写真:浅井 みら野
地図を見るそもそも「ルヌガンガ(Lunuganga)」はどこにあるのでしょうか?コロンボから車で約1時間半南に下ると、美しいビーチとヤシの木が広がるベントータ地域に到着します。しかし、ルヌガンガがあるのはビーチとは逆の内陸側。入り口は緑の木々で生い茂り、看板もなく門が閉ざされていて、隠れ家的な印象です。あまりにもひっそりとした雰囲気で、現地でも知らない方がいるほど。
入り口には鐘があり、鳴らすとスタッフの方が扉を開けにやって来ます。ツアー受付の場所まで坂を上り、準備が整った時点でスタッフ1名による案内がスタート。ほとんどの建物はホテルとして使用されてますので内部は見られません。唯一生前に使っていたオフィスは外から内装を見ることができます。代わりに周囲を囲む広大な庭がツアーのメインです。庭といえどバワのアイデアやこだわりが至るところに残されているため、面白い話が聞けますよ。
写真:浅井 みら野
地図を見るバワの建築の特徴は、周辺にある自然を大切にし、自然と一体感が感じられるような建物の造りになっています。屋根のすぐ近くに立つジャックフルーツの木も、幹が傷つかないよう屋根に工夫がされていますね。
東京ドーム2個分の広大な敷地には竹やぶやコクタンなど多くの植物が見られます。もともとゴムの木のプランテーション跡地をバワが買い取ったため、ゴムの木も多く残されています。他にも水をろ過する木が井戸のすぐ横に立っているなど、植物の特徴を把握した上で庭園が設計されています。
写真:浅井 みら野
地図を見る自然の魅力を最大限生かそうとしたバワは、同時に自然が最も美しく見える時間を把握していた人とも言えます。その証拠となるエピソードが“鐘”について。オフィスのすぐ目の前に設置された森の中にあるテーブルセット。こちらはバワ専用の昼食場所でした。時間になるとイスに座り、近くにある鐘を鳴らしたといいます。その鐘の音が昼食の合図となり、従業員が昼食を運んできました。
面白いことにそういった鐘は、入り口含め30ヵ所以上設けられ、それぞれ違う音が出ます。庭にはバワが作った夕方専用のベンチがあり、そこにも鐘が。鐘を鳴らして頼んだ紅茶を飲みながら夕日を眺めるなど、自然がもたらす絶景を丁寧に楽しんでいたようです。
写真:浅井 みら野
地図を見るツアーは毎日9時から16時まで行われていますが、おすすめは夕暮れ時。ルヌガンガの目の前にはデダワ湖が広がり、夕方の優しい光が辺りをのんびりと包み込みます。水が穏やかに岸を打つ音が聞こえれば、遠くで鳥のさえずり、木の葉の揺れる音が聞こえてくるなど、自然が奏でる優しい重奏に耳を傾けたくなる気持ちにさせてくれます。
庭園は英国式庭園としてデザインされているため、数々の彫刻品も庭に置かれています。そのなかにはバワ自身の彫刻もありますので、訪れた際はぜひ見つけてみてくださいね。
写真:浅井 みら野
地図を見る現在1日6室限定でホテルとなっているルヌガンガ。宿泊場所は敷地内に点在しており、丘の上に佇む家は“ガーデンルーム”と呼ばれ、もともと庭仕事用につくられたものがホテルとして改装されました。デダワ湖が見渡せる場所にあり、ツアー参加者も周辺を散策することができます。果たしてその景色とは…。それは訪れた時のお楽しみとしてとっておいてくださいね。
ツアーは約1時間ですが、敷地内が広く、バワのこだわりが多く残されているので、あっという間に終わります。建築好きな方はもちろんのこと、自然が好きな方も楽しめる場所です。
ホテルが満室だったり、滞在時間が短かったりしても、こちらのツアーに参加すればバワの世界に十分浸れますよ。
ルヌガンガから車で5分ほど、海辺の町ベールワラにもバワがデザインした「ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ(Heritance Ayurveda Maha Gedara)」があります。美しいビーチの目の前にあり、本格アーユルヴェーダを受けられるホテルです。ルヌガンガとは異なる雰囲気ですが、どちらも周囲の自然と建物がバランス良く溶け込んでいます。
バワが見てきた景色は、今でも健在です。数々の素晴らしい建築を生み出したバワが大切にした景色、自分の目でも見てみたくなりますね。
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(2024/4/19更新)
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