撫でると願いが叶う如意宝珠!?山口「宝珠湯の宿 枕水」(長門湯本温泉)

撫でると願いが叶う如意宝珠!?山口「宝珠湯の宿 枕水」(長門湯本温泉)

更新日:2016/11/09 14:15

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
山口県長門市の音信川と大寧寺川のほとりに、旅館やホテル、歴史ある2軒の共同浴場が立ち並ぶのが長門湯本温泉です。「湯本温泉」の赤いネオンが煌く公衆浴場は「恩湯(おんとう)」と呼ばれ、地元の方で朝から晩まで賑わう温泉。歴史あるこの温泉街で最も古い宿が今回ご紹介の「枕水」。創業当初は恩湯の隣にありましたが、現在では湯本大橋の脇に建っています。長門湯本駅からもその姿が望める老舗旅館で、ほっこり温泉旅を!

湯本大橋に隣接する宝珠湯の宿「枕水」

湯本大橋に隣接する宝珠湯の宿「枕水」

写真:村井 マヤ

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長門湯本温泉は音信(おとずれ)川にいくつもの橋が架かり、その両端に旅館が並ぶ、昔ながらの温泉街。橋のたもとには川に沿って遊歩道が巡らされています。立ち寄り湯ができる旅館も多く、遊歩道を歩きながら散策もできる理想的な温泉地です。

そんな風情たっぷりの長門湯本温泉に最も早くに創業されたのが今回ご紹介の宝珠湯の宿「枕水」です。長門湯本温泉の開湯が応永34(1427)年で最初に「礼湯(れいとう)」ができました。この「礼湯」は現在は恩湯と同じ公衆浴場です。そして「枕水」が宿としてスタートしたのが天保2(1831)年のこと。それ以前は、造り酒屋を営んでいましたが、7代目吉兵衛氏の時代に温泉宿へ。江戸時代創業ということもあって、著名な方も宿泊されている歴史を感じさせる宿なんです。

野口雨情の書もあるロビーは広く清潔感溢れる空間

野口雨情の書もあるロビーは広く清潔感溢れる空間

写真:村井 マヤ

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「枕水」のロビーは3階にあります。以前は1階にロビーがありましたが、「湯本大橋」が架橋されたことによって、3階に移されました。温泉街を歩く際には、1階の出入口から川沿いの道へ出ることができますので、エレベーターで1階まで降りてくださいね。

ロビーに入るとほのぼのとした気さくな雰囲気です。抹茶でおもてなしを受けて、お部屋へと案内されます。ロビーにはさりげなく日本三大童謡詩人と称される「七つの子」「シャボン玉」で知られる野口雨情の直筆の詩が掛けてあったりと、著名な文化人が訪れたことを伺わせます。また「枕水」という屋号も、長州藩士周布政之助の甥にあたる杉孫七郎子爵(1835-1920/長州藩士)が宿泊した際に音信川のせせらぎが聞こえてきたことから「枕水」と名付けたとか。

ちなみに、初めて「枕水」へ自動車で行く際には、駐車場入り口が少し分かりにくく狭いので、事前に聞いておかれると慌てずに済みますよ。

音信(おとずれ)川のせせらぎが聞こえるお部屋

音信(おとずれ)川のせせらぎが聞こえるお部屋

写真:村井 マヤ

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「枕水」の客室は全32室(和室28室、和洋室5室)で、浴衣、歯ブラシ・歯磨き粉・フェイスタオル・ひげそり、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、ブラシ、石けん、スリッパ完備。アイロンや加湿器、ドライヤーもあります。もちろん、冷暖房完備、テレビ、全室ウォシュレット付きトイレとなっています。

写真は和室8畳の和室ですが、広々しており窓からは音信川、温泉街近くを走り抜ける列車も見ることができます。また四季折々の風景も楽しめますよ。

「千珠の湯」「神泉の湯」という趣の違う2つの浴場を楽しむ!

「千珠の湯」「神泉の湯」という趣の違う2つの浴場を楽しむ!

写真:村井 マヤ

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宝珠湯の宿「枕水」の自慢はなんといっても温泉です。趣の違う2つの大浴場は、どちらも甲乙つけがたい魅力的な浴場です。1階に「神泉の湯」、2階に「千珠の湯」があり、時間によって入れ替わります。
どちらも入浴したければ、チェックインしてから20時半までに最初の入浴を済ませましょう。20時半から21時まで清掃の時間となっています。21時からはまた浴場が替わりますので、2度目の入浴を楽しんで!実は21時から0時半までと翌朝5時半から12時までの浴場は同じなので、20時半以降は共同湯などに出かけても良いですよね。そして翌朝入浴すれば2つの大浴場を制覇できます。

さて写真は、「神泉の湯」の大浴場。照明の左下に大きな玉が見えますでしょうか?それはこの宿自慢の「如意宝珠(にょいほうじゅ)」です。「枕水」先代の水津百合雄氏がお客様への感謝の気持ちと交通安全を願って秋芳の友人に作ってもらったもので、秋芳の古代層の大理石でできています。かなり大きな玉ですが、願いを込めて玉をなでるとその願いが叶うと言われています。古代のパワーがあるのでしょうか・・。
「千珠の湯」では、高野槙の大きな桶の露天風呂が有名です。どちらの大浴場も広々としていて、少し低めの湯温で長湯に適しています。pH9.66という高さでトロッとした感触!いつまでも湯に浸かっていたくなるまったりとした湯触り。またこの湯の素晴らしい点は、湯上りの爽快感なのです。カーッと熱くなるわけではなく、ほんわかと温かくふんわり包まれた気持ちよさ。また肌がスベスベになり、しっとりとした感触も素晴らしい。

ちなみに公衆浴場「恩湯」は23時まで入浴可能ですので、温泉街をぶらぶらしても楽しいですよ。

夕食も自慢の「枕水」では予算に合わせた夕食メニューも

夕食も自慢の「枕水」では予算に合わせた夕食メニューも

写真:村井 マヤ

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旅先での食事は楽しみの1つですよね。でも、旅館やホテルの夕食メニューはすごく量が多くて食べきれないって方も。そんなときには、まずは素泊まりプランにしてみてはいかがでしょうか。でも周辺にどんなお店があるか不安だから直前になって夕食をつけたいことってありませんか?「枕水」では、そんな時でも安心。
夕食も3000円(税別)から5000円のランクで設定できます。また朝食も1000円(税別)で後からつけることも可能。写真は3000円の夕食ですが、これに揚げ物と茶碗蒸しにデザートなどがついてきますので、かなりのボリューム。旬のものや地元の食材を丁寧に調理されているのもおススメポイント。
また、朝食もお米がかなり美味しいので、朝から食欲旺盛になりそうです。そんな時には、朝の温泉街散歩をおススメします。

素敵な思いやりにお肌も心も柔らかく

「枕水」は建物も古くてかなりの年季の入った宿です。また自然豊かな温泉街で、高級感はありませんが、宿のあちらこちらに小さな思いやりにあふれたどこか優しい気持ちになれる宿。
そんな小さな思いやりの一つに、ビジネスマンに嬉しい靴下洗濯サービスがあります。洗ってほしい方はドアに靴下を入れた袋をかけておくというもの。なかなか細やかなサービスですよね。そんな思いやりにあふれた素敵な宿「枕水」では、お肌だけではなく心もほぐれる、そんな温泉旅行が味わえますよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/26−2016/10/27 訪問

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