庄内映画村資料館は鶴岡市の史跡「松ヶ岡開墾場」の中にあります。ここは明治維新ののち、庄内藩の藩士たちが刀を鍬に持ち替えてわずか58日という期間でおよそ100ヘクタールもの土地を開墾したという場所です。そこに10棟の大蚕室を建て、養蚕業で街の復興に尽力しました。
現在の松ヶ岡開墾場には5棟の蚕室が残されており、当時の様子を伝える記念館や農具館として活用されています。庄内映画村資料館が入るのは5番蚕室と呼ばれている建物になります。
資料館に入るとまず出迎えてくれるのが大きな御所車。貸衣装やカツラ、小道具が用意されているので時代劇気分で記念撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。また読書コーナーには映画の台本をはじめ、原作小説やプレスシートなど、さまざま書籍が置いており自由に閲覧することができます。
ほかに京都の太秦撮影所で実際に使用されていた撮影機材をはじめ、映写機やカメラなどの貴重な機器も展示されています。また鶴岡市で撮影された映像作品のポスターやグッズなども多数展示。なかでも目を引くのは棺桶!じつはこれ、アカデミー賞外国語映画賞に輝いた、庄内ロケ作品『おくりびと』の撮影に使われたものなのです。ちなみにこの棺桶、なんと中に入れちゃうんですよ!
2階部分のハイライトは、なんと言っても映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』の平家のアジト「赤の宿坊」セットです。実際にここで撮影が行われ、そのセットがそのまま残されて公開されています。平家側キャストの佐藤浩市さんや堺雅人さんなどがここであの台詞を言って、あんな風に演技していたのか……と思うと、ファンにとってはたまらない場所でしょう。
ほかに映画『おしん』で、おしんが俊作に助けられて一冬を過ごした山小屋内部のセットも移設公開されており、映画の世界をそのままリアルに体感できます。
館内には映像作品を鑑賞できるミニシアターが2つあります。1階のシアターでは映画のプロモーション映像や特別ダイジェスト版などを放映。2階では「ニュース映画で振り返る昭和のニッポン!」と題して、映画館で本編上映前にかかっていた懐かしのニュース映像を、週替わりで年代を変えて楽しめるようになっています。2階のミニシアターはかつての映画館の券売窓口が再現され、レトロ感たっぷりに仕上がっています。
障子の向こうに人影が映ったり、天井裏にあやしいくせ者が隠れていたりと遊び心たっぷりの演出があちこちに仕掛けられているので、展示作品以外の部分もお見逃しなく!
なお資料館のある場所は雪が多く降るため、冬期間は原則として事前予約が必要となりますのでご注意ください。28年度の冬期予約見学期間は、2016年12月1日(木)から2017年3月17日(金)までです。3月18日(土)からは通常営業が始まり、新しい企画展も予定されていますのでお楽しみに!
詳しくはホームページでご確認ください。
山形県鶴岡市「庄内映画村資料館」へはJR鶴岡駅から車で約20分、山形道鶴岡IC、日本海東北道鶴岡西ICからは約25分、山形道庄内あさひICからは約20分となっております。
松ヶ岡開墾場は国の史跡に指定されており、5棟の日本最大級の大蚕室や、開墾の事業の本陣となった建物など、名建築が好きな人にとっても魅力ある施設です。
また車で20数分の鶴岡市内には「スタジオセディック庄内オープンセット」があり『おくりびと』に登場した「鶴の湯」や、『蝉しぐれ』の文四郎の家をはじめ、数々の映画やドラマのロケに使われた現場を見ることができます。ぜひこちらもあわせてお楽しみください。
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(2024/4/20更新)
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