写真:島塚 渓
地図を見る真っ白な砂浜と美しい海岸線が続く「稲佐の浜(いなさのはま)」。ここは日本のなぎさ100選にも選ばれている景勝地であり、神話の舞台にもなっている海岸です。旧暦10月になると全国の神さまが海路で出雲にやってきて、人々の縁を決める大会議を行います。その際の上陸地点となっているのが、この「稲佐の浜」なんです。
現在でもその伝説は「神迎え神事」として受け継がれ、旧暦10月10日の夜(平成28年は11月9日になります)、浜にかがり火をたいて神さまをお迎えします。普段は人の気配もまばらな「稲佐の浜」ですが、その日は多くの観光客に見守られ、神事が執り行われます。派手な盛り上がりはありませんが、日本人として1度は見ておきたい厳かな雰囲気の祭祀になっています。
写真:島塚 渓
地図を見る稲佐の浜は神さまたちが集まる場所であると同時に「国譲り神話」の舞台にもなっています。国譲り神話とは、地上を統治していた大国主命(おおくにぬしのみこと)が、神々の住む高天原(たかまがはら)からの使者を稲佐の浜で迎え、最終的に国を譲り渡す決定をした出来事を指します。
稲佐の浜から歩いて5分ほどのところにある「屏風岩(びょうぶいわ)」はその話し合いが行われた場所。この岩を背にして、高天原から派遣された武甕槌神(たけみかづちのかみ)と大国主命が国譲りの論議をしたと伝えられています。現在は付近が民家となっているため奥には入れませんが、「屏風岩」を外から眺めることができます。
写真:島塚 渓
地図を見る稲佐の浜を見渡したときに、一際目立つ大きな岩が「弁天島」。かつては海のなかにあったため、その名のとおり“島”という呼称がピッタリでした。実際に昭和40年ごろまでは、臨時で架けた木橋を使ってでしか弁天島に渡れなかったそうです。
ところが潮流の変化や川の環境の変化により、だんだん島の周りに砂がたまるようになり、今では浜と陸続きになっています。周囲の環境は以前とは違いますが、その美しさは昔と変わらないので、ぜひ1度ご覧になってください!
写真:島塚 渓
地図を見る稲佐の浜のすぐ近くにあるのが「上宮(かみのみや)」と呼ばれる出雲大社の末社。ここには「神議り(かみはかり)」という神さまたちの会議が行われる重要な場所です。日本中の神々が集まり、男女の縁結びをはじめ、多くの縁を結ぶ話し合いをするという伝説の舞台になっています。あまり観光客が訪れることのないひっそりとしたスポットですが、出雲大社の拝殿といっしょに参拝することができるので、ぜひ足を運んでみてください!
稲佐の浜は出雲大社から徒歩で約15分の距離なので、ぜひ一緒にお参りしてほしいスポットです。神在月(平成28年は11月半ば頃)にかけて出雲大社周辺では、いろいろな神事がとり行われるので、ぜひ足を運んでみてください。きっと日本という国の奥深さに触れることができるはずです。
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(2024/4/25更新)
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