィンランドはスウェーデンとロシアという大国に挟まれており歴史的にとても厳しい環境下でした。
まず1155年に、フィンランドは西隣のスウェーデンに占領され、1809年までもの長い間、スウェーデンの統治下におかれていました。スオメリンナの要塞が築かれた経緯は、1748年にスウェーデン=フィンランドがロシア帝国の攻撃からの防衛目的からです。スオメリンナ島の要塞自体に加えて、ロシア帝国がヘルシンキ本土の臨海要塞群を足がかりに前進拠点になるための砦を築けないようにする役割も担っていたというわけです。後の1808年5月3日にはこのスオメリンナ要塞はロシア軍についに占領されてしまい、1809年からフィンランドの独立までの1917年という年月をロシア軍に占領されるまでに至ってしまいます。
1973年にはスオメリンナ要塞は民政下に置かれ、1991年に世界文化遺産に登録されました。
スオメリンナと改名された現在、スオメリンナの要塞はフィンランド人にとって誇り高き美しい島。夏になれば、ヘルシンキっ子は白夜を利用して遅くまで皆でここで集っています。家族同士のピクニックの場でもあり、お散歩の場であり、ティーネージャーたちの集いの場でもあり、パーティーの場でもあるんですよ。色白で白に近い黄金色をした髪の子供たちが元気に駆け回る姿を見ているといかにも北欧の国、フィンランドらしさを感じるでしょう。
春の新緑、夏の深緑も大変美しいですが、真冬の雪深いこのスオメリンナの要塞もなんとも魅力的です。雪深い中のを一歩一歩を踏みしめながらの散歩は雪国育ちではない人たちには神秘そのもので感動を呼ぶでしょう。冷え切った体を温めるために売店でホットチョコレートをほっと一息つきながら飲むのは北国ならではの有り難みです。皆さんも真冬に会えて行ってみるのはいかがでしょうか。雪に埋もれて楽しそうに遊ぶ子供の姿なども時折見かけ、なんとも愛おしいですよ。
帰りは、日没がとても美しい時間帯を狙うのがオススメです!赤く染まる空を背景にねずみ色に浮き出されるヘルシンキ本土の姿が絵が実に美しいのです。きっとヘルシンキを訪れたという心のお土産になること間違いなしです。
スオメリンナ島は海と緑に囲まれた自然豊かなとても美しい星の形を取った星形要塞の島です。所々で過酷な過去の姿を垣間見ますが、フィンランドが踏んできた歴史の奇跡としてその様子を体感することもできるでしょう。スオメリンナ要塞についてより深く知りたい方は、スオメリンナ博物館も島にあるので、是非訪問してみて下さい。
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